思考放棄したい気分
最近ネタがわいてきたので、どんどん書いていました。その結果結構たまったので、投稿強化週間として一週間毎日投稿したいと思います☆
アリス「……だったら一週間一気にじゃなくてさぁ、もっとこまめにした方がよかったんじゃないの?」
書くの優先してて投稿するの忘れてたとか口が裂けても言えないなぁ……。
アリス「がっつり言ってるわよ?」
……さぁ! どうぞ! お付き合いいただける方は! 一週間! お願いいたします!!
アリス「一気に出して、また更新止まらないように頑張らせます! お願いします!!」
あ、定期的に放出した方が建設的だった気もす((
アリス「では、本編始まります!! どうぞ!!」
「ふふふっ、今の話を聞いて、でもやっぱり騎士様が憎そうだね? あぁ、これはただの好奇心」
愉快そうに、グレイが言った。腹立つ笑いが顔に刻まれている。
「そうね。少なくとも好ましく思う要素はないわ」
「おや、騎士様も可哀想に」
そんなこと全然思っていないような軽い声音が答えた。
「それはなんで?」
「え? だってトカゲさんを……」
グレイは知ってるはずだよね? 昨日チェシャ猫とも話してたみたいだし、エースがトカゲさんを殺そうとしたって、知っててもいいよね? なのになんでって聞くの?
「君はわかっていないのかな? 女王の狗ということは、その殺しの命令は女王陛下から出されている可能性が高い」
……考えてなかった。でも、確かにそうだ。私の知ってるエースは、好んで殺しをするようには見えない。
だったら、エースを許せるか? それは違うよね。実際に手を下したのはエースで、抗わなかったのはエースで、全部ハートのせいにはできない。
ハートも、憎くなる、けど。
「君はそんな命令を下す姉でも、助けようとするの?」
グレイの質問に、ちょっと前までの答えが揺らぐ。見つからない気がするハッピーエンド。
私が、それを、見つけたいという気持ちが揺らぐ。
「……ちょっと、罰が当たってもいいかな、とは思っちゃった」
チェシャ猫が憎んでたのはエースだったけど、役付なら女王の命令があったからって知ってるだろうか。だったらチェシャ猫の憎いやつの中に、ハートも入ってるんだろうか。
だったら彼はハートも殺す? ……復讐果たしても虚しいだけだとは思うけど、それもそれでいいんじゃないかとか思ってしまった。他人が殺すなら、まだいいかなって。
「でも、だめね、たぶん。私は知り合いが殺されるのを許容できないかも。それに、見殺しにしたら、わたしまで血に汚れそうじゃない?」
エースは小うるさいなと思ってたけど、守ろうとしてくれるいい人だった。ハートだって、お姉さまって感じで仲良くしてた。
それを無かったことにはできないし、それがあるから決心が鈍る。元通りになればとも思うし、そもそも、全くの他人でも目の前での殺人なんて私には重すぎる。キャパオーバーよ。
「ふぅん、そうか。君は本当に、お人よしというかなんというか……」
「そうかしら? そんなもんじゃない? 私の知らないところで起きた殺人とかには、心痛められない程度には普通だと思うけど。さすがに身近だと、ね」
だって元の世界は平和だったと思う。人の死なんて遠いわ。なおさら殺人とか、ちょっと非現実な感じがする。
「それに、愛着わいちゃってんのよ、この世界に、人に。だからさ、壊れてほしくないのよ」
たぶん、これが一番の願い。楽しく平和で、ちょっと物騒だったけど、私はそれを知らないでいられた、ほんの少し前に戻ってほしい。
帰らなきゃいけないとはずっと思ってるけど、この世界が悪いとも思ってないんだから。
グレイは何かを考えるようにしばらく紅茶を楽しんでいたが、やっと口を開いた。トランプをどけ、テーブルに肘をついて手を組む。
「では、アリス」
これが肝心の本題だと、声の調子を変えてグレイが告げた。
「君は城に戻ったら、何をする?」
「……え、戻したいの?」
正直家出してきたから戻りたくはない。気まずいし、エースに会いたくないし。できればこのまま匿ってほしかったけど……。
「いやいや。戻れと言っているわけじゃないよ。でも、いつかは女王陛下やエースと会わざるを得ない。その時君はどうするか、というのを聞きたいんだ」
「びっくりした。追い出されるのかと。ん、んー。なにをする、か……」
気持ち切り替えるために、わざと声を出して目標を考える。
どうしようか。
「そうね。まず、ハートとお話したいわ。あなたの事、聞いてみないと。言わないと始まらないと思うの。どうせグレイは、遠回りに聞いただけなんでしょう?」
情報屋がまっすぐ対面するとは思えない。それに、周りの人にも聞いて情報を確認しているくらいだし、直接聞いてないと考えた。
「そう、だね。探りは入れたけど、直接聞いたことはないかな」
よくわかったね、と言いたげにグレイがこちらを見る。
「でもそんなこと聞いて、気分を害したらどうするんだい? 首を刎ねられてしまうよ?」
「ま、守ってくれるんでしょ……? もしあなたが私のモノになったなら」
自分で言っときながら、どこの乙女ゲームだよ!! ってツッコみたい。恥ずかしい。
最近は少女漫画より少年漫画派です!!
「守ってあげるよ。もし私が君のモノになったなら」
あんたもなんでそこで真顔になるんだ!! 告白みたいに聞こえるじゃんか!!
「……顔が赤いよ? 大丈夫かい??」
真顔のくせに声震えてますよ? さては確信犯だなお前!! 真顔で笑うなんて、器用なことしてくれてんなぁぁあああ!?
「くっ、ふふふっ……」
隠す気をなくしたのか、口元を押さえて肩を震わせている。
「あー、おかしいね。君、思い切りがいいと思ったら、人任せかい? まぁ、守るしかないけれどね? 私が君のモノになったら」
……笑ったのは私が思った理由とは違うもよう。
確かに人任せと言われれば、そうかもしれない。けど、でも、本当は……。
「別に。助けなくてもいいわ。でもね、守ってちょうだいよ。じゃないと、ハートの前に行く前に掴まっちゃいそうなんだもん」
助けなくてもいい。だって、どうでもいいって思う時があるから。全部が全部、どうでもいいって。
でもグレイが願うなら、誰かのためなら私はもうちょっと動けると思う。だから、そのために手伝ってほしいかな。
「チェシャ猫の手伝いでもいいの。囮でいいの。だから、目的果たすまでは守ってほしい、かも?」
うーん、これやっぱ人任せかな? 結局私の力なんて、ほとんど無いようなものだってことを実感する。
銃乱射されても対抗策なんてないし、銃なんて撃ちたくもないし。
笑いをおさめて沈黙したグレイが怖くなって、ちょっと顔を下げる。下げながらも、視線をあげて、グレイの顔を盗み見る。
まぁ、あんまり見えないんだけどね! よくわかんないや!
「えーっと……?」
どうしたかなー、どうしようかなー、って声を出すけど、それからが続かない。
「グレイ?」
「……はぁ、そうだった。君はそういう子だったね」
なんか重たいため息つかれた。
え、ごめん、なんで?
「いや、いい。気にしないでくれ。私も気にしない」
気になりますが? でも、話進まなそうだし、掘り下げるのはやめておく。
「そう……?」
「そうだ。……で、女王陛下と話して?」
強引だけど、グレイが話を元に戻した。続きを促される。
「うーん、話して? 話してそれで……」
やっぱあれよね。
「エースを殴る」
「……はぁ?」
グレイが間抜けな声を上げた。口もぽかんと開けている。
おや、笑える。
「まず一発殴らせてもらいましょう。エースは私の攻撃なんて軽く避けてしまいそうだから、不意打ちで」
「……そ、それで?」
「ダメージはあんまり入らなそうだけど、まぁいいわ。とりあえず一発入れたら、あんたのせいで疑心暗鬼になったわって責めてやるの。謝ってもすぐに許してあげないんだから」
エースならすまない、とかは簡単に言いそう。あんまりわかってないけど、なだめるのに最適だとか思って言いそう。
そう思ってるって、私が思ってるから、そんな「すまない」には価値がないって決めつけて、許してあげないの。
「ジャックは隣でおろおろしてそうだから、あんたも同罪だって言ってやる」
二人は同僚なんだから、庇うのはそれなりに仕方ないとは思う。
けどやっぱちょっと、イラッとはしちゃうわけで。
「とにかく困らせてやりたいわ。エースは、ちょっと、怖いから……少しでもおろおろしたら、それでいいのよ」
「……アリスはエースの事好きだったんだね?」
急に何かぶち込んできた気がするのはなぜかしら?
「好きって何? ……そうね、まともな大人に見えたから、好ましくはあったかも。頼りになりそうで。でも大人すぎて面倒でもあったわ」
「それで困らせたい、んだね。裏切られた気分?」
「そう。悔しい気分」
騙されてた自分が、惨め? って感じ。許せないけど、いい人だと思ったから、怒り続けるのも難しい。
「ふぅん。そう……。アリスはなんだかんだ優しいんだね」
喉奥で笑うグレイが、皮肉ってるみたいでどうしていいかわからない。何を言っているかわからない。
「優しい? どこが?」
「人殺しにも、優しいんだね?」
グレイがわかりやすく言い換える。
トカゲさんを殺したって、なっていた。実際私はそれで、チェシャ猫に殺されかけた。
そのくらいチェシャ猫は彼を恨んでいて、私もそれでエースを信じられないでいる。
でも、なんだかなー……。
「憎み続けるって、疲れちゃうんだよね。でもやっぱり許せなくて、イライラするけど、どうしたらいいかわからないから、結局飲み込むしかないの。今だっていろいろ言ったけど、何もできないで終わりそう」
それが本音。疑心暗鬼は疲れちゃう。それを晴らす力はない。何とかしようと思っても、何をすればいいかもわからない。
だからさ、憎もうとしても、いつか絶対に壊れると思う。
「どうせ私には力がないし。数少ないできることをやったら、後はどうにでもなれよ。あぁ、もちろん助け出した後、よ? さすがに助け出せなかったら、責め続けると思う。憎み続けられなくても、絶対何か嫌な感情が残るもの。今も許せないけど、だからってなにか考えられるわけじゃないし」
血なまぐさいことは考えたくなくて、ぼんやりと視線を宙に彷徨わせた。
考えることは疲れる。
しばらくぼんやりしていたけど、グレイが無反応なのに気が付いた。ここで何も言わないなんて、おかしくないか?
彷徨わせてた視線をグレイに戻すと、三日月に唇を吊り上げた笑いが目に入る。これは形だけの笑顔だ。少し怖い笑顔だ
「そう、それが君の答えだね?」




