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14ページ目「英輔の底力。」

ヒュウッ!

雅の周りで強い風が吹く。

「やるからには俺も本気でやろう・・・」

「待て!やめろ雅!英輔はもう関係ないッ!」

「これだけ俺の邪魔をしておいて、関係ないハズがない・・・・!」

雅はゆっくりと腕を上げた。

「千切れろ」

そして一気に振り下ろした。

ビュッ!

縦に巨大な風の刃が出現し、英輔に向って飛んだ。

「うおッ!」

英輔は間一髪でそれを横に避けると雅に向かって走り出した。

「おおおッ!」

英輔はまだ魔力を全く使いこなすことが出来ない。

先程の結界もがむしゃらにやったのがたまたま壊すことが出来ただけであり、英輔には戦うことはおろか、まともに魔力を扱うことすら出来ない。

故に、必然的に肉弾戦で挑むしかなくなるのである。

「馬鹿が・・・。イノシシかお前は」

「馬鹿かイノシシか・・・・どっちかにしやがれッ!」

キィンッ!

「ッ!?」

殴りかかった英輔の拳は雅に当たる手前で防がれた。

「な・・・・!?」

見えない何かが英輔の拳を防いでいるのだ。

「肉弾戦で魔術師と戦おうなどとは・・・・。間抜けにも程がある」

「糞ッ!」

キィンッ!

やはり拳は防がれる。

「やめろ英輔!お前じゃ勝てない!」

「勝てる勝てないの問題じゃ・・・ねえんだよッ!」

キィンッ!

「無駄だ。素手じゃ俺の結界は破れない」

「この野郎ォォォォッ!」

ガッ!

手前で弾かれていた拳が結界に触れた状態で止まる。

「らあああああああッ!」

バチバチッ!

「ッ!?」

結界に亀裂が走る。

バキィンッ!

「・・・!?」

雅の周りの結界が音を立てて砕ける。

「結界が・・・・!?」

「喰らえッ!」

ガッ!

英輔は雅の顔面を思い切り殴った。

「ぐ・・・!」

「どうだ・・・!」

「・・・。そうか・・・」

雅は殴られた頬に手を当てる。

「異常な程の魔力・・・。それがお前から漏れているのか・・・。道理で俺の結界が破られるわけだ・・・」

ヒュウッ!

雅の周りの風が一層強くなる。

「甘く見ていた・・・・!殺す気でかかるぞ・・・・!」

「・・・・!」

ゴォォォォォォォッ!

雅の周りに巨大な竜巻が出現する。

「死ね」

竜巻が英輔に向かって飛んだ・・・その時だった。

「ッ!?」

英輔の前で竜巻が消える。

「もうやめろお前達ッ!」

リンカだった。

リンカが魔術で竜巻を相殺したのだった。

「雅・・・お前の誘いは断らせてもらう」

「・・・。何・・・!?」

「英輔は放っておくと何をし出すかわからないからな・・・。それに」

リンカはギロリと雅を睨みつける。

「私の記憶をいじろうとするような奴の元へ行く気にはならんな」

「く・・・・!」

「帰れ。私にはお前は必要ない」

リンカはピシャリと言いつけた。

「・・・・。わかりました。しかし、これだけは覚えていて下さい。そこのそいつより俺の方が優秀だということを・・・」

そう言うと雅は屋上から飛び降りた。

「なッ!?」

英輔は慌てて屋上の下を見下ろす。

雅は魔術を使ったらしく、地面にキレイに着地した。

「驚かせやがって・・・・・・」



「なあリンカ。何でお前、アイツのところに行こうとしたんだよ?」

帰り道の途中、英輔が不意に問いかける。

「そ、それは・・・・」

これ以上英輔を危険な目に遭わせたくない・・・とは言えない。

「お、お前なんかより雅の方が優秀だと思ったからだ!お前のことなんかこれっぽっちも考えてないんだから勘違いするなよっ!」

「・・・・。そっか」

「・・・英輔?」

「リンカ、俺、強くなる。まだ使いこなせないけど俺には魔力があるんだろ?魔術も使えるようになって、アイツなんかより・・・霧島雅なんかよりよっぽど優秀になってやるよ。お前に余計な心配かけないようにな」

「なっ・・・!」

それを聞くとリンカは頬を赤らめた。

「し、心配なんかしてないっ!調子に乗るな馬鹿者っ!」

ゴッ!

「痛ッ!」

英輔の脛にリンカの蹴りが直撃した。

「何すんだよ!」

「調子に乗るからだ!馬鹿者!」



翌日、教室に入るとそこにいたのは雅だった。

「なッ!?お前、何でいるんだよ!?」

「俺はこの学校の生徒だ」

「正規じゃねえだろ!」

「リンカさん、先日は申し訳ありませんでした」

「ん、ああ・・・・・」

何とも微妙な表情で受け答えるリンカ。

「いつかリンカさんが俺を認めてくれるか、俺が目的を達成するまで俺はこの学校に居続ける」

「な・・・!」

「リンカさん、これからよろしくお願いします」

雅はリンカに手を差し出す。

「ああ・・・」

リンカはぎこちなく雅の手を握り返した。

「帰れー!帰ればかやろー!!」

そんな雅を英輔は必死に罵倒した。


To Be Continued

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