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肉食系女子に狙われています  作者: シュガー後輩
第2章 俺と天狗
35/88

小学生のやることは予想ができない

「うぉしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


雄たけびが上がった。花凛さんから。女を捨てるとはああいうことを言うのだろうか。拳を天に高く突き上げている。その下でチョキを出しながら項垂れる二人。何をやっているんだ。何を。


時間つぶしのための本気じゃんけんかな?


本気じゃんけんルールその①勝ったら全力で喜んで下さい。その②負けたら全力で悲しんで下さい。その③後出しをするものに正義の鉄槌を。その④勘違いしては困りますパーが張り手ではなくチョキも目潰しではありません。ルールその⑤あなたの奥底に眠っている熱いものを見せてください。


さぁルールを守って楽しくプレイ!


「実篤、本気じゃんけんしようぜ」


「本気じゃんけんってなんだよ。そんなイナ◯レみたいな言い方されてもしないから」


「お前はそんな男じゃないだろ」


「確かにノリはいいほうだと自負しているがお前を相手に得体の知れない遊びなんてするわけないだろう」


「お前は………変わっちまたよ……」


「その間をやめる!スッと言えスッと!」


「あの頃のお前はもっと輝いていたよ。もう何もかもが楽しそうで、生きていること自体が素晴らしいっていう顔で一生懸命に生きていただろう。思い出せよ。あの頃のお前を。今のお前なんてただの抜け殻だ。塵芥にも等しい存在だ。なんで……なんでこんな奴に……」


「今、俺文句言われてんの?」


「…………………………」


「いや、なんか言えよ」


「…………………飽きた」


「お前が会話し始めたんだろうがぁぁ!飽きるのも早いよ!そんなに会話してないし、その言い方だと俺の話がつまんないみたいだからやめろ!」


実篤をいじるのもこれぐらいにしておくか。男子と男子のからみなんて誰得だよって感じだから。


はぁ〜女の子と楽しく話したい。……そういうアプリをスマホに入れようかな。いつでどこでも一緒の掛け替えのないももの作ろうかな〜。しかし世知辛いよね。二次元でも三次元でもやっぱりお金(課金)が重要なんだよね。



ーーーートントン


ん?誰か来たみたいだな。


「どうぞ」


ふすまを開けて部屋に入ってきたのは村の男Aであった。


……いや、だってこの人の名前を俺知らないんだもん。村の男Aって表現するしかないじゃん。


「どうしたんですか?村長さん?」


俺の代わりに鬼無里先輩が聞いてくれる。


そうか村長か…なんかあれだよね村長さんっていい人のイメージあるよね。町長とか市長とかになってくると権力に凝り固まっている感じがする。郡長やら群長とかは微妙なライン。裏で怪しい呪術的なものをしている可能性がある。


以上が異世界中毒者による長の法則でした。


「あんたらとこには来ていないか……」


村長さんが困ったような顔して呟く。


「いなくなっちまったんだよ。子供たちが」


「「「「「ええ?!」」」」」


村長さんの話によると俺と一緒にてっちゃんのところで遊んでいた三人の姿が消えたらしい。三人の家の何処にもいなくて、今村中を男手で探しているらしい。


あいつらははもう……今日だけでどんだけ騒ぎを起こすつもりだよ。なんなのそうやってイベントを起こして経験値を貯めたいの?立派に育ってるよ。はぁ。


「実篤、お前は勿論カッパを持ってるよな」


「ああ」


「んじゃ。行くか」


「はいよ。用意するわ」


こういう時の実篤は好きよ。サラッとしてくれていて。さて俺のカッパ、カッパ。


「兄さんは探しに行くんですか?」


「おお」


「では、私も行きます」


「良いって良いって。霞達はここに残っててよ。どうせあいつらのことだからどっかの家でかくれんぼしてるだけですぐ見つかるさ」


「……………………」


「俺たちは今夜お世話になるからさ。手伝うっていう意思を見せに行くだけだからさ」


「………わかりました」


そうそう。こっちも適当に探すしさ。よし準備完了。


「実篤」


「できてるよ」


「よし、行くか」



ーーーーガラガラ


ゴォーーーーーー!


雨と風が強すぎるぅ。行きたくなくなってきた。あいつら見つけたら覚えてろよ。


「では兄さん。無理せずに帰ってきてくださいね」

「わかってるよ。心配しなくても。無茶はしないさ。まずは自分の安心安全を第一に考えてる」


そうそう。自分のできること以外をやるとみんなに迷惑がかかるからね。分相応をわきまえてるよ。


ーーーーーガラガラ




…………………………うそつき。


ドアを閉める直前そんな音が耳に入ってきた気がした。

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