暗がりドリップ
夜雲を見れば
あの立体的場所に
何かあると思う
星と月と雲
あの雲の上に
何かあると思う
黒く煌びやかな空に
浮かぶ雲は
そんな夜の色にさえ
染まらずに居る
月のおかげである事は
明々白々なのだが
千切れた小さな雲ですら
存在を感じられた
あれはもう少しで
離れて行く
あれはもう少しで
消えて行く
暗がりの変化は
良く見なければ
知らない間に
変わる物だ
決まった物は
世の中には少ない
黒く静かな空に
浮かぶ雲は
そんな夜の音にさえ
染まらずに居る
星が騒がしいからである事は
明々白々なのだが
千切れた小さな雲ですら
存在を感じられた




