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中学の友達って高校違うと一気に音信不通になる。

 妹との楽しい楽しい夕飯を終えた俺は自分の部屋に戻ってきていた。


 ベットなんて洋風かぶれなん物なんてないので、畳に布団を敷いてゴロゴロし始める。今は大丈夫だけど今後エロ本とか買う様になったら俺はどこに隠せばいいんだろうか?


 はっ!やばいどこにエロ本隠しても霞に見つかる気しかしない。あいつが家事やってるからな。絶対見つかるよな。中学校のころ初めて買ったラノベ隠してたら、普通に見つかったもんな。しかも表紙があれでそれであんなんなちゃてる奴だからもだえ死ぬしかなかった。


よく考えてみるとエロ本隠すのにベッドの下使う奴って現実にいんのかな?それ見つけてくださいっていてるようなもんなんじゃないの?新手の羞恥プレイの可能性がでてきた。


 ピリリリリリリ


 俺が高校生男子の3人に1人が悩む(俺調べ)どの時代でも変わらない高尚な問題について考えていたら無粋にも、電話がかかってきた。誰だよもう。


 「もしもし?」


 『おお蓮水?俺だよ俺。実篤(さねあつ)

 

 「何だお前かよ。俺はがっかりだよ」


 かけてきたのは鬼無里(きなさ) 実篤(さねあつ)俺の家の道場に小さい時から通っている俺の幼馴染だ。小中高まさかのすべて同じ学校である。


 幼馴染の基準って何だろね。近くに住んでて小さい頃から一緒に遊んでたら幼馴染かな。最近のアニメとかでは中学校からの付き合いでも高校に入ったら幼馴染って紹介されてて、すっごい違和感を覚えるんだが。まあ何はともかく男の幼馴染に需要はない。今すぐ消えてしまえ。


 『いや、何で電話かけただけでそこまで言われなくちゃならないんだよ!』


 「なあ、実篤。俺、お前と縁を切る事にするわ。」


 『謎の急展開!』


 「だって男の幼馴染なんて誰得なんだよ。切られたくなかったら、いいからお前の姉ちゃんを出せよ」


 そう。こいつには一つ上の姉である鬼無里 魅麗さんがいるのだ。高校の先輩でめちゃくちゃスレンダー美女である。ちなみに悩みは名前の画数が多いこと。『これ書いてる間に他のみんなはテストで2問ぐらい解いてると思うのだが』って言ってた。


『いやだよ。何で俺が電話かけてんのにわざわざかわらなきゃいけないんだよ!』


「ああ、わかった、わかった。さっさと用件を言えよ。こっちは忙しんだよ」


『おっとそれもそうだな悪い。そっちの事を考えてなかったは。因みに何で忙しんだ?』


「エロ本の隠し場所考えるのに」


『めちゃくちゃ暇じゃねぇか!今の俺の誠意のこもった謝罪を返せよ!っていうかいつもはお前ツッコミ側だろ!何で俺の時だけボケに回ってるんじゃね!』


「そりゃあれだよ。お前と話してるとどうしてもな。このほとばしる思いがとまねぇんだよ」


『うん、そこだけ切り取るとなんかいい言葉だよね!』


 俺たちがこの後本題らしきものに入れたのはそれから30分後のことだった。


 『なあ、お前ってさ部活何か決めた?』


 話がなぜか北極大陸までいってから実篤が唐突に俺に尋ねてきた。


 「部活?まだ決めてないけど。というか入学したばっかでまだ部活の見学行ってないだろ」


 『まあそうなんだが、先に決めてある人とかもいるから一応聴いておこうと思ってな。まっ、お前にそんなやる気がある訳ないか』


 「当たり前だ。俺をやる気にさせたいならそれ相応のものを見せてもらわなくてはな」


 『決めてないならさ。ちょっと姉ちゃんの部活見に行ってくんないか?』

 

 「鬼無里先輩の部活をか?」


 『ああ、なんか部員が少なくて同好会に降格かなくなるかも知んないだってよ。』


 「ふ〜ん何ていう部活なんだ?」


 『それがーーーーブツッ


 あっ、スマホの充電切れたわ。明日でいいか。しかし鬼無里先輩が部活ねぇ。あの人と部活がどうしても結びつかない。




***


「おや、そこを歩くのは蓮水くんではないか」


 昼休みにトイレ行って帰ってきたら、自分の席にクラスメイトが座っていたため居場所をなくした俺は校舎を徘徊していた。


「鬼無里先輩こんにちわ。お久しぶりです。受験勉強のさいはお世話になりました」


 声をかけてきたのは、鬼無里 魅麗先輩その人だった。


 「おいおい蓮水くん、やめてくれないか?そんな他人行儀は。僕と君との仲じゃないか」

 

 「はい、友達のお姉さんと弟の友達という距離ならこんなものかと思いますけど」

 

 「そんな冷たい事を言うようになるなんて。私の所に挨拶にも来てくれないし、こうも時と環境は人を変えてしまうのか」


 両手を広げ芝居ががったふうに言う鬼無里先輩。中学校の頃からこんな感じである。演劇部でもないのに、ここまで大げさに喋っていた鬼無里先輩を同級生はどう思っていたのか今更ながら気になる。


 うちの学年ではマジで美人な先輩で通っていた。本当に顔がいいとお得である。


 「時はそんなに経ってませんし、環境が変わってからもそんなに経ってませんよ」


 「そんな事は些細な事だよ。キャベツとレタスの違いぐらい些細な事さ」

 

 「それは、例えとしてどうなんでしょう……」


 余談だかブロッコリーとカリフラワーってブロッコリーの名前負け感半端なくない。


 「そうだ。先輩に聞きたい事があったんですよ」


 「ん、なんだい?蓮水くんからの質問なら何んでも答えるよ。誕生日に欲しいものから黒子の数まで」


 数えたんかい、ほくろ。誕生日に欲しいものは後で聴いておこう。礼儀大事。


 「鬼無里先輩が入っている部活って何なんですか?確か廃部の危機だとか?」


 「よくぞ聞いてくれた。我が弟はしっかりと仕事を果たしたようだね」


 鬼無里先輩は一回ためをつくるとこっちをまっすぐに見据えこう言い放った。


 「私が所属している部活。それは民俗研究部だ!」


 「み、み、み、民俗研究部」


 「「………………………………………………」」


 痛い静寂が流れる。これ俺のせいかな?いやそのテンションは無理だって。


 「おっともうこんな時間ではないか。それでは私は失礼するよ。是非とも部活の見学にきてくれたまえ。その時はゆっくり二人っきりで話そうじゃないか」


 何も付いてない右手首を見た後そう言って足早に去っていく鬼無里先輩。鬼無里先輩でも恥ずかしい事ってあるんだな。俺も教室戻ろう。


 「ああ、そうだうちの部員私一人だから、活動は不定期で見学に来てもいないかもしれないから気をつけてくれ」


 潰れてしまえ!その部活!っという言葉が喉元まで出かかったが、相手はお世話になった先輩という事で耐えた俺を褒めて欲しい。

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