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今日だけは、今だけは。

作者: 霧矢英俊

君の声が聞きたくない。

君の姿を見たくない。

君のことを考えたくない。


こんな感情に陥るだなんて、当の私ですら予想していなかった。

いつもだったら、目があっただけで私は1日やりきれる。


今日だけは、今だけは、

君に触れたくない。


きっと、君の優しさに甘えてしまうから。


君だけにはこんな弱い私を見せたくない。


君が思っているより、本当の私はちっぽけで、背伸びをしているだけなんだ。


涙を流す男も素敵だ、弱い面を持っていることはいいことだ。

君は最高の人だから、私にそういうかもしれない。


でもそれじゃダメなんだ。


たとえ幾千幾万の他人がそう言おうとも、私1人の頑固さには到底およぶまい。


待っていて欲しい。


必ずもとの強い私になって帰ってこよう。

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