#1-6 受動 - passive -
#1-6
((連絡先ニ二登録ササレテイナナイイ、■■■■カカララノメメメッセセsセージデデスス))
[ Go To 404 Room ]
[ http://www.goto404room.com/]
この時僕は悟り、確信した。
噂は本当だったんだ────。
目の前に広がる想像を超えた事象を受け止めきれず、僕の脳内はもはや通常の判断を下せるような状況では無い。
畏怖。
それだけが、この瞬間の全てだった。
画面の中で表示され続ける不気味なフォントのメッセージ。
見つめる先で、ぼんやりと光りながら、ずっと震えつづけているスマートフォン。
何故だか誰かが僕の事を呼んでいる気がした。
無意識に、僕はスマートフォンを掴み、自分の方へと引き寄せる。
[[………ココダヨ]]
どこからか言葉が聞こえた。
くぐもったラジオの様な、聞き取りづらいエフェクトを帯びた声。
女性か男性かもわからない、少し甲高い声のように感じる。
僕の視線はスマートフォンの画面に釘づけになった。
外したくてもなぜか視線は外せず、僕の眼球が画面に固定されてしまったような感覚。
[[……ボクハココニイル]]
また声が聞こえる。
相変わらずくぐもった音声、時折ノイズが混じる不鮮明な音声。
汚いという表現が合うのかもしれない、それほどにくぐもった音声。
誰だ。誰なんだお前は。
催眠術にでもかかり、金縛りにあっているかのように、僕の体は動かない。
視線は画面に向かい、左手に持っているスマートフォンを離そうと思っても離す事が出来ない。
すると突然、独りでに右手が動き、その人差し指が画面へと向かっていく。
嘘だろ。
なんで勝手に動くんだ。
止まれ。
止まれ、止まれ。
止まれ止まれ止まれ!!!
Next -> 15/09/04