表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
肉食系女子に狙われています  作者: シュガー後輩
第3章 俺と吸血鬼
52/88

高校生になってからはあまり友達の家に行かなくなった

遅れてすいませんでした。中途半端なとこで切ってあるので、続きは早めにあげたいと思います。

シリアスは書きづらい。

「すまない。少し散らかっているが、あまり気にしないでくれ」


そう言われて俺は鬼無里先輩の部屋に入る。あれ?なんで?



十分ほど前


俺は先輩にアリーさんのことについて相談することに決めた。できればアリーさんは吸血鬼であるとかいう厨二病一直線の説明は避けたいがどうしようか? というか相談といってもこちらも確かな問題がある訳でなくぼんやりとした不安があるだけなんだけど。 それを解消するのが相談だと言われたらそれまでだけど。 俺が一人でヌーんと唸っていると先輩が言った。


「では、私の家に行こうか」


「へ?」


「聞いていなかったのかい?落ち着ける場所で話そうと思うから、私の家に行こうと言ったんだ」


「こんな時間に行ったらご迷惑じゃ」


「私と蓮水くんの仲で今更そんなこと気にするな。それに久しぶりに会えたらうちの母や父だって喜ぶよ」


確かに昔は結構実篤の部屋に遊びに行ったものだ。


「それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」


俺はぺこりと頭を下げる。


「まあ、今日は母も父もついでに実篤も家にはいないがな」


「へ?」


ぱどぅん?


「早速行こうか」


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!それはさすがに不味いんじゃないですかね?あれ?先輩聞いてます?何で急に早歩きに!?」


***


鬼無里先輩の部屋は一言で表すとオフィス。無地の白い壁紙にステンレス製の銀色の机や棚。黒いパイプベット。違う……想像していた女子の部屋と違う……


先輩はこう実は乙女趣味があるみたいなタイプだと思っていた。ピンク色のベットとか壁紙にたくさんのぬいぐるみ達と過ごしていると思っていたのに……


「まあ、蓮水くんはそこのベッドにでも座ってくれ」


先輩は机のところにあった椅子に座る。


べ、ベットでいいんすか?


正直ドキドキだけどそんなことをおくびにも出さずにベットに座る。一回沈み込み柔らかい弾力がかすかに押し返す。 うん、普通のベットだ。


馬鹿なことを言ってないで本題に入ろう。


「相談したいことと言うのは、アリーさんのことなんです」


「それはこちらも薄々感ずいてはいたよ。さっきの君の態度は露骨すぎだ。君があんなに女の子の話題でグイグイいくとは思えないからね。(そうだったらもっとやりやすかったよ)」


「いや〜あれは助かりました。先輩が余計なことを言わないでくれて」


「しかしあの女の人は特に怪しいことを言ってなかった気がするがね」


「いや、まあ俺が過剰に反応しているだけかもしれませんがね。そうですね……アリーさんの事情というのを先に説明しますね」


「事情?」


「はい。アリーさんは最初俺の婚約者としてー」


その瞬間、俺は空中に浮いていた。先輩に足を払われて後ろに体勢が崩れたからだ。そのままベッドに床ドンの形で押さえつけられる。


先輩、目が怖いです。


「婚約者ァ?僕は何もォ聞いてないんだけどねェ?」


ヒィ。どこぞの一方さんの喋り方になってるよ。やめて。ゆっくり顎撫でないで。血液逆流しちゃう。


「誤解です。親父が勝手に婚約者って言っただけで、俺もアリーさんも認めてませんから」


「……まあ君はそういう反応するだろうね。だけどアリーくんは拒否したのかい?一度でも言葉に出して」


う〜ん。あれ?そういえば言われてないかも。まさか、俺はこのまま勝ち組確定なのか。


「それはとりあえず置いておきましょう。今はあまり関係ありませんから」


「…………」


やめて。そんなクズを見る目で見ないで。この体勢がもあいまってゾクゾ……いやいやドキドキしちゃうから。あんまり変わらないか。 先輩に解放してもらってから話を切り出す。


「さっきも言いましたがアリーさんは俺の婚約者として紹介されたわけですが、アリーさんの両親の話を全く聞いてないんですよね」


「君はそんなに婚約を確実なものにしたいのかい」


「誤解です。だからこっちに詰め寄ってこないでください」


一回咳払いをしてから仕切り直す。無理矢理にでも進めないと話が進まん。


「親って普通娘を誰かも知れない人に預けますかね?どんなに夫になる男性が良い人だと説明されていたとしても実際に会わなきゃ安心できないのが親心ってやつじゃないんですかね?まあ俺はまだ子供なんで想像ですけど」


「ふむ、なら少し遅れて挨拶に来るんじゃないのかい?今はアリーくんの両親は忙しくて立て込んでいるとか」


「それはありません。なぜならアリーさんを連れてきた親父がもうどっか行っちゃいましたから。アリーさんの両親が来るなら親父だって残っているはずです」


親父はちゃらんぽらんとしてるがやるべき事はやる人だ。たぶん婚約者と俺に紹介したのは、俺に面倒を見させるためだと思う。 確かにそういう括りがあるなら俺はたぶん気にかけてしまう。それを親父に見透かされたのはあまりいい気分ではないけど。そしてこれからが話の本筋。俺の妄想妄言の集大成。


「アリーさんの両親が来れない理由はーー」


風が窓を揺らし、ギシギシと不気味な音がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ