Story of last Alice 2
来年まで更新止まるかもしれないです。
出て来れるときはできるだけ来るようにします。読んでくださってる方々、本当に申し訳ございません。
「えぇ、えぇ、私の主観と、伝聞です。現実とねじ曲がっているかもしれません、まったくの白紙であるところもあります。それでも、伝えたいのです」
アリスは城への道を歩いていました。
「あら?」
すると向こうからパンの羽をもった蝶々と、ガラスのように透き通った羽をもった蝶々が飛んできます。
「パン? あ、バターも塗ってあるわ?」
綺麗な方の蝶々には目もくれず、面白いパンの蝶々の方を目当てに、蝶々の後を追っていきました。
蝶々たちはどんどん森の奥へ進んでいきます。
そうして進んでいった森の奥、アリスは一人の青年と出会いました。
「おや? 君は誰?」
パンとガラスの蝶々を肩に止まらせた、自分自身も光の美しい蝶の羽をもった青年でした。
「私?」
「君はワタシなの?」
「違うわよ! 私の名前は、」
「君はナマエなの?」
「違うわ!」
くすくす笑いながら自己紹介をさえぎった上に、変な呼び方をされてアリスはむくれます。
「そういうあなたは誰なの? レディに名前を尋ねるなら、まず自分から、だわ!」
「私? 私は……」
「あら、あなたの名前はワタシなのかしら?」
やり返したぞ、というように笑むアリスに、青年はくすりとまた一笑い。
「君はそそっかしいんだね。自己紹介をさえぎるなんて」
「自分もやったことでしょう!」
やり返しをしたらまたやり返されて、アリスはむきーっと手を振り上げました。
「あぁ、ごめんごめん」
青年はそんなアリスはどこ吹く風で、笑みを深くするだけですが。
「アズールだよ。アズール・ユルベール。よろしくね、アリス」
「え? どうして私の名前?」
「わかるよ。わかりやすいもの」
「だったら名前を聞かなくてもいいじゃないっ。もうっ」
ぷりぷり怒って去ろうとするアリスに、イモムシは声をかけます。
「カードは見なくてもいいの?」
「えぇ?」
イモムシは役付でした。
はっとして振り返ると、薄紫色の煙に阻まれて、イモムシの姿は見えません。
「またおいで、アリス。今日は用事があるから、早く先を急ぎなさい」
声だけを残して、イモムシは消えました。
いいえ、本当はアリスの方が移動していたのです。
「あら? さっきの道?」
そこはさっき蝶々を追って外れてしまった道でした。
「あぁ、さっきの蝶々、あの人のだったのかしら? またおいでと言ってたわ。その時にまた見せてもらいましょう」
アリスはさっきまで怒っていたことをけろりと忘れ、また城への道を歩き出します。
「この出会いが前回の悲劇の始まりだったのかもしれません。だとしたら、前回の結末は、すべて必然ですね。役付であるあの人と、アリスは必ず出会う運命なのですから」




