表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/150

僕の体が、物語の中に溶けていくのがわかる

 長いこと小説を書いていると、どうしても自然と“自分の型”のようなものができてしまう。

「小説とは、こういうモノであり、決してそこから外れたりなどしてはならない。決まりきった形を崩してはならない」

 そんな風に考えてしまうようになる。


 あるいは、自分では考えていないつもりでも、無意識の内にそう感じてしまっている。自然と、そうしてしまう。自分なりの型を作ってしまい、そこから抜け出せなくなる。

 いわば、成長が止まってしまうわけだ。


 そうなったら、作家としては終わり。

 あとは、似たような小説を書き続けるしかなくなってしまう。目新しさなど何もない。斬新さなど1つもない。後から誕生してきた新しい作家の卵たちに追い抜かれるばかり。


 だから、僕は破壊する。

 そうなるのが嫌だから。自らの方法や型を破壊し続ける。そうやって、常に変化し、進化しながら生きていく。それこそが、僕の生き方。


 小説に「これは、やってはならない!」などという規則はない。そんな風に語る人もいたけれど、それらはみんな過去の歴史へと埋もれていってしまった。きっと、これからもそうだろう。


 自分の中にルールを作ってしまったらおしまい。そのルールの数が多ければ多いほど、それらは重く巨大な鎖となり、君らを束縛していく。


 でも、今の僕はそうじゃない。小説を書いていて、それを感じる。

 型があるようで、型はない。縦横無尽!自由自在!


 僕の体が、物語の中に溶けていくのがわかる。そうして、物語の方から語りかけてくる。

「何をやってもいい!何でもやれ!君のやりたいコトを、やりたい方法で、やりたいようにやれ!」

 そんな叫び声が聞こえてくる。


 だから、僕は書き続ける。

 僕にしか書けない小説を!僕にしか書けない手法で!


 たとえ、それにより、プロの小説家への道が遠のいてしまうとしても。それでも。

 長い長い目で見れば、それこそが“究極の小説家”への最短ルートだと知っているから…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ