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5ページ目「西瓜VSリンカ。」

「英輔」

「ん?」

「魔力を」

「魔力?」

英輔は会った時にリンカが言っていたことを思い出す。

 召喚されたものは召喚したものの魔力の分だけ戦うことが出来る。

「お前が使おうとしなければ、私だって使えない」

「使おうとするって・・・」

「昨日不良とやった時出来たじゃないか!」

あの時リンカは確かに魔術を使った。

「って言われても・・・」

あの時は無意識にやっていたため、いざ意識するとうまく行かない。

「ああもう!とにかく何かしようとしろ!」

「わ、わかった」

英輔は目を閉じた。

魔力・・・。

俺の中に少しだけでもあるのなら・・・

リンカに使わせてやってくれ・・・!

英輔は身体の中で何かが湧きあがるのを感じた。

これが魔力・・・・?

ボォッ!

リンカの右手に炎が灯る。

「あらやだ。炎じゃない」

「やった!」

リンカは魔術が使えたことを確認すると、ニヤリと笑った。

「焼き尽くしてやる・・・!」

ゴォッ!

リンカの右手から火炎放射機のように炎が噴出する。

「きゃ!」

西瓜すいかは炎を跳んで避けると、近くの机の上に立った。

「元の姿はあんまり見せたくないんだけどなぁ・・・・」

「だったら変化したまま・・・」

リンカの右手が再び西瓜に向けられる。

「焼け死ねば良いッ!」

ゴォッ!

西瓜は炎を避けると同時に片方の腕から植物のツタのような物を伸ばし、英輔の首に巻きつけた。

「うッ・・・!」

「英輔ッ!」

西瓜は英輔に近づく。

「流石に炎が相手じゃ分が悪いわ」

「卑怯だぞ!」

「賢い、と言ってくれるかしら?」

「ぐ・・・!」

西瓜は英輔の首をツタでギリギリと絞め上げる。

「そんなツタ、焼き払ってやる!」

「良いの?この子ごと焼き払うのかしら?」

「な・・・!」

「それに、私本体を焼くとしても、私が焼け死ぬのと、この子が窒息死するの、どっちが早いかしら?貧乳のあなたでもわかるわよね?」

「貧乳は関係ないだろ!」

そんなやりとりをしている間にも、英輔の首は絞め上げられていく。

「り、リンカ・・・・」

「く・・・英輔・・・!」

「どっちにしろ私の勝ちね。この子が死ねば、あなたは魔力を使えない」

「く・・・・あ・・・・!」

英輔が苦しそうにうめく。

「やめろッ!」

「やめない。私はまだ1人分の生気も吸ってないのよ?何も吸わずに帰ってたまるもんですか!」

「・・・。わかったよ。お前を見逃すから、英輔を放せ」

「な、何言ってるんだ・・・リンカ・・・」

「賢明な判断ねぇ・・・」

西瓜は一瞬ツタを緩める。

「あ・・・」

「英輔ッ!」

「でもダメ」

「ぐッ・・・!」

リンカが近付こうとした瞬間、西瓜は英輔の首をもう一度絞めた。

「おい、スイカ女・・・」

「何よ?」

「お前、俺が・・・何も出来ないことを前提に喋ってるだろ・・・」

「当たり前じゃない、人間には何も出来ない」

「それは・・・・間違いだ・・・・ッ!」

ドンッ!

「え・・・?」

英輔が力を振り絞り、西瓜にタックルする。

「リンカッ!」

一瞬よろめいた西瓜にリンカが近付き、ツタを思い切り握る。

握った手から燃え盛る炎で、ツタを焼き切った。

「な・・・ッ!?」

英輔はすぐに西瓜から離れた。

「助かったよリンカ」

「まったく、何をやっているんだお前は」

英輔は首に絞まったツタを何とか外した。

「チッ!これじゃ勝ち目ないじゃない!」

「そうだ。観念してあっちへ帰れ愚か者!」

「嫌よ。ここは逃げさせてもらうわ」

そう言うと西瓜は腕からツタを伸ばし、ツタで窓を開けた。

「じゃあね」

ニヤリと笑うと西瓜は外の木にツタを巻きつけ、ツタを縮めて外に逃げた。

「あ、待てッ!」

「また会いましょう貧乳さん」

「うっさいスイカ女!次会った時はお前なんか焼き尽くしてやるッ!」

リンカが叫んだ頃には西瓜は既に逃げ去っていた。

「追わなくて良いのか?」

「いや、あのまま追いかけても多分逃げ切られる」

「そっか・・・」

「う、うう・・・」

不意に雄平が目を覚ます。

「あ、あれ・・・?何で俺まだ食堂にいるんだ・・・?」

「高島!」

「おう、桧山。昼は弁当じゃなかったのか?」

どうやら魅了チャームがかかっている間の記憶は無くなっているようだ。

「何言ってんだ。授業戻るぞ」

「へ?授業・・・・?っつか桧山」

「何だよ?」

「その誰だ?」

雄平が指さしたのはリンカだった。

「ん?私か?」

「いや、あの、この娘は・・・」

「私はリンカ。この学校に転校しようと思ってな。下見に来ていたところだ」

「ハァ!?」

「なーんだ。そーなのかー」

満足気に納得する雄平。

「お、おいリンカ。どういうことだよ?」

「こういうことだ。私と英輔は常に行動を共にした方が良い」

「・・・。やれやれ。とりあえず今日は帰れよ」

「仕方ないな」

英輔はとりあえずリンカを帰らせ、雄平と教室に戻った。



「なあ桧山」

「ん?」

「あの娘お前の知り合いか?」

「・・・。まあな」

「すげえかわいかった。マジ惚れる」

大真面目な顔で言う雄平に、英輔は呆れてしまった。

「このロリコンが」

「何とでも言え。愛にはロリコンも糞もないのだよ」

英輔は「ハァ・・・」と深く溜息をついた。


To Be Continued

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