情報を集める前に書く
僕も、昔は小説が書けない人間だった。
「書こう!書こう!」という気はあるのだけれども、書きたいという気ばかりが先走ってしまって、実際に筆の方が走ってくれない。そういう状態が長く続いたものだ。
その頃の僕は、いい小説を書く為に、大量の情報を集めまくっていた。ありとあらゆるジャンルから、あらゆる情報を吸収しようと躍起になっていた。
ま、それは今でも変わりはしないのだけど。完全に順番が逆だった。
つまり、“小説を書く為に情報を集めるという行為”そちらが先に来てしまっていた。その後で、小説を書こうとし始める。これではいけない。このやり方だと、大抵は以下のようなパターンに陥ってしまう。
“情報を集めようと必死になって、インターネットに没頭したり、映画やテレビを見たり、マンガを読んだり、ゲームをする時間で全てが埋まっていまう。結果、疲れてしまって小説など1行も書けやしない”
これでは意味がない。本末転倒というヤツだ。
そうではなく、順番が逆だった。
“まず、小説を書く。それが終わったら、情報を集め始める”
これが、正しいやり方。たったこれだけのコトで、劇的に進歩した!書ける枚数は、飛躍的に増加した!!
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朝、起きたら、小説を書き始める。できれば、朝食も何も取らずににいきなり書き始めるのがいい。
これ、ちょっと無謀に思われるかも知れないけれども、僕にはこのスタイルが合っている。せいぜい、服を着替えて、顔を洗って、紅茶1杯をいれて飲む程度。そこから、すぐに小説を書き始める。
オタオタしていると、どんどんやる気は逃げていってしまう。食事なんてしている暇があったら、小説を書いた方がいい。
それで、1話ほど書き終える。そこで、初めて朝食。
その後は、しばらくノンビリする。1時間か2時間程度。場合によっては、ここで図書館に向う。そうでない日は、そのまま小説の続きを書き始める。
早ければ、もう1時間程度で次の話が完成する。ゆっくり書いていっても、2時間程度。ただし、筆が乗らない日であれば、3時間も4時間もかかって全然進まない。こういう日は緊急事態。
ま、通常ならば、夕方には2話目も完成する。ここで、本格的に図書館に向う(日によっては、これが2度目の図書館)
時間にゆとりがある日は、もう1度、同じコトを繰り返す。
つまり、図書館から戻ると、小説をもう1話書く。それが完成したら、さらにもう1度、図書館へと向う。そこで、情報収集。次のアイデアを練る。別に本なんて読まなくてもいい。とにかく、何らかの小説のアイデアが得られれば、それでいい。
これらの作業の間に、ちょこちょこインターネットをチェックしたりもする。
けれども、ハッキリ言って、これはかなり無駄な時間になっているコトが多い。なので、なくしてしまっても構わないと思う。
せいぜい、わからない単語や不安な言葉づかいがあった時に、辞書代わりに使う程度。そのくらいに止めておいた方がいい。
1日に2話か3話の小説を書き終わったら、あとは好きに過ごしてしまってもいい。それこそ、浴びるほどインターネットで情報を集めるのもいいし、ボ~ッとして過ごすのもいいだろう。音楽を聞こうが、テレビを見ようが、本を読もうが自由にすればいい。そこから、次の小説のアイデアにつながるモノもあるだろう。
とにかく、重要なのは“先に小説を書く”コト!!
これは鉄則!!これが守れなくなると、調子を崩してしまいがち。小説は先に書く。その後、情報を集める。この順番。単純なようだけれども、これが非常に大切。