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迷夢の国のアリス  作者: 影宮ルキ
56/102

Story of last Alice  2

 来年まで更新止まるかもしれないです。

 出て来れるときはできるだけ来るようにします。読んでくださってる方々、本当に申し訳ございません。

「えぇ、えぇ、私の主観と、伝聞です。現実とねじ曲がっているかもしれません、まったくの白紙であるところもあります。それでも、伝えたいのです」


 アリスは城への道を歩いていました。

「あら?」

 すると向こうからパンの羽をもった蝶々と、ガラスのように透き通った羽をもった蝶々が飛んできます。

「パン? あ、バターも塗ってあるわ?」

 綺麗な方の蝶々には目もくれず、面白いパンの蝶々の方を目当てに、蝶々の後を追っていきました。

 蝶々たちはどんどん森の奥へ進んでいきます。

 そうして進んでいった森の奥、アリスは一人の青年と出会いました。

「おや? 君は誰?」

 パンとガラスの蝶々を肩に止まらせた、自分自身も光の美しい蝶の羽をもった青年でした。

「私?」

「君はワタシなの?」

「違うわよ! 私の名前は、」

「君はナマエなの?」

「違うわ!」

 くすくす笑いながら自己紹介をさえぎった上に、変な呼び方をされてアリスはむくれます。

「そういうあなたは誰なの? レディに名前を尋ねるなら、まず自分から、だわ!」

「私? 私は……」

「あら、あなたの名前はワタシなのかしら?」

 やり返したぞ、というように笑むアリスに、青年はくすりとまた一笑い。

「君はそそっかしいんだね。自己紹介をさえぎるなんて」

「自分もやったことでしょう!」

 やり返しをしたらまたやり返されて、アリスはむきーっと手を振り上げました。

「あぁ、ごめんごめん」

 青年はそんなアリスはどこ吹く風で、笑みを深くするだけですが。

「アズールだよ。アズール・ユルベール。よろしくね、アリス」

「え? どうして私の名前?」

「わかるよ。わかりやすいもの」

「だったら名前を聞かなくてもいいじゃないっ。もうっ」

 ぷりぷり怒って去ろうとするアリスに、イモムシは声をかけます。

「カードは見なくてもいいの?」

「えぇ?」

 イモムシは役付でした。

 はっとして振り返ると、薄紫色の煙に阻まれて、イモムシの姿は見えません。

「またおいで、アリス。今日は用事があるから、早く先を急ぎなさい」

 声だけを残して、イモムシは消えました。

 いいえ、本当はアリスの方が移動していたのです。

「あら? さっきの道?」

 そこはさっき蝶々を追って外れてしまった道でした。

「あぁ、さっきの蝶々、あの人のだったのかしら? またおいでと言ってたわ。その時にまた見せてもらいましょう」

 アリスはさっきまで怒っていたことをけろりと忘れ、また城への道を歩き出します。


「この出会いが前回の悲劇の始まりだったのかもしれません。だとしたら、前回の結末は、すべて必然ですね。役付であるあの人と、アリスは必ず出会う運命なのですから」

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