部活によって学校生活がガラリと変わります。
2日おき更新とか言ってすいませんでした。本当に遅れてしまってごめんなさい!
英 花凛襲来!字面だけ見ると中華料理屋みたいだな。ではなくて、あなた民俗研究部本当に興味ありますか?あなたの趣味確か音楽聴くこととか裁縫とか言ってたじゃないですか。身体を動かすのも嫌いじゃないって言ったじゃないですか。あんなに一生懸命語ってたじゃないですか。むしろ運動部に入るフラグだったんじゃないんですか?
とういうかあれですよ青春は部活で決まると言っても過言ではないですよ。厳しい部活に入ったら引退するまで私生活にズカズカと進入されたり。意識高い系の部活に入れば必然的にそういう人たちと関わる事が多くなり青春イベント満載の日々を送ったりできる。
正直に言ってしまえば、血迷ったか英 花凛。
「いいだろう。歓迎しよう。ようこそ民俗研究部へ。ふむ今日はいい日だな。まさか新入部員が二人も入るとは。まあ適当に座りたまえ」
大仰に言う鬼無里先輩。
英さんは座った。俺の隣に。
ちょっと待って。おかしくない?
この教室の机の配置は前も言った通り会議室みたいになっている。もっと詳しくいうと長机が4つ縦2横2で並んでいて周りに適当にイスが置いてある感じね。これでもわかりにくい人は生徒会の◯存の生徒会室みたいな感じだと思ってくれればそんな感じ。わかりにくいか。てかあの作品すごいよな。学園生活のイベントとか殆どやらずに雑談だけで終わらせるとか神の所業。
話を戻そう。でだ、今いわゆる誕生日席に鬼無里先輩が座っている。鬼無里先輩から見て左の側面に俺。その後ろに縛られた実篤。俺の横に英さん。
おかしくない。普通俺の対面に座らない?こっち側だけ、人口密度多くない?
「な、なんでそこに座っているのかな?英?」
「特に意味はありません。しいて言うならなんとなくです。」
あっ、ちゃんと先輩には敬語つかうんだ。
「そうか。ではそちら側に移動したまえ。そちらに2人ではバランスが悪い。」
どんな理由ですか。どんな。というか頑なに実篤を人枠に入れようとしないんですね。
「……わかりました。」
英さんはしぶしぶといった程で俺の向かい側に移動し始める。
「よし、これでいいだろう。では自己紹介から始めようか。まず僕は部長の2年3組 鬼無里 魅麗だ。よろしく頼む。民俗研究部の活動としては、文化祭での展示のみだ。各自好きな事を調べてくれたまえ。蓮水くんとは幼馴染だ。」
最後の情報いります?
「1年3組 英 花凛です。こういう自己紹介ってどういう事を言えばいいかわからないんですけど…う〜んと民俗研究部っていう変わり種の部活が気になったので入ろうと思いました。蓮水くんとは同じクラスで隣の席で友達です。」
もうつっこまなくて良いよね。
「1年6組 鬼無里 実篤だ。英さんに最初に言っときますが縛られているけどドMではないです。ぶっちゃけこの部活には入りたくーーーードベフッ
実篤ぅ。お前は偉いよ。そんな状態でも立ってしっかりと挨拶をしようとしていた姿勢だけは。だが学べよ。そういう事を言おうとしたらまた投げられるってわかるじゃん。もうお前ドMでいいよ。
実篤はなまじ顔がいい分縛られて転がると変態性が増すな。ていうかさっきから実篤にノータッチの英さんも怖い。
「1年3組 遠江 蓮水です。入った理由ですは……鬼無里先輩がいるからですかね」
それ以外の理由は特にない。ただお世話になった先輩への義理をはたそうとしただけ。
ーブフゥ ゴン
鬼無里先輩が噴き出して机に頭をぶつけた。先輩のそのリアクション新鮮だな。言ったかいがあった。
「ふ〜ん。蓮水くんは先輩がいるからこの部活に入ったんだ。へー。」
「そうですけど」
「憧れの先輩ってやつかー憧れるなー」
なんだろうなこのプレッシャーは。PPが削られてる感じがするは。そうかこうやって攻撃手段がなくなっていくのか。
「ゴホンっ とにかくだ。二人の新入生を歓迎しよう。顧問の先生などは追々紹介しようと思う。今日のところはこれで解散してくれ。こちらで手続きなどはやっていこう。ああ、そのゴミはこちらで処理しておくので気にしないでくれ」
「わかりました。お疲れ様でした」
俺は英さんと二人で教室の外に出る。しかし英さんがここまでするとは、本当に何が目的なんだろうな。いやいや自惚れるな遠江 蓮水。冷静になって考えるんだ。冒頭あたりで色々語ったが、実は民俗研究に本当に興味津々かもしれない。鬼無里兄弟のどちらかに憧れた可能性もあるな。そうだこうやって一つ一つ検証していけばいつか真実に辿り着けるはずだ。俺はこの謎に挑む!逆に俺が英さんを意識しすぎて気持ち悪いな。
「ねぇ」
「はひっ」
英さん。肩に顎乗せてささやかないで。耳に風が当たっちゃう。
「明日って土曜日だよね」
「そうですよ。サタデーです」
「じゃあ、私とデートしようか」
「嫌です」
突然何言っちゃてんのこの子。実は電波系なの?うん電波系の使い方間違っとる。
「ふふ、言うと思った。だけどな私。あなたに辱められたからな〜」
「人聞きの悪い事言わないでくださいよ。悩みを聞いてあげただけでしょう」
「本当に聞いてくれただけだったよね。デートするか、このままかぶりつかれるかどっちがいい?」
「デートをしてください」
「カプッ」
「なんで」
休日に女子とデートをする事になりました。
***
「そういえば兄さん。今日帰ってくるの遅かったですね」
俺がリビングでテレビを見ながらくつろいでいると霞に尋ねられた。畳の部屋をリビングっていうの違和感があるな。まあいいかテレビ置いてあるし。因みにうちの両親はこの辺りでできる仕事してくると言ってさっき出て行った。もう夜なんでけど。
「部活に入ったからな」
「そうですか。それはいい事ですね。何かに取り組むという事は人間を成長させます。何の部活ですか?」
「民俗研究部」
「何でしょうその名前だけの部活見たいのは」
鋭いな。
「何で入ったんですか?」
「鬼無里先輩に誘われ「やめてくだい。その部活」
「はい?」
「そんな帰宅部と似たような部活に入る必要はありません。兄さんのような人間ならもっとふさわしい部活がきっとあるはずです。才能をこんな所で終わりにしてもいいんですか?いいわけないんです。あの女の部活など……」
「霞。流石に先輩に向かってあの女呼ばわりはないと思うよ。同じ道場の仲間だろ」
「……すみません。ですが、絶対に私はその部活に入る事は反対ですからね」
多分、反対している理由は鬼無里先輩なんだなと察しがつく。この二人は仲が悪い。言い古された言い方ではあるが、犬猿の仲というやつだ。同じ道場にいた時からあれやこれやで言い争ってた記憶がある。おかしいな俺はそんなに鬼無里先輩嫌いじゃないんだけどな。頼れる先輩だし。
「そういえば明日買い物に行きたいんですけど、兄さん付きあってくれませんか?」
「ごめん、明日は無理」
「まあ。珍しく事もあるのですね休日に兄さんが出かけるとは。何でか聞いてもいいですか?」
「あーと………実篤。そう実篤と一緒に遊ぶ約束しててな。ゲーセン行こうぜみたいな」
「……そうですか」
霞は一回目を細めるとリビングから出て行く。ばれたかな。いやばれてもどうって事はないんだけど。なんか恥ずかしい。妹にデート行く事知られるとか。デートか。きっと額面通りのものじゃないだろうな。結局噛まれたし。甘噛みだったけど。……はっ!マーキング?
***
ーーーープルルルル ガチャ
「もしもし実篤さんですか?」
「明日は兄と一緒に遊んでくださるそうで」
「そんな予定はない?」
「いえいえ、兄に連絡は取らなくて結構ですよ。今よく思い出してみると実篤さんの事は言ってなかったかもしれません」
「ええ、そうです。兄は明日遊びに行くようですよ」
「はい。では、さようなら。」
ーーーーガチャ
「ふふふ兄さん。私に嘘を吐いてどこに行くつもりですか?」