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即興曲のような文章を

 おかしい。おかしい。こんな話、許されるはずがない…


 え?なんの話かって?もちろん、前回の「文学的な文章と、そうではない文章」の回だよ。アレ、僕の中では、かなりの自信作だったんだけど。

 もちろん、“傑作”だなんて言うつもりはないよ。僕だって、そこまでおこがましい性格をしているわけでははないからね。傑作とまではいかないけれど、ちょいユーモアがきいていて、ちょっとした小品のつもりだったんだ。

 それが、みんなからは酷評。もう、非難の嵐だよ!


 ね?おかしな話でしょ?

 そりゃ、絶賛は期待してないよ。ユーモアのセンスっていうのは人それぞれだからね。

 頭がコンニャクだとか軟体動物みたいにグニャグニャに柔らかい人もいれば、カッチコチに固い人もいるからね。ほら、なんていったっけ?アズキが入ったアイス。油断していきなりかみつくと歯が折れちゃうようなアズキのアイスあるでしょ?アレみたいにカッチコチの頭をしてるの。

 それでも、もうちょっと別の物の見方っていうものがあってもいいんじゃないかな~?

「ギャグはすべってるけど、このタイプの文章に果敢に挑戦したその勇気はたたえる!」くらいの評価があってもいいとは思わない?


 でも、その中にね。実にいい評価もあったんだよ。いや、いい評価っていうのは、褒められたっていうわけじゃないよ。むしろ、全く逆。これも、酷評だったんだけどね。

 じゃあ、なにがいい評価だったかって?それは、たとえだよ。た・と・え!

 “文章というのは、音楽みたいでなければならない”って言うんだ。いいたとえでしょ?


 そう!僕だって、そう思うんだよ!

 文章というのは音楽のようなものだって。特に、小説はそうだね!

 ただし、音楽にもいろいろある。重厚で荘厳な曲もあれば、涙を誘う悲壮な曲もある。かと思えば、急に踊り出したくなるような曲もあれば、みんなで一緒に歌えるファミリーミュージックだってある。魂の叫び、ソウル!世界を破壊せよ、ロック!常識は存在しないぜ、パンク!!ってな具合でね。

 もちろん、それぞれの曲に合ったそれぞれの聞き方っていうものが必要だよ。楽しい曲なのに、「この曲には重みがない!失格!」だなんて、変な評価だよね?


 アレ?この話、どこかで聞いたコトない?

 そう!ついこの間、僕が書いた文章だよね。「作品には、作品ごとの読み方というものがある」の回。

 文章にも音楽にも、もちろん、映画だってマンガだってアニメだって、それぞれの作品ごとに合った触れ方をしなきゃならないんだ。そうしないと、多くの作品を楽しむコトはできないからね。

 作り手だけではなくて、受け手の方にも能力が必要なんだ。


 で、前回、僕が書いた文章。

 アレって、音楽でたとえるならば“即興曲”なんだよ。その場で、サクッと作って、それをみんなで楽しむ。前半はコミカルな曲に合わせて、踊り出したくなるように。後半はマジメに、考えにふけりたくなるように。

 そういった意図を込めて作り上げた作品なんだ。読んでいて、頭の中にイメージできなかった?ウサギや小犬が頭の中を駆け巡り、踊り出すようなイメージが?

 でも、その辺りの意図は全然伝わらなかったんだ。日本人っていうのは、どうしてこんなにも頭が固いんだろう?いや、こういうのは日本人だとか、なに人だとかは関係ないね。ユーモアのセンスの問題だから。


 ま、いい!きっと、今回も僕の表現力が不足していたんだろう。

 次は、みんなに理解されるように、いい曲を作るよ!いや、いい文章を書くよ!

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