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最近のコスプレのクオリティがやばい

「それでは次に実篤…は飛ばして」


「なんでや!」


エセ関西人になって立ち上がる実篤。座れよ実篤。予想できていただろうに。お前はそういう扱いを受ける運命なんだって。


へっへー!ザマァ!俺と違って意見も聞いてもらえないなんてな!あはっはっはっはっ!」


「蓮水。ちょっと拗ねてるか?」


「全然!」


そもそも拗ねてるかやつに拗ねてるかって聞いても正直に答えないでしょうに。あっ!俺は違うよ。本当に拗ねてないよ。自信があった意見をみんなにボロクソにされたからって全然気にしてないしーまじ余裕ーみたいなー?


「じゃあアリーくんお願いできるかな?」


本当に飛ばされた!という実篤の叫びをみんながまるっと無視して先に進む。


「ん。"おいしいもの"」


キラキラ目を輝かせて言った。


なんともコメントに困るやつがきた。みんながそんな感じのリアクションをしている。


「…ダメ?」


「そりゃあ…」


ダメだろと言おうとしたが、アリーの顔を見て言い淀む。


いや、ちょっと待て。本当にアリーの意見はダメなのか?おいしいものと言われて真っ先に思いつくのは屋台などをする食べ物系だ。しかし本当にそれだけが美味しいものか?例えば鉄道が好きな人だったら鉄道が。スポーツが好きな人だったらスポーツが。その人の好物ーつまり美味しいものではないのか?


ならばこの案は誰もが楽しめるものを作り上げようという素晴らしい意見ではなかろうか!


「先輩ッ!」


俺と鬼無里先輩は目を合わせて頷く。


「保留で」


だろうね。先輩の言葉に全員が頷いた。


だんだん不安になってきたらしいアリーの顔を見てみんなも否定を返せなかったらしい。みんな甘すぎィ!ホッとしているアリーも可愛かったです。






「はい。じゃあ次私ね」


気をとり直すようにてっちゃんが元気に手を挙げた。


「私の意見はこれだぁぁぁ!とうッ!"演劇"」


「ためた割には中々普通の意見だが。どうして演劇を?」


「民俗って言葉のイメージからー地域の昔話ーみたいなイメージがありましてーそれを童話にしたら面白いんじゃないかと」


おっ。なんか今まで出てきた中ではまともな意見が出たな。流石てっちゃん。天狗なのに人間の空気を読むというスキルを持ってるなんて頼りになる…


「という建前のもと、キスシーンがある劇やりたいです。お兄ちゃんと私が主役で」


…とでも言うと思ったか!上げて落とすとかテクニシャンすぎるだろ。てっちゃんが素晴らしい笑顔でこちらを向く。


「ねぇ、お兄ちゃんもそう思うでしょ?」


「いや、全然」


まぎれもない本心だ。


「ムゥ〜」


はいはい、頰を膨らませないの。


「じゃあ、じゃあこの中だったら誰と一緒に演じたい?」


なぜか空気が張り詰める。三方向から謎の怪光線をキャッチ。俺は恐る恐る口を開いて。


「えっ?普通に誰ともいやだけどべふっ!」


花凛さん、てっちゃん、鬼無里先輩からハリセンが飛んできた。どこに持ってたのよ?


「蓮水くん空気を読もうか」


「蓮水気を使って」


「お兄ちゃんバカだねぇ〜」


散々だな。今時の高校生はKYだとこういう目にあうのか。みんな友達からハリセンを飛ばされないように気をつけろよ!







先輩が手のをパンパンと叩いて、仕切り直す。



「では、最後に僕だね。僕の案はこれだよ"執事喫茶"」


「「「賛成」」」


「うむ、ありがとう。では僕らの出し物は執事喫茶に決定した」



ふむふむ。



「「いやいやいや、ちょっと待ってい!」」


お分かりの人もいると思うが、今の案に賛成したのは、花凛さん・てっちゃん・アリーの3人。後からツッコンだのが俺と実篤の2人だ。


「どうした蓮水くん?何か問題が?」


「どうして急に執事喫茶なんですか?民俗研究部どこに行きました?」


先輩が物憂げに目を伏せて言う。


「ふっ…いいかい部活がその部活に準じた出し物をやるという決まりはね実はないんだ」


ええ!


「みんながそういう風にやってきただけであって、別に全く関係ないことやってもいいのだよ。後単純に僕が蓮水くんの執事服姿を見たい。どうせ学園祭中は奴隷契約を結んでいるのだから着てもらうよ。というその格好でずっと過ごしてもらうよ」


ここでそれと繋がっちゃうかー刑がジワリと効いてきたぞ。


「諦めろよ蓮水。俺はもう諦めたぞ」


実篤ゥゥ!なんか悟りをひらいた顔をしてるんだが。


「まだ、何か意見があるかな?」


「先輩たちも執事をやってくれるんですよね?」


「君と実篤の2人だけがやるに決まってるじゃないか」


けっこう重要だと思うことが、あらかじめ決まってるだと!


「僕たちは裏方かな。ああ、僕たちはコスプレしないけど君達には燕尾服きてもらうから」


そんなご無体な。せめてみんなのメイド服姿が見た…かっ……た…


あれだよね。先輩の案に対する賛成の仕方といい、みんなこれ予定調和だったよね。だいぶ無駄な時間を過ごしたぜ。


何が無駄かってこんな茶番なくても、やれって言われれば多分俺たち逆らうことなく従ってたぜという点。男の悲しき性さ。



最終決定

民俗研究部


出し物 執事喫茶


概要 男子部員2人が執事となっておもてなしします。残りの部員は裏方で調理などをメインで働きます。



次回、誰得!蓮水アンド実篤。略してhア◯ドs執事コスプレの巻。乞うご期待!


はぁ











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