ショートストーリー 程ほどのデブ
北村の妻はふっくらと太っている。
でも醜いわけじゃない。
適当に太っていて見苦しいことはない。
でも妻は太ってきた、
太ってきたと充分気にして嘆いていた。
北村の子供の入学式に出席しての帰り道、
「ずっーと他の子供の親を見ていたけれど、
おまえ程度に太った人は結構いるよ。
あんまり気にしない方がいいぞ」
と妻に言った。
妻はちょっとムカッとした顔をして小さくつぶやいた
別にそんな慰めいらないってゆーか、よけい傷つくわよ?
慰めるつもりが仇となった瞬間でした。