本のタイトルから中身を想像する
何年も図書館に通っていると、読む本もなくなっていく。
それでも、時々、「お、これは!」という本に出会えることもあるのだけれど。そういうのは、極々まれな話。大抵は、いつも通り読む本がなくて、いつもと同じ本を手に取り、同じページを開き、帰ってくるだけ。
そんな僕は、ある時、新しい1つの本の読み方を発見した。
それは、「本を手に取り、そのタイトルだけを眺め、中身を想像しながら読む」という読み方である。手に取る本は、何だっていい。歴史書でも、写真集でも、料理本でも、世界地図でも、何だっていい。できれば、最初はインパクトのある題名の方がいいだろう。その方が、想像力が湧いてきやすい。慣れてきたら、もっと地味な題名の本に挑戦していく。
主人公は、どんな人物だろうか?世界には、どんな文化が広がっている?ワクワクするような冒険はあるだろうか?どこかで恋に落ちたりもする?
そうして、一番最後に、実際にその本のページを開いて中身を確認する。
「ああ~、全然違っていたな」
「これなら、僕が考えたストーリーの方がおもしろいな」
「この部分は、本の方がいいコトを書いているぞ」
などといった感想をひとしきり頭の中に浮かべると、読んだ本を本棚へと返しにいってくる。
ヘルマン・ヘッセが語っていた“第3の本の読み方”
その内の1つが、ここにある。これならば、読者としての能力だけではなく、作者としての能力も格段に上がる。そういう読み方になっているだろう。




