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＃２３　重巡摩耶、撃沈戦果

「総員、戦闘配置！　主砲、撃ち方用意！」

「主砲塔、用意良し！　指命！」

「――ッ、撃って来た！」

「右、砲撃戦。　用意・・・ぅてぇー！」

　アディス級潜水戦艦に搭載されている４２・８口径６５センチ３連装主砲塔３基９門から発射された砲弾が、弧を描きながら飛翔し途中で比叡の徹甲弾とすれ違い最終的に比叡と摩耶の横腹に降り注いだ。

　比叡の砲弾はアディス級潜水戦艦の左右に着水して水柱を上げたので「次弾装填、徹甲弾。　撃てぇー！」と砲術長《ルドゥリア》に指示を飛ばした。

「――次弾装填完了！　発射始め！」

　砲身内に刻まれたライフリング加工を砲弾がラグビーボールのように回転し、砲身から火を噴き発射された後も鋭く回転を続ける。そうして、弧を描き今度は比叡の射撃指揮所に命中して破壊した。

「命中、命中！」

「――急速潜航！　深度自由、ノーヴァ！　艦尾発射管より囮《デコイ》魚雷２本、緊急発射《スナップ・ショット》！」

「――錨巻き上げ完了、急速潜航ぉ～‼」

「緊急発射、始め！」

　それと同時にノヴェラスは追加で特殊垂直発射管《ＳＰＶＬＳ》から≪追尾式艦対空迎撃兵装《ＳＴＡＭ》≫の発射を指示した。

「トラックナンバー４５、撃ち方始め！」

「「発射始め、ぅてぇー‼」」

　戦術長《レイクッド》と水雷長《ノーヴァ》の息の合った掛け声と共に、ＦＩＲＥと書かれた赤いボタンを押した。

　白い煙と共に火が上り、その後に槍のような物が特殊垂直発射管《ＳＰＶＬＳ》から発射された。ある程度上昇し尽くすと、ブースターを切り離して亜音速で飛行し始めた。そしてそのまま・・・、比叡の２番砲塔に着弾し大破させた。

「敵主砲塔、機能停止！」

「今が好機だ、エセス！」

「はい！急速潜航！」

　船体が軋む音が轟音となって艦内に鳴り響く中、聴音手が叫んだ。

「――ッ、敵魚雷探知！　感４！」

「摩耶からか？」

「そうです！」

「音響発射、反撃発射《カウンター・シュート》！」

「了解。音響、発射！」

　音響魚雷がジャミングをしている間に、「――準備完了《セット》！」とノーヴァが叫んだ。

「発射！」

「発射《シュート》！」

　艦首発射管から二酸化炭素魚雷がお返しとばかりに発射されて、それに遅くなって気が付いた摩耶は回避する間もなく艦中央部の船体に魚雷を受けた。それが致命傷となったのか、ゆっくりと左に傾きながら爆沈した。