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24.総統ミリア、国の改革を行う

ドイチュラント共和国がSPRによる独裁政権下に置かれたことで周辺国、特にバイエルン王国では衝撃が走った。

以前から反バイエルンを掲げるSPRの動向に非常に敏感になっていた同国だが、民主主義国家でここまでの事をするとは思いもしなかったのだ。

同時に、8年前に新たな艦隊の拡張計画を提案したバイエルン女王ミリアに国内外を問わず称賛の声が上がった。彼女の先見の明は確かであると証明されたのだ。かの超巨大魔導船は後2年ほどで完成する予定である。この化け物が完成すれば、最早バイエルンに敵対する国は現れないであろう。

そう誰もが思った。



まず総統ミリアは前戦争の条約を不当な物として破棄し、共通暦933年に再軍備を宣言した。これにはただ単に軍事力を上げるだけでなく、軍事産業の成長や軍事支出による経済の安定化を狙った物でもあった。


また同時に、前戦争後少しずつ主要な移動手段となりつつある魔力車を走らせる道路網を国内中に整備した。これもまた経済の安定化に一役買った。


再軍備に伴って、ドイチュラント軍は戦車や魔力車から成る師団、機甲師団(Panzer-Division)を中心に編成した。これは少数の軍で数に勝る敵を撃破するために、皮肉にも前戦争でバイエルン王国軍が行った機甲師団を参考にしたものであった。


戦車はバイエルン王国以外では魔導炉の小型化技術の不足からさほど生産されておらず、バイエルン王国においても超巨大魔導船の建造に多くのリソースを割いているため、さほどドイチュラントと技術差が無かった。そのためバイエルン王国から輸入した戦車を元にドイチュラントで研究が行われ、新たな戦車が製造されたのだった。



この様に多数の事業を行ったことで国内の経済は安定したように見えた。しかし実際は国庫の余剰金がばら撒かれただけであり、勿論表面上は隠されているものの、このままでは国庫が枯渇するという事態に陥った。


この事や更なる工業力の獲得を理由に、共通暦936年3月7日ドイチュラントは同民族であるという事を建前に、ザクセン王国に対し軍事力を用いて併合を要求した。再軍備されたドイチュラント軍の前に王国はどうする事も出来ず要求を呑み、王が退位したことで3月10日、200年ほど続いたザクセン王国は終焉した。


意外にもザクセン王国の国民は歓迎してドイチュラント軍を受け入れた。これは当時不況の中、王が多くの国民から搾取することで国家の予算を集めていたからであった。

こうしてドイチュラントは更なる工業力、人的資源、それに資金を手に入れる事ができ、国庫枯渇の危機からも逃れる事にも成功したのであった。



度々と近隣諸国からの緊張を高めていたドイチュラントであったが、この事件によって更に緊張が高められ、併合翌日の11日にはバイエルン王国が正式に抗議を表明、国境には両国の軍が集結する事になった。

既に国境付近からは住民の避難が行われ、両国とも総動員体制に入り、更なる兵士が国境へ次々と送られていく。最早戦争は避けられない。


そう誰もが思った時、1人の女が動いた。


キリが悪くなるので短めです・・・すみません<(_ _)>

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