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スケルトン放浪記~なんとなく落ちてる骨を拾って食べてみた~  作者: kage3
至高のホネと高級霜降り牛3.5倍のホネ
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気合いがあれば・・・

「コツコツ(あの美味しい骨を召喚できるってことは無限にあの味を味わえるのか!)」

スケルトンの表情が恍惚としている。

キモイですね。

「コツコツ(食べた骨を召喚するにはどうすりゃ良いんだ?)」

トカゲがいうにはスケルトンが食べた骨を召喚することができるらしいのだがスケルトン本人はどうすれば召喚できるのかさっぱり分からない。

「そりゃ、鮮明なイメージを持って魔力を解き放てば後は超自然的な何かがやってくれるぞ。」

「コツコツ(イメージは大丈夫だ。あの味は鮮明に思い出せる。何なら想像だけでご飯3杯いけるわ!)」

スケルトンはコツコツという音だけで5倍以上の情報を伝えるという変な器用さを発揮している。

「味はどうでも良いがイメージが鮮明なら問題ないじゃろ。やってみるんじゃ。」

「・・・コツ(魔力ってどうやって解き放つんだ?)」

「・・・気合いじゃ。」

「コツ(気合い?)」

「そうじゃ。」

頭の上にクエッションマークを浮かべるスケルトンに大きく頷くトカゲ。

「コツコツ(もっと具体的に説明してくれんと分からん。)」

「・・・面倒じゃ。」

何故か視線を逸らしながら答える。

「コツコツ(そんなこと言わずに頼む。このままじゃ何時召喚できるようになるか分からんぞ。)」

「ハァ、本当に面倒なんじゃが仕方ないのぉ。まず空気中の魔素を感じ取る。感じ取った魔素を呼吸を通して体内に取り込む。ここで重要なのは静魔力管を十分に広げることと雑気を排除する静魔フィルターを活性化して・・・」

トカゲの説明はまだまだ続く。


「コツコツ(分かった。気合いだな。)」

スケルトンはあまりに長いトカゲの説明を理解することを諦めたのだった。

「・・・わしは何のために面倒な説明をしたんじゃ。まぁ良いが・・・。」

説明を無駄にしたスケルトンに思うことがないわけではないが説明するのに疲れたトカゲには怒る元気がなかった。

「コツコツ(ハァ~、ホ~)」

スケルトンわずかに思い出した生前の記憶を元に気合いを入れるために大きく息を吸う。

肺のないスケルトンが息を吸うことは出来ないが気合いの入れ方を他に知らないのでとりあえず試してみる。

アンデットは白骨に魂が宿った半精神生命体だ。

大部分は意志の力が物を言うので自分がイメージしやすい動作が良い。

つまり、自分になじみ深い方法をするのはイメージを鮮明にするのでアンデットにとって正しい方法なのである。


「コツコツ(キタキタキタァ!!!)」

スケルトンはしばらく大きく息をするフリをしていると体がの中心から大きな力があふれ出てくるのを感じた。

本当に気合いで魔力操作を成功させた。

「良いぞ。その調子じゃ。ここまでアッサリ魔力操作を行うとはやるなお主。イヤ、簡単に魔力操作ができるように説明した我がすごいのじゃ。さすがワシじゃ。」

そもそも半精神生命体のアンデットが魔力を操作出来ない方がおかしい話なのだ。

なぜなら筋肉の無いアンデットは魔力操作の応用で自分の体を動かしているからだ。

つまりトカゲのなが~い説明は全く関係なくアンデットの特性のおかげだ。

スケルトンは魔力操作ができなかったのではなく単に魔力操作を行おうとしなかったからだ。

普通のスケルトンには意思がないから魔力操作を行おうとすらしないだろうけど。

そのことを知らないトカゲは自分で自分を褒め称えている。

魔力操作に集中しているスケルトンの耳には届いていない。

「よし、今じゃ。魔力を解き放つのじゃ!」

「コツコツ!!(いでよぉ!骨!)」

高まったスケルトンの魔力が放出され暗闇に包まれた地下の祭壇は魔力の光に包まれた。

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