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創作において、最も難易度の高い行為

 創作において最も難易度が高い行為とは何だろうか?

 それは、何の反応もない中で続けるコトではないだろうか?


 画家も、作曲家も、映像作家も、マンガ家も、小説家も、みんな同じ。

 小説家ならば、小説を書き続ける。それは、基本中の基本。そんなコトは誰もがわかっているだろう。わかっているはずなのだ。

 だが、そのわかっているはずの行為がなぜかできない。それが、普通の人間の心理。


 応援してくれる人がいれば、その応援の声を糧に書き続けられるだろう。

 批難してくれる人間がいれば、その批難を怒りのエネルギーに変えて書き続けられるだろう。

 けれども、何の反応もなかったとしたら?


 何の反応もない中で書き続けられる人は、非常にまれ。

 そもそも、読者に読んでもらいたくて小説を書いている人が、ほとんど。自分の為に書いている人でも、何らかの反応は欲しいもの。“書きたいから書く”その思いに従って書いているとしても、現実の読者がただの1人もいないとなれば、お話は別。大抵の人は耐えられない。


 僕は、何の反応もなくても書く。誰もいなくても書き続ける。たとえ、世界が滅んでしまい、僕1人が生き残ったとしても、それでも書き続けられだろう。

 そういう意味では、これは究極の能力。“究極の作家”への道、その条件の1つをクリアーしている。必要な能力の内の1つを、既に手にしてしまっている。

 それでも、まだ完璧ではない。時々だが、まだ反応が欲しくなってしまう瞬間というのが存在する。その多くは、作品を書き終えた時。作品が完成したにも関わらず、何の反応もないというのは、寂しいものだ。


 今回、「普通の小説」というのを書き終えた。そうして、「これは、感想は要らないな」と感じた。

 なぜ、そう感じたのかはよくわからない。この作品は、決して“傑作”などではない。どちらかといえば、練習作のようなものだ。だが、その割には完成度が高く書き終えられたと思う。正直、書き終えて、満足はしている。ただ、傑作には程遠い。それも、また事実。

 だからこそ…というのはあるのかも知れない。自分の中で「最高傑作が生み出せた!」と思えば、誰かしらに読んでもらいたいし、一言二言でも評価や感想が欲しくなるものだ。「そこまでの作品ではない」と思うからこそ、読者からの反応は必要ないということだろうか。


 あるいは、こうは考えられないだろうか?

 “以前に比べてずっと、読者を必要としなくなっている”と。読者なしで書き続けられる能力が、さらに高まったのではないだろうか?

 少しずつだが、この能力に関しても、僕は成長しているらしい。

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