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肉食系女子に狙われています  作者: シュガー後輩
第3章 俺と吸血鬼
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虫の知らせって聞くとポケ◯ンを思いつく

フワァ〜THE寝不足☆


いつからあの状態で快眠できると錯覚していた…無理でした。一つ言わせて欲しいのは吐息ってくすぐったいよね。なんかゾクゾクしてきて危ない世界に足を踏み入れそうになったよ。


それを抑制するためにギャルゲーもどきでもスマホに入れようかな。ほら、あるじゃんアプリでやたら薄着な女の子を育てる系とかシュミレーション系とか。正直、無料だから舐めてたところあるけど、あれやばくない。みんなの需要に応えまくりじゃない。


なんか日本の生まれてよかったって思った。先人たちは業の深い道をよくぞ切り開いてくれたなって。みなさん、見てますか?こんなに過ごしやすくなりましたよ。あなたのポケットにいつでもあなたの嫁状態になりましたよ。


寝不足の俺は放課後までたどり着きました。爆睡しますね。教室で。てっちゃんには事情を話してアリーさんを連れて帰ってもらってるし俺を邪魔するものは何もない。いざ、夢の国へ





カシャシャシャシャシャシャシャシャ


どのくらい寝たのだろうか。異音を聞いて目を覚ます。机に突っ伏して寝ていた顔を起こすと時計を探して視線を彷徨わせる。


鬼無里先輩がいた。


「やあ」


「あっどうも」


ふー。もう6時か。4時半ぐらいから寝てたからざっと1時間半寝ていたのか。


「こんなところでどうしたんですか?」


「ふむ、もう少し驚くと思っていたんだがね」


「驚いてますよ。天女かと思いました。ここは極楽かと」


「お世辞とはいえ中々にいい気分だ。そう言われると」


「まあ、あれです。なんとなく寝てても人の気配ってわかるもんじゃないですか。だからそれですかね」


「ああ、それか。テレビ見ながら寝落ちして親にテレビを消された瞬間、『まだ、見てるよ!』って起きるやつと同じ感じのやつ……っと保存完了!」


鬼無里先輩はスマホをしまうと足を組み替える。ちなみに鬼無里先輩は今俺の前の机に足を組んで座っている。俺は顔を机に置いてある訳で当然目の前に鬼無里先輩の御御足がある訳です。注意!鬼無里先輩はニーハイではなくスパッツです。


だからどうとかじゃないけどね。うん、ほら俺って紳士じゃん?これぐらいでは動揺しないかな。俺を動揺させたいならカジキマグロが空から降ってくるぐらいしてくれないと。カジキマグロに意味はないけど。ただぽっと思いついただけだから。別にイクラでもいいよ。


「蓮水くん。あまりスカートのあたりをまじまじと見られると此方としても反応に困るんだけどね」


「すいませんでした」


「素直なのはいいことだよ。完全に自分が変態だって認めちゃってるけどね」


「変態ですみません。罵ってください。蔑んでください」


「うん、変態度に隙がないね」


冗談は置いといて……えっ?どこからが冗談かって?もちのろんであそこからに決まってるじゃないですかー


「そういえば、どうして鬼無里先輩は一年生の教室に?見回りですか?散歩ですか?」


「テスト前に校内を散歩できるほど暇じゃないさ。いや、なにいつまで経っても教室からで出てこないからチャンスーーーげふん、げふん。徘徊だね」


「はぁなかなか風流な趣味をお持ちで」

「すまんね。私はボケ担当なんだ。ツッコミはできないよ」


「斬新な返しで」


決めた役割に徹するとか鬼無里先輩流石だぜ。ああ、ボケたらちゃんと突っ込んでくれる花凛さんが恋しい。


「何か用があったんですか?」


「なんでそう思うんだい?」


「え?いやだって俺が起きるまで待ってたんですよね」


「ああ……用というほどのものじゃない。後輩が疲れ切ったように寝てたんだ。それを心配して待ってただけさ」


「え?」


「はは、さっきと同じリアクションだね。そんなにおかしいことかな私が君の心配をするのは?」


そう言って鬼無里先輩は笑った。夕暮れの教室で俺に笑いかけてくれたその笑顔はとても魅力的だった。本心で言っていることがありありと伝わってきた。


「何か悩みでもあるなら聞くよ。長い付き合いだ。それに君は私の後輩だからね」


「先輩…ありがとうございます。だけど大丈夫で

す。特に悩みはないですから」


「そうかい」


言えない。口が裂けても言えない。寝不足くなのが昨日アリーさんとてっちゃんと一緒に寝たからだとか。最近悩んでることはアリーさんがくっつきすぎだということとか。


こんな真面目な雰囲気の先輩には言えない。ああ、だけど先輩が『また、そうやって一人で抱え込むんだね。僕はそれが心配でしょうがないよ』みたいな優しい目で此方を見てくる。


痛い。胸が痛いよ。罪悪感で死ぬわ。


「よし!帰りにファミレスでも寄って行こうか?君ともっと話したくなったよ。なに、こちらも誘った身だ甘いものでも奢ってやろう」


「ガハァ!」


俺は胸を押さえて机にひたいをぶつける。


「ど、どうしたんだい?」


「……お願いします。鬼無里先輩。いや、天女様、俺に奢らせてください」


「急になんだ。ん?女性に男性が奢るもんだとか考えているのかい?おいおい、私がそんな古臭い思考を持っているとでも思っているのかい。ただ、私は私のわがままで君の貴重な時間を奪ってしまうから」


「お願いしますぅ。俺にお金を出させてくださいぃ。鬼無里先輩肩凝ってません?ほぐしますよー歩くのが嫌じゃありません?おぶりますよーというか俺に何か命令をしてください」


俺は罪悪感に押しつぶされそうになって、教室で発狂した。


p.s 俺が叫んだのに驚いた先輩の表情はすごいかわいいかったよ。







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