闇と炎
さて、また孤独な戦いが始まるな。
けれども、“絶対の闇”と“全てを燃やし尽くす炎”この2つさえあれば、戦い続けられるはず。
それこそが、小説家の基本。
誰の力も借りず、孤独に執筆を続ける。ただ、黙々と書き続ける。誰かの声がなければ書き続けられないなどというのは、偽物なのだ。
それでいて、心の底には炎が燃えている。極炎の炎が。触れる者、全てを燃やし尽くす危険極まりない炎。けれども、それを創作の為に使えるならば、安全に利用できるだろう。まるで、高出力の火力発電所のように。
火が消えてしまったら、おしまいだ。それ以上、1歩も先へ進めなくなってしまう。1文字も書き進められなくなってしまう。そうならない為に、常に燃料を補給し続けなければならない。
燃料は世界そのもの。世界中のありとあらゆるモノを吸収し、エネルギーと変えていく。あるいは、“何も起こらないこと”それすら力に変えられるようになれば、これは最高!もはや、永久機関に近い。何が起ころうとも、何も起こらずとも、炎を燃やす為の燃料とする。それが、理想の小説家のあるべき姿。
闇と炎、この2つさえあれば、とりあえずは戦える。
それでも勝てない敵が現われたなら、その時は別の能力を解放しよう。




