僕は努力が嫌いだ!
“努力”という単語がある。
僕は、この言葉が、あまり好きではない。いや、言葉自体は別にいいとしても、その行為が好きではない。むしろ、嫌いだ。せっかくなので、ここでハッキリと断言しておこう。
「僕は努力が嫌いだ!だいっ嫌いだ!!」
さて、思い切り宣言したところで、現実に戻ろう。
現実とは何か?それは、僕の行為であり、実際に行っている行動である。
ここの所ずっと、僕は毎日のように小説を書き続けている。それも結構な枚数。ほとんど1日の休みもなく。
「これは、努力ではないのか?口で言っているコトと実際にやっているコトが全然違うじゃないか?」
そう思われる読者の方もいらっしゃるかも知れないので、今回はちょっとその点について説明しておこうと思う。
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“毎日毎日、小説を書き続ける”という行為。
これは、僕にとっては努力ではない。かといって、楽々とこなしているわけでもない。もちろん、「辛い」と思う日もあれば、「面倒だな。今日は休んでしまおうかな?」と考える日だってある。
では、努力でなければ、何なのか?
答は、“システム”である。
“毎日、小説を書く”というシステムを、僕は長い時間をかけて構築したに過ぎない。
もしも、システムという言葉が嫌いならば、“クセ”とか“習慣”といった単語に置き換えてもらっても構わない。
ただ、勘違いしないで欲しいのは、そこに感情がないわけではない。システムとはいっても、コンピューターのように冷酷無比に行っているわけではない。
学校や会社に通ったり、ハミガキをしたり、お風呂に入るのと同じ感覚。
「ああ~、もう面倒だな。今日は学校に行きたくないな」などと思うことくらい、誰でもあるだろう。もしかしたら、毎日思っているかも知れない。
でも、だからといって、学校を休んでばかりいられるだろうか?ほとんどの人は、そうではないはず。「嫌だな」と思いつつも無理をしてでも学校に通うはず。そうしたら、段々慣れてくる。嫌なのかどうなのかも、よくわからなくなってくる。
あるいは、「今日はお風呂に入る気分じゃないな」「物凄く眠い。ハミガキせずに寝ちゃおうかな?」と思ったりもするだろう。
けれども、こうも考えるはず。「でも、お風呂に入らないと、周りの人に迷惑だろうな」「虫歯になってしまうかも知れない」
そこで、仕方がなく、お風呂に入り、ハミガキもする。
小説を書くのも、それと同じなのだ。
どうしたって、気が乗らない日もある。嫌になる時だってある。でも、書く。それはシステムだからだ。
もちろん、それとは逆にノリノリの日もあれば、絶好調で書いても書いても止まらない時もあるだろう。でも、そういう日だけ書くようになったら、もう終わり。それではシステムは構築できないし、長くも続かないだろう。
優秀なシステムというのは、気分が乗る日も乗らない日も、調子がいい日も悪い日も、変わらず同じように書けなければならない。少なくとも、最低限のデキ・最低限の量以上で。
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以下は、その具体的なやり方。
まずは、条件をインプットする。
たとえば、“毎日、小説を書き続ける”という条件。それに加えて“1日に5000文字以上”という条件。
あとは、ありとあらゆる手段を講じて、それを実行に移す為のシステムを構築していくだけ。
もちろん、物理的な限界がある。その時点での能力の限界もあるだろう。
だから、最初から無理な条件をインプットしない方がいい。ただ、能力の方は上がっていく。そこは心配しなくていい。時間をかけて続けている内に、能力は自然と上がっていく。そこは保証しよう!
何度も言うようだが、最初は無理をしない。これは、重要!最重要だと言ってもいい。
無理をしない条件とは何か?
たとえば、“基本的に毎日、小説を書き続ける(ただし、週に2日は休んでいい)”とか“1日に100文字以上”とか、このくらいの条件に緩和してやる。
これをしばらく続けてやる。3ヶ月とか、半年とか、そのくらい。そうすれば、必ず能力は上がる。上がっている。その時になって初めて、より厳しい条件に変えてやる。1日に書く枚数を増やすのもいいだろう。休みの日を減らすのもいい。あるいは、量ではなく質の方を上げてやるとか。
基本的に、この繰り返し。
そうすれば、時と共により高度なシステムが組めるようになってくる。
現時点で、僕が組んでいるシステムは、こういう条件。
“毎日、小説を書き続ける(基本的に休みは1日もなし)”
“1日に原稿用紙換算で15枚以上(ただし、どうしても書けない日は10枚とか5枚とかでも構わない。その代わりに、20枚も30枚も書ける日も作っておく。平均で15枚以上)”
おそらく、このくらいの領域には誰でも到達できるようになるだろう。ただし、すぐには無理。無理はしない方がいい。
僕だって、ここまで来るのに何年もかかっている。長い年月をかけて、ようやく、ここまでのシステムを構築できるようになったのだから…