文学というのは、売れないものだ
「文学というのは、売れないものだ」と、昔の人も書いている。
むしろ、文学というものが売れていた時代の方が珍しい。
現代で売れている作家もいるにはいる。文豪と呼ばれ、その著作は名作とされる作家も存在はする。それだって、作者の死後何年とか何十年も経ってから、ようやくその価値が認められ、売れ始めたということも珍しくはない。
初版本が何十万円・何百万円もする本だってある。もちろん、その作者が生きていた頃には、そんな価値はなかった。現代の価格で数千円とか、その程度で手に入れられたものだ。作者が生きていた時に、それだけの収入があれば、どんなにか助かっただろうに。その資金を生活費に回し、さらなる傑作だって生み出せたかも知れないというのに…
このまま行くと、僕の運命もそうなるだろう。
わずかなお金があれば、新しい服を買ったり、靴を買ったり、もうちょっと多くの温かい食べ物を口にしたりもできる。それもままならない生活。
けれども、それをも受け入れる。そこまでしても残さねばならぬ作品があるのだから。まだまだやりたいコトはある。書かなければならない作品も多い。きっと、これからもっといいアイデアだって生まれてくるだろう。
その為には時間が必要。1秒でも多くの時間が。無駄な労働に費やしている暇などない。




