500年も1000年も先の未来を目指して
僕の使命は、“究極の小説家”になること。
それは、もう何度もお話しした。
そこから派生して、1つの目的がある。
それは、500年も1000年も先の未来の考え方に到達するというもの。
もちろん、技術的な問題もあるだろう。
500年後や1000年後の未来に、どのような新しい発明がされていて、どのような暮らしをしているのか、といったようなコトが。
未来SF小説を書く時になんかに、役に立つだろう。
だが、それとは別に、もっと概念的なもの。人と人との関わり方とか、社会一般に通用している思考とか、そういったものを追求していきたいと考えている。
きっとそれは、未来世界を描いた小説でなくとも、もっと別のタイプの作品を生み出す際にも通用する考え方だと思う。「現代を舞台にした青春小説」だとか「理想郷を描いたファンタジー」だとか。
たとえば、「オズの魔法使い」という小説がある。
もちろん、この作品は、オズの国に迷い込んだドロシーという名の少女が、自分の家に帰る為に奮闘するファンタジー児童文学である。
けれども、この作品には続編が何作も作られていて、そこで一貫して描かれているのは“1つ理想郷の姿”でもあるのだ。
オズの国には、お金がない。お金がない世界でどうやって生きているかというと、人々はお互いに助け合って生きている。困っている人がいれば、無償で援助する。宿を貸したり、食事を提供したり。
刑務所も変わっている。悪いコトをした人は刑務所に入れられてしまうわけなんだけど、そこはまるで天国のような場所で、好きなだけケーキやお菓子を食べることができたり、ゲームで遊んだりしたりできるのだ。そうして、“心のやさしい人”に戻ってもらおうというわけだ。
ある種の性善説に基づいて、作られた国と言ってもいい。人は、元々悪い人だったわけじゃない。ただ、その頃のコトを忘れてしまっているだけなのだ。だから、周りの人みんなで親切にして、思い出してもらおう!
これって、500年や1000年先の未来世界を予測してないだろうか?
僕がやりたいのは、そういうコトなのだ。




