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46.オーバーロード作戦

「こいつは……強いな」

エルンストはティーゲルの上部ハッチから半身を乗り出して呟いた。

彼の目の前には鉄屑と化した何両ものバイエルン軍戦車がある。それらは彼の操る戦車によって撃破されたものであった。

「しかしこの砲は本当に強力ですね、まさか王国の新型戦車の正面を簡単に破れるとは」

「そうだな……それに奴らの弾を全て弾き返した。大した戦車だよ、この虎は」


エルンストの中隊はティーゲルを配備され初の実戦に臨み、その強さを実感していた。何しろ戦場に彼らの敵と成り得る物は存在しなかったのだから。だが真の敵は別の所に潜んでいたのだ。


「ただいくら壊れやすいと聞いていたとはいえ初戦で故障車両が出るとはなぁ……困ったものだ」

「あんなデカブツを運ぶような牽引車を敵地で動かす訳にもいきませんしね……」

「結局規則通りに自爆処理を行ったものの、あのペースで数が減るとすぐに数を維持できなくなるぞ」

「お偉いさんは何も分かっていませんからねぇ……仕方ありませんよ」

「少しくらいは前線の要望を取り入れて欲しいのだが……まあある物で戦うしかない訳だ、私たちは」

「戦車があるだけマシですからねぇ……このティーゲルも師団に配備されるのは我らダス・ライヒ師団みたいなSPRSS師団位しかないと聞きますし。他は全部独立重戦車大隊に配備されるそうですよ」

「数が足らないから仕方が無いといえばそれまでなのだが……どうにかならないものか」


エルンストらは深くため息を着くと、再び戦闘へと向かった。



ティーゲル戦車が配備されてから、皮肉にもエルンストの撃破スコアはかなりの勢いで伸びる事となり、その数は100に達しようとしていた。また、ティーゲル戦車は他の戦場でも大きな活躍を見せ、バイエルン軍はその強さに恐怖する事となったのだ。


……このような重戦車、防御戦術で最も有用な戦車が活躍するという事、それはドイチュラントが追い詰められた事に他ならないのであった。共通暦942年1月、まだ年が明けて間もない頃、遂に両軍の均衡は崩れた。バイエルン王国軍北西戦線の第3軍第2装甲師団が塹壕を越えて戦線の突破に成功したのだ。これに続いて北西戦線の各軍は前進を開始、混乱の中にあるドイチュラント軍を蹴散らして戦線を突破した。

勿論ドイチュラントも為されるがままという訳ではなく、即座に予備の軍を動かしてバイエルンの進撃を何とか止める事に成功する。しかしこれによって数的不利に陥ったドイチュラントはじりじりと戦線を後退させる事となったのだ。



共通暦942年6月、ウカイネ島へと押し込められていた共和国同盟軍が遂に大陸奪還作戦、通称オーバーロード作戦を開始、大陸最東部に位置するリヴィウ海岸への上陸作戦を発動した。

まず魔導船からの降下部隊が海岸付近へと降下、上陸後の進軍に必要な橋の占領と上陸を妨げると予想される砲台の破壊を行った。


敵軍急襲の知らせを受けたドイチュラント軍は必死の抵抗を行ったが、上陸した大量の同盟軍との兵力差は数十倍であり、彼らには撤退しか道は残されていなかったのであった。



こうして大陸への上陸を許してしまった共和国同盟軍に対抗するため、エルンストらダス・ライヒ師団を含む多くの戦力は東部へと送られる事になったのだった。


あと少しで・・・(´;ω;`)ウッ…

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