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肉食系女子に狙われています  作者: シュガー後輩
第2章 俺と天狗
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学校のジャージって意外に丈夫な気がする

今、登山道を歩いています。もう一度言います。ハイキングコースではなく登山道です。



「何で俺は山を登っているんでしょう?」


「「「そこに山があるから!」」」


振り返ってドヤ顔であの名言を言う三人。鬼無里姉弟と花凛さんだ。


ハイキングコースと登山道でコースが分かれる所らへんで、何を盛り上がっちゃたか『行こうぜ、山!』みたいな感じで攻められたらこちらも頷くほか無かったよ。


鬼無里姉弟の格好を見ると完全なる登山装備であるから最初から登る気まんまんという確信犯の可能性があるな。


この二人こんなに山好きだったの?昨日やまのす◯めでも見たの?俺は見たよ当たり前だろ。まあ、ちょっと心動いたよ。動き方震度2ぐらいだけど。


花凛さんも花凛さんですよ。なんでそんな登山に対して乗り気なのよ。上下ウィンドブレーカーのくせして。 こちとらただの黒のジャージだぞ。関係ないかか。


「「はぁ」」


テンションに置き去り……というか追従する気もないのが二人。どうも遠江兄妹です。テレっ。


さて、ここで問題です。なんで部員でも無い霞がここにいるでしょう。


①偶然そこで出会った。

②俺の保護者という名目で。

③ヒマだったから無理矢理ついてきた。


ーーーーーーーーーーーーーーーっはい!終了。


なんと答えは②でした。わーパチパチ。


……何故に?


「なあ、霞は結局なんでついてきたんだ」


「兄さんの保護者です」


「うん、何その言葉新しい!全然その人との関係性がわからない!」


「自分が保護される身ということをわきまえて静かにして下さい。……手でも繋ぎましょうか?」


「遠慮しとくは。まあお前もあれだろみんなで遊びたかったんだよな。別に良いんだぞ恥ずかしがらずにそういうこと言ったて。まあ兄としてはそちらの学校で友達を作れているか、変な奴には絡まれていなーードベふっ」


話している途中なのに足をけられた。痛いし全然足に力がはいらないんだがどうすればこんな事に。


「ほー兄さんそんなこと言うんですか。自分こそ変な人に絡まれたというのに。………これ以上仲良くさせませんからね。まったく」


最後何言ったの?呪詛とか?


前から殺気。


「霞ちゃん。変な人って誰のことかな?もしかして私かな」


純然たる殺気を纏う花凛さんでした。


「自覚症状があるんですね。よかったです。不審者は、兄に近づかないでください」


おいおい変な人から不審者にグレードアップしちゃってるぜ。


「私のどこが変な人なのよ!」


「兄に近づく所です」


どういうこと?


「どういうことよ?」


「いいですか。うちの兄はそれはもうダメ人間です。人とは目を見て話さないし、空気は読めないし、すぐに自分の世界に入るし、下手すると何かブツブツ言ってるし。本当に気持ちが悪いです。だからそんな人に話しかける人なんて変人しかいないんです」


「それ類は友を呼ぶって言うんじゃないの?」


「そうとも言います」


客観的に見た俺メタクソだな。俺そんな感じなのか。学校で感じる生温かい視線は俺の願望であの視線はきっと奇異を見つめる視線だったのか。


というかなんなの霞の言い分は、俺に変人を近づかせてたくないのはわかるけど、俺に近づいたら変人って誰とも話せなくない。パラドックスの中心にいるんだけど。


「お前は愛されてんのな」


「羨ましいだろ。霞と鬼無里先輩を交換してやろうか」


「遠慮しとくは」


実篤が言い争う二人を尻目にイケメンスマイルで肩をぽんと叩いてくる。


「しかし話を聞く限りお前はいつも一人でいんのな。どれ昼休みそっちに行ってやろうか?」


「ははは、なんでお前のむさ苦しい顔を見ながら飯を食わなければならんのだ」


「やめろ。今一緒に食ってる奴らにそんなこと思われてたら泣くぞ俺は」


そんな訳あるか、自分の顔を客観的に把握しろ。ラブコメの主人公か。 それなら俺は主人公の親友ポジションか。友達が少ないのに。使えね。いる価値ねぇ。


「ふむでは私と一緒になら食べてくれるのかい?どうだい目に見麗しい美人の昼食は」


「喜んで」


もうそりゃ鬼無里先輩なら大歓迎ですよ。こっちからお願いした……くはないな。うん。目立ちまくることこの上ない。


「そんなことよりさっさと登ろうぜ。午前中には登っておきたい。山の天気は変わりやすいって言うしな」


「そこのお二人さんも可愛い顔で見つめ合ってないで、登るがいい」


実篤と鬼無里先輩が登り始める。


「結局あなたは兄の何なんですか!」


「だから友達って言ってるでしょう!………まだね」


「今、なんて言いいました?」


「別にー」


いがみ合いながらも登っていく花凛さんと霞。


………まあ今日ぐらいは登山も良いかもしれない。


その四人を見ながら自分も後に続こうとした……その時。


ーーブオンッ


突然の浮遊感と共に今まで見ていた光景が消失した。


いや、違った俺がその光景から消失したのだ。風景が一変する。どうやら俺は何者かに連れ去られたらしい。



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