12.見習い女王ミリア、新技術を開発させる
地下施設の端にとある極秘施設が存在する。
それはバイエルン王国魔導工学研究所、日々バイエルン王国の国家機密を研究している施設である。元はダンツィヒから逃れた技術者が作った小さな工房であったが、今では100人を超える研究者が働いている。
ここでは現在魔導炉の小型化が研究されている。
昼過ぎ、研究員を始めて2年のフェルディナント=ポルシェはサボりに……ではなく煙草を吸いに外へ出た。
すると門の前に一人の少女を見つける。
「どうした、お嬢ちゃん。ここに何か用かい?」
「そうよ、所長を呼んでくれるかしら?」
何を言っているんだ、この少女は。彼はそう思いつつも渋々所長室に向かう。いつもだらけた彼は生真面目な所長と反りが合わないのだ。
「所長~、門の前で女の子がお待ちですよ~」
乱暴にドアを叩く。
すると急にドアが開き、フェルディナントは思わず倒れてしまう。
「いててて……何をするんですか所長、痛いじゃないですか」
「それどころじゃないポルシェ研究員、貴様の言う少女とやらは門の前で待たせっぱなしにしているのか?」
「そりゃそうですよ……何か問題でも?」
「問題しかないじゃないか!ああ、そこの君、君だっ!早く彼女をお連れしろ」
フェルディナントはやけに焦る所長を見つつ、自席へと戻る。
「あ……煙草吸うの忘れた」
「で、所長。これはどういう事かしら」
「も、申し訳ありません、陛下!どうかクビだけは……」
中年男が少女に土下座している。傍から見れば滑稽な状態だが、所長は本気で焦っていた。
「まあ私が知られていないのは私の問題だから、今回は許しましょう。ですがもし次も同じ対応なら……あなたの首が物理的に飛びますよ」
「ひゃ、ひゃいっ!ありがとうございます!」
ミリアは研究所に来ていた。
そして自分を知らない研究員がいたことを知り少しばかりショックを受けているのであった。
「では今回の本題に入ろうかしら、現在はどの辺りまで魔導炉の小型化が進んでいるの?要求スペックは超えれたかしら?」
「実は後30分ほどでまさにその魔導炉の最終試験を行う予定です。ご覧になりますか?」
「勿論よ、実験場へ連れて行ってくれるかしら?」
堂々と歩く少女とへこへこしながら先導する中年の男。傍から見たら散歩をしている少女と犬のようであった。
その日の夜。
ミリアは自室でエーミールと話していた。
「遂に小型魔導炉が完成したわ…これで私の構想してきた兵器がやっと作れる」
「素晴らしい事です、陛下。しかし陛下が新兵器を考えているという話は聞いたこと無いのですが……」
「当たり前よ、まだ誰にも言っていないもの」
「でしたら是非私にお教えしてほしいのですが……」
「あなたは本当にせっかちね。駄目よ、完成するまで楽しみにしててね」
「了解しました、陛下。楽しみにして待っています」
ミリアは自室の灯りを消す。
そして暗闇の中。
二人の影は重なり合った。
短くてすいません<(_ _)>
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