表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷夢の国のアリス  作者: 影宮ルキ
82/102

勝敗は

 一週間毎日投稿と言っても、話自体がぐだっているのでそこまで進まない可能性。いや、申し訳ないです……。どうしても同じところでグダグダ迷ってしまう、作者の優柔不断さが色々な人に現れているようで……もっとはっきりするよう頑張りますので! アリスたちもそろそろ決断出すと思うので! (予定は未定)ですが、どうぞ、よろしくお願いします!!←

「それが君の答えなんだね? できる限り、血を流さない? 自分なら、傷ついても構わない?」

 笑った仮面を身に着けて、グレイはファイナルアンサー? と聞いてくる。

「ええ。そうね。ちょっと、実際どうなるかなんてわからないけれど、きっと、たぶん、今の気持ちは、そんな感じ」

 理想しか語ってないわけだし、これで及第点貰えるか全くわからない。

 大体、私ができないって、既に思ってる。エースの事は殴りたいけど、いざ目の前にしたらそれだけじゃすまなくなりそう。すごく責めて、詰って、暴言浴びせて、それだけでも足りなくなりそう。それに実際傷つくってなったら、怯えて逃げることになりそう。どうでもいいって思っても、痛いのはやっぱり怖いし、チェシャ猫を目の前にして逃げようとした前科もある。

 やっぱりこれらは、ただの理想論。

 でもできるなら、できることなら、エースとハートと、一緒にまたお茶したいな。あの時は幸せだった。

 裏切りさえなければ。

「そう、いいよ。わかった。私をあげる」

 希望を夢見て、遠くへ視線を飛ばしていたから、一瞬何言ってるかわからなかった。

「え?」

「私をあげると言ったんだよ。私をあげたら絶対ミカもついてくるし、ネネも元から味方になりたそうだったから、一気に三枚手に入るね。よかったかい?」

 グレイは首をかしげてこちらを見てくる。

「……いいの? え、何が決め手?」

 甘っちょろい理想って感じで、とても不愉快なものだったと思うんだけど?

「さぁ? ……チェシャ猫は、機会があればスペードのエースを殺す気だよ。アズールも大切な人を殺された。女王陛下は首を刎ねることが好きだし、私たちだってかなり血に汚れている。……だからかな? 理想を理想とわかっていながら、まだ求める君が少し、うらやましく思えたんだ、と思う?」

 なんで最後すごいふわっふわなの?

 でもまぁ、なんか、わからないでもない気がするけど。

 必死に勉強頑張って、でも成績が微妙な人が、私みたいなバカを見て、あ、全然私賢いわ。ってなる感じみたいな?

「たぶん違う気がするけど、なんでもいいか」

 違うならそこ諦めないでほしい。いや、他人だからわかり合えないけどさ。想像力で補うしかないし、私の想像力はグレイたちには届かなそうだし……。

 というか、何普通に私の思考を読んでくるんだ。顔バレすぎるのもほどがあるぞ、私!

「ともかく、君の答えが気にいったってことだよ。君の勝ちでいい。……その代り、君に賭けるわけだから、ちゃんと成果を私におくれよ?」

 少しだけど、グレイの口の端が不安そうに歪んだ。一瞬だけ、ピクリと。

 代わりに私が大きく唇を笑みの形に歪めた。

「ええ、もちろんよ。その代り、私にも、ちゃんと成果を頂戴ね?」

 この笑顔は自信満々に見えるだろうか。見えないだろうな。自分でもひきつってるのがわかる。

 でも、少しでも、グレイを安心させてあげられたらいいな……。

「あげられなかったら、どうしようか? 腹でも切って詫びようか?」

 と、グレイは冗談めかして口の片方を笑ませた。

「こんなイングリッシュ感あふれる庭で、まさかのジャパニーズHARAKIRIに私は驚きを隠せない」

 どこで覚えてくるんだろう? ……わぉ、ワンダーランド、ワンダーランド。

「では、アリス。私はもういいや。なんか疲れてしまったし、もう二人を呼ぼうと思うよ? どうかな?」

「えーっと、呼べば?」

 どうかなと言われても、カードくれるならくれって言いたいし。

「言い方が悪かったね。三人分のカードが手に入る。君は、カードを手に入れると倒れてしまうね? 三人分の倒れる時間がどの程度かもわからないし、今のうちに何かやりたいことはあるかな?」

 なるほど。そう言えば毎回ぶっ倒れてたなぁ……。

 ……毎回倒れて、映像を見て、たぶん記憶を思い出して、それで? 私はちゃんと前に進んでるんだろうか?

「まあ、いいわ。そうね、シャワー浴びて、もう一眠り……の前にミカ達と話して、ぶっ倒れたままスヤァしたいわ」

「じゃあ、ミカに風呂の支度でも頼もうか」


 お風呂上り、ミカに傷の手当をもう一回してもらって、軽食をみんなで食べる。

 今度はちゃんと味わえる。ミカ特製のおいしいご飯。グレイのおいしい紅茶。

 うむ。素晴らしい。

 あ、途中でほったらかしにしたトランプは、ミカが片付けてくれた模様。本当に、できる女感ありますな。よいですな。

「ちゃんと寝て起きたはずなのに、今すでに頭くらくらしてる」

 まだ日は高いし、起きてからそんなに経ってないはずではある。

 でも精神的に疲れたからー。グレイのせいで精神削れたからー。あーーー。

「よかったじゃないか。これでゆっくり倒れられるね?」

「いや、アリスのは仕方ねぇかもしれないけど、倒れるって割と非常事態だぜ?」

 グレイのボケに、ミカがちゃんとツッコんでくれる。よかった。今の私にはツッコむ余裕ないのよ……。

「大丈夫、怖い夢は見させないから。記憶戻した後もゆっくり寝てていいよ」

 隣に座ってるネネがいつもと違う、ちょっときりっとした顔で励ましてくれる。

 あー、かわいい。癒される。悪い夢から守ってくれるってよ。あーーーかわいい……。

「むっ、バカにしないでね? 僕の異能なんだから」

「異能?」

 んー、あれか? アズが幻使えるみたいな?

 ふぁんたじー。

「おや、信用してないようだね? ネネの異能は割と有用だよ。……後でつなげてもらおうね」

「つなげる?」

「後でわかるよ」

 グレイは謎の言葉を告げてくる。にやにやしてて、腹が立つけどどうせ説明してくれない。

「……そろそろやろうか?」

 食後の紅茶も飲み終わって、グレイが移動を促す。

 四人でぞろぞろ移動すると、なんかシュール。しかも私が借りてる部屋、そこまで広くない。いっぱいいっぱい。

 私はベッドに腰を掛けて、カードを取り出した。

 三人は順に私の前に立って手を伸ばした。

「君が約束を守ってくれる限り、私も約束は守るよ」

 グレイがそう言ってカードに手を触れる。スペードの4と、何かの本を持ったグレイのミニキャラが描かれた。

 そこでちょっと気が付く。ミニキャラ、かわいいなー、とか言う雑な感想しか持ってなかったけど、エースのカードにはミニキャラはなかった。本当にお前のカードになったわけじゃないって、そういうヒントだったのかもしれない。

 ふっと、重たくなる頭でそう考えた。

 次にミカが私の前に立つ。

「あー、俺はグレイについてくだけだけどよ。でも、アリスの事は結構気に入ってんだ。だから守ってやるよ、グレイとあんたの約束とやらがある限り」

 そう言って、カードに触る前に私の頭を撫でた。……ちょっと、乱暴すぎて頭ぐしゃぐしゃになったけど、ミカっぽくて、落ち着く。

 ミカのカードはダイヤの9。ミニキャラは銃を構えていて、目つきが鋭い。でもかわいい。

 頭がすごく重くなった。視界が狭まる。

 次はネネ。

「最後なのはちょっと納得いかないけど……。アリス、僕は絶対に君を守るから。カード渡しちゃえばもうあの二人は関係ないからね。僕は絶対、絶対に、裏切らない」

 ネネのカードが色づいた。クラブの5。ミニキャラのネネは袖口から出ている鎖に囲まれていた。それと、何故か片手に枕を抱いている。不思議。かわいい。

 それと、誓いの言葉。裏切らないって、とても嬉しい。エースの事があったから、余計に何か、きゅんと来る。切ないけど、悲しいけど、一人でも味方になってくれれば幸せかもしれない。

 そこまで見届けて、もう体を起こしてられなくなった。三人分、結構堪えたんじゃないかな?

 前に倒れかけたのを、誰かが……場所的に多分ネネが抱き留めてくれる。

「おやすみアリス。よい夢を」

 ひと肌の心地よさも手伝って、私は暗闇の中にふわりと降りて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ