~プロローグ~
結局、僕は小説家にはなれなかった。
その原因を、もう1度考え直してみる。
書いている文章が固いのだろうか?固すぎる?
それだけで、人を遠ざけてしまう。その可能性はあるだろう。
あるいは、熱さか?
僕は、情熱で小説を書くタイプ。人々が、この熱さに焼かれて、ついてこられていないのでは?
もしくは、長さか?
1話1話、1文1文が短いので、それを敬遠されているとか?
同時にいくつもの作品を連載しているのも良くないかも知れない。
能力が分散化してしまいがち。さらには、読者がどの作品を読んでいいのか戸惑ってしまう。
そもそも、小説では駄目なのかも知れない。
もはや、文章で表現しようとしていること自体が時代遅れの可能性もある。マンガとか絵本とか、絵を入れないといけないのかも。あるいは、映画やアニメといった映像文化でやるとか。
これについては、以前に散々考えた。確かに、その通りだという結論が出た。けれども、その上で、果敢に小説で表現することに挑戦しているのだ。ここは、今回、考えないようにしよう。
共通するのは、読者の視点か。“読者の為に”と考えて、書いていない。いや、全く考えていないわけではないのだけれども、その意識が薄い。
基本的に、僕は“作者の視点”で物を考えて書くタイプ。読者はおいてけぼりになりがち。これを、いかに改善するか?非常に難しい。
読者の方から近づいてきてくれれば一番なのだが…
じゃあ、これらの欠点を改善したら良くなるだろうか?作品の質は上がる?
答はノー!断じてノーだ!
むしろ、それは妥協の産物でしかない。おそらく、作品の質はだだ下がりとなり、とても読めた代物ではなくなってしまうだろう。それどころか、これまでいた少数の読者さえも離れて行ってしまう原因になりかねない。そうなれば、最悪!
やはり、このままでいい。このままのスタイルを貫き通そう。その上で、ちょっとずつ苦手は克服していこう。