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肉食系女子に狙われています  作者: シュガー後輩
第2章 俺と天狗
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GWと比べた時のシルバーウィークの残念感

突然ですが皆さんは山と海どちらが好きですか?

マイナスイオンイオンを感じる癒し系か全てを抱く包容力の年上系かと言い換えてもいいかもしれない。


何を言ってるんだ俺は。


真面目に考えてみよう。 『なぜ山を登るのか?』『そこに山があるからだ。』という言わずもしれた名言がある。かっこいいが、正直何言ってるかわからん。寒々しい常人には理解できないオタク道でもいうべきものがそこにはあった。


まあ俺がこう思うだけであって登山家を別にバカにしているわけではない。価値観など千差万別。それに単純に登頂してる姿を見てすごいとも思う。


ただ、山とは行く必要があるのだろうか?山は見ているだけで我々を楽しませてくれている。紅葉とか雪とか。富嶽三十六景があるようにこの考えはきっと同意する人もいるのではないか?


ここまでくればわかるだろう。俺は家が好きだ。


うん。ごめんね。ここで海が好きって言う事も考えたんだけど、自分に嘘をつきたくないの。


いや、だって海行ったとしても海水塩っぱいしー砂浜暑いしー人多いしー盛っている奴ら多いしー全然楽しめないーっていうかー。そんな感じー⤴︎


だから俺は山ガールやら森ガールやらがキャピキャピしているのを見るのも、水着の綺麗なおねいさんがキャイキャイしているのを見るのもテレビで充分。


つまり、俺は今山に来ています。


………接続詞の使い方間違っているぜ。ふぅー!



***



高校を入学してから一ヶ月余りが経とうとしていた。そんな俺はなんと友達を一人つくっていた。まあね俺が本気を出せばこんなものかな。この調子でいけば一年で後11人は友達ができる計算になる。


少ないと思われるだろうか。いや一般的に学園もので11人も増えたら大変よ。そんなに新キャラが増えたら一人一人のキャラを際立たせなくてはいけないんだぞ。


俺がどこの立場で話してるか俺にもわからん。


兎に角俺の高校友達第1号である英さん改めて花凛さんだが、距離が近い。


今も部室で隣に座って話しかけてくる。


「ねぇねぇ、蓮水。明日からGW始まるけどどっか行こうよ。駅前でショッピングとかでもいいけど、少し遠出して遊園地とかいう手もありだと思うんだけど、どっか行きたいところある?」


そんなことを嬉しそうに雑誌を見ながら話す。うむ見てて大変心が洗われるようである。だけどさっきから腕と腕が度々触れてドギマギしているこちらの身にもなって欲しい。それにーー


「君たちは一体ここへ何をしに来ているのかな?」


不機嫌オーラを全開でこちらを見てくる我らが部長様がいらっしゃるのですよ。


「いいじゃないですか。特にやる事もないんですし。いつもここでずぅぅと話しているだけなんですから」


「寂しいじゃないか!私も入れろ!」


あらやだ部長かわいい。そんなギャップ萌えみたいなことされるとこちらとしても抱きしめたくなる。


「痛っ。ちょっと花凛さん。なんで足を踏むんですか?」


「あっごめんね。間違えちゃった事もない。それに花凛さんじゃなくて花凛ね」


「故意ってことじゃないですか。俺なんかしました?」


「そうこれが恋だよ。蓮水には色々されちゃった……」


「微妙に会話が噛み合ってないですよね」


「何言ってんの?会話どころか体を噛み合った仲でしょ」


「誤解を招く言い方をしないでください。あれは花凛さんが、一方的に……」


鬼無里先輩が途轍もない顔をしている。描写できぬ。


「ほう。そんなことまでしていたとは。さすがだな女騎士と男の娘は」


「「ぐぅ……」」


女騎士と男の娘は俺ら二人に付いたあだ名である。というのも先日俺が屋上で倒れた時花凛さんが保健室まで運んでくれたらしいのだが。その方法が助けを呼ぶとかではなく、おにの力を使って自分でお姫様だっこをして俺を運んぶというものだった。


それはもう、すごい心配そうな顔をして校舎を走ったらしい。実篤に聞いた所。『あれは、もうお姫様を助けて必死に走る騎士そのものだったぜ。』と笑いながら教えてくれた。


お前は見てたなら変われよ。ムカついたので一発しばいたのは言うまでもない。


というか男の娘って…こんなむさい男子に使うなや。


因みにだが花凛さんの肉への欲求は未だにおさまっているらしい。何故だかおにの筋力は残ったが。


「ごほんっ」


俺ら二人をノックアウトして満足げな鬼無里先輩はわざとらしくせきばらいをする。


「まあ、部員同士が仲良くあるのは大変いいことである。だが、部活全体の進行を深めるためにもGWにハイキングに行こうと思うのだが、いかがかなかな蓮水くん」


「反対」


「誰が君に聞いた。英騎士」


「もう、予定が入っているので」


「そうかでは仕様がないな。蓮水くんと二人で行ってくることにしよう」


「あら残念でしたね。蓮水も私と一緒に出かけるんです」


初めて聞きました。う〜んまあ鬼無里先輩をここは立てておこう。


「みんなでハイキングに行きましょう」


「君なら賛成してくれると思っていたよ」


「ちっ」


舌打ちをわざわざ声でやる人初めて見たよ。


「どこに出かけるつもりなんですか?」


「天地山に行こうかと思っている」


「天地山ですか?」


先輩の説明によると天地山はここからバスで30分ぐらいの所にある小さな山らしい。緩やかな上り坂がつ続いており初心者にも最適だとか。途中に小さな村もあるそうだから休憩もバッチしらしい。


「では、明日の朝6時半に学校のバス停に集合だ」


こうして俺は民族研究部の人達とハイキングに行くことになった。

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