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犯人の言い訳

作者: エドゴン

【1.序章】


マネヒコは警備員として働いていました。今日も交通の誘導で車の整理をしていました。


マネヒコ「オーライ、オーライ」


ごつん。


運転手「何やってんだコラァ。てめえの誘導通りに車を動かしたら壁に当たったじゃねぇか。どうしてくれるんだ?社長を呼べ。」


マネヒコは責任者を呼んできました。


責任者「大変申し訳ございません。」


運転手「弁償しろよ。てめえらのせいなんだからな。」


責任者「はい、すみませんでした。」


仕事が終わりその帰り際。


責任者「マネヒコ、よくもやってくれたな。弁償金はお前の給料から差っ引いておくからな。覚悟しろ。」


マネヒコ「すみませんでした。」


【2.幻聴の始まり】


マネヒコはイライラを募らせていました。


マネヒコ「なんで弁償金を俺の給料から引かれなきゃいけないんだ?おかしいだろ!ただでさえ安月給なのに少し車をぶつけたくらいで大騒ぎな。あの上司はクソだな。会社を辞めてやっても良いが行くあてもないしな・・・やってられん。」


ズッコーン!


マネヒコは目の前にあったゴミ箱を蹴り飛ばしました。


マネヒコ「こんなもんじゃないぞ。俺様は最高にイライラしているのだ。」


幻聴「ふはっは、間抜けだな。」


マネヒコ「なんだと。許さん。誰だ?」


マネヒコは幻聴を聞いてしまったようです。統合失調症の初期症状ですね。マネヒコには統合失調症という病気の知識もないため幻聴だということに気付けないでいました。


マネヒコは帰宅途中の電車内にいました。


幻聴「事故らせるとはこの馬鹿野郎!」


マネヒコ「てめぇ。このやろう!」


マネヒコは目の前にいた男性の胸ぐらを掴みました。


「ぶっ殺すぞ!」


周りの乗客が仲裁に入り事なきを得ました。


マネヒコ「チッ」


マネヒコは舌打ちをしました。電車を降り自宅までの道でさらに幻聴を聞くことになりました。


幻聴「死ね。刑務所に行け。事故らせた罰だ。」


マネヒコは幻聴から罵声を浴びせられました。ただでさえイライラしていたマネヒコには耐えられず近くにいた通行人を突き飛ばしました。


どーん。


マネヒコ「てめぇ、許さん。俺様に喧嘩を打っているのか!俺を怒らせると怖いぜ。」


【3.イライラ】


突き飛ばされた男性は即座に警察に通報しました。マネヒコは興奮していて危険な状態です。


マネヒコ「よくもよくも。」


どーん。


マネヒコはゴミ箱を蹴り上げました。


マネヒコ「許さん、許さん!」


マネヒコの興奮はおさまりません。


5分ほどが経過し警察が到着。突き飛ばされた男性が警察に説明をしました。


警察「なるほど。わかりました。」


警察はマネヒコに事情を聞くことにしました。


【4.言い訳】


警察「あなたですね。男性を突き飛ばしたのは。」


マネヒコ「あの男が悪いんだ。俺を罵った。死ね、刑務所へ行けなどとな。慰謝料を請求する。」


警察「手を出したのはあなたですよ。」


マネヒコ「何が手を出しただ。俺を罵ったからだ。この野郎。」


マネヒコは男性に飛び掛かりました。取っ組み合いとなりました。


幻聴「もっとやれ、もっとやれ。へいへへーい。」


マネヒコ「なんだと。」


ぶんっ!ドゴッ。


マネヒコは男性を殴りました。


マネヒコ「ぬおおーー。許さん許さん。きえーい。」


警察が止めに入りました。そしてマネヒコは現行犯逮捕されてしまったのです。


幻聴「がーっはっはっは!」


マネヒコ「貴様、笑ったな。」


マネヒコは警察を睨めつけました。


警察「静かにしなさい。」


マネヒコは警察署に連れて行かれ事情を聞かれました。


警察「どうして殴った?」


マネヒコ「あの男に刑務所へ行けと罵られた。ぐおおーー。今考えただけでもはらわたが煮えくりかえるぜ。死ねとも言われた。ぐおおーー。許さん、許さん。しかもあの男は「へへーい」などと挑発をしてきたのだ。殴って一泡吹かせてやったぜ。」


警察「どうやら精神鑑定をする必要があるようだね。」


【5.精神科を受診】


マネヒコは警察に連れられて精神科を受診しました。


精神科医「それは幻聴と呼ばれる症状ですね。統合失調症の初期症状です。3ヶ月間くらいの入院をしましょう。」


マネヒコ「俺は何も悪くはない。あの男が全て悪いんだ。離せ。」


マネヒコは屈強な看護師数人に押さえつけられ閉鎖病棟のベッドの上まで運ばれました。


精神科医「ゆっくり治療をしましょう。」


マネヒコ「ぐおおー。きえええーい。」


マネヒコは暴れたので手足を拘束され、ベッドに縛り付けられました。そして鎮静剤を注射されました。


そして3時間後・・・。


主治医「少し落ち着いたようですね。診察をしましょう。一体何があったんですか?」


マネヒコ「仕事の失敗で給料から弁償金を払わされたんです。多分それが原因だったのではないかと思いますね。かっちーんときました。」


主治医「それは大変でしたね。入院治療をして落ち着いたら退院としましょう。」


マネヒコは会社を解雇されました。理解のない会社にいるつもりもなかったためマネヒコはせいせいしました。


マネヒコ「あのクソ上司に会わなくて済むなんてなんと素晴らしいんだ。退院したら就活でもするかな。」

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