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肉食系女子に狙われています  作者: シュガー後輩
第2章 俺と天狗
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語尾に特徴のあるキャラはなぜその語尾なのか

二万PV、四千ユニーク達成しました。皆さんのお陰です。ありがとうございます。

俺、俺空を飛んでるよ。やったよ人類の夢を果たしたんだ。


この顔面にビシバシと当たる風の感じ。そして左右に流れゆく風景。猛スピードで木々の間を抜けていく。飛行機などでは味わえない爽快感がある。俺はこれを求めていたんだ。


そして首を捻って上を見上げれば童女。


わかってる。みなまで言うな。


状況がわからないんだろ。説明しよう。


童女に小脇に抱えられながら、童女が枝から枝へ疾走してる。以上。


短い手で抱えられてているので全くと言って良いほど安定感が無くて怖い。


「なあ、お前は何で俺をーーエブシュ」


痛ぁ。舌噛んだ。そりゃそうだよね。めっちゃ揺れてるしね。


「あんまり、喋らない方が良いにゃ」


…………………………………にゃ?


取り敢えず俺は降ろしてもらうまで素直に警句に従うことにした。いやだけど、にゃ?勿論この童女に猫耳などは付けていないし生えてもいない。



***


 「到着〜にゃ」


あっ、こいつ語尾を無理矢理変えてる。何だ『到着〜にゃ』って。その語尾だったら『到着にゃ〜』だろ。人の趣味をどうこう言うつもりは無いけど、その語尾を中途半端な気持ちで付けてるんだったら今すぐ外しなさい。それはそう簡単に扱ってはいけない言語の至宝なのだ。軽々しくその領域に足を踏み入れるな。


俺は久しぶりの大地を踏みしめ嚙み締める。ちょっと泥濘んでるから心許ないけど。今足が、高速でガクブルしてるの。霞に足をけられた後遺症かな。さすがだなあいつ効果が遅効性なんて。別にそんなに跳んでいるのが怖かったんじゃないからね。


「で、俺はどうして拐われたの?」


 俺は改めて童女を見る。黒いおかっぱ頭にくりくりとした黒い目の幼い顔立ち。山伏が着ている格好っといたらわかるだろうか、頭襟を被り、大きめの鈴懸を自分の腰の辺りを紐で縛り着物風に着用している。健康的な足が膝から出ていて大変目に毒である。ロリコンではない。まだ16歳だからセーフ。


またこの子の肌は薄い赤色をしていた。


「なんか、いい匂いがしたからにゃ」


笑顔で言う。


「そんな匂いしてるか?」


クンクン。うん、一般的男子校生に香ってる匂いだね。どっちかというと臭いだね。うん、そうね、ラベンダーの香りが一番近いかな。ほんとほんと。ワタシ ウソ ツカナイ。


 「うん!すごい美味しそうな匂いしてるよ!」


 「そっちかー。なんか最近似たパターン経験したなって思ったんだよ。理由がマンネリ化してるぞ。もっとまともな理由で俺の人権を無視してくれよ」


 「あはは。お兄ちゃん面白いにゃ」


 「お前がやったんだけどね」


 「カッとなってやった。後悔はしてないにゃ」


 「誰に教わったそんなこと」


 何だこいつ本当に童女か。ボケ率が高すぎてこちらもツッコミしかしない非生産的会話が成り立ってんぞ。こっちもボケて話を止めてやろうか。


「そんなことより一緒に遊ぶにゃー!」


そう言って近くにあった洞窟に駆け込んでいく。


「ちょっと待て、待て。ていうか君の名前は?」


 「吾輩は天狗である。名前はまだないにゃ」


 「よく知ってんなそんなこと……えっはっ、天狗?」


  どうやら俺は自称天狗の危険童女に拐われたようです。……はっ。にゃの語尾は吾輩ネタをやる布石か。


どうでもいいけど危険童女と酒呑童子って語感が似てるよね。たいして危険度も変わらない。



***



童女を追いかけて洞窟の奥に行くとお花畑が広がっていた。俺の頭の中では無い。


どういう原理かは知らないが、開けた空間が広がっており洞窟とは思えない明るさがある。お花畑の奥には木々があり、またその奥には小さめの滝と池が存在していた。


俺はしばしこの光景に呆然としていた。


ーークイクイ


誰かに袖を引っ張られる。うん。ちょっと待ってな自称天狗。今、現実の神秘と闘っているからさ。


ーークイクイ


  この光は一体何処から入ってきてるんだよ。そもそも山の中にこんな空間があって大丈夫なのか?トンネルとかの比じゃないんだが。あの水もあの水で何処から……いや水ぐらいは流れ込むこともあるか。


ーークイクイクイクイ


「だから、ちょっと待って……お?」


そこには三人の少年少女が立っていた。


「お兄ちゃん誰?」


一人の少女が小首を傾げて聞いてくる。ちなみに少女が二人に少年が一人である。


ーードスン


肩に衝撃がかかる。自称天狗が座っていた。


「新しい仲間にゃ」


 「「「本当に!」」」


  キラキラした目で見てくる。止めて。そんな純粋な目で見ないでみすか。浄化されちゃう。心の汚さが見透かされそうです。


 「確かにお兄ちゃんは薄汚れているにゃ」


  「なんだと……えっ?今声に出てた?」


 「にゃはは」


逆さまに顔を覗き込むようにしてこちらを見つめてくる。背筋に悪寒が走る。


  「あ、遊ぶ前にお兄ちゃんとお話ししよっか」


  RPGの基本作業。『はなす』のコマンドで情報収集をすることにした。












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