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迷夢の国のアリス  作者: 影宮ルキ
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俺さんの役目

 ここから二週間に一回投稿を目指します。できなかったらごめんなさい。

 鬱蒼とした森の中を、蛍光色のトカゲさんと歩く。

「そういえば、トカゲさんの名前って?」

「ん~? あぁ~、ビルだよぉ~。でもぉ~、お気軽~によん~じゃ、だめだ~よ?」

「え、何で?」

「だ~って、ばれ~たら困~るでしょ~?」

 名前くらい誰かに聞いたってことに……ダメなのか。そうか。

 ……じゃ、トカゲさんのままでいっか。

 なんだかよくわからないままゲット(仮)したカード一枚。

 複雑な事情がありそうだけど、全然わからないし、分からせようともしていない。

 だからもう考えるのはやめにしよう。

 考えることを放棄したら、そのまま私が消えてしまいそうだけど、夢なんだから。深く考えたら傷つくだけよね。

「ア~リス」

 トカゲさんが立ち止まってこっちを見ていた。

「で~ぐち~だよ~」

 ……さっぱり他の森との区別がつかない。どこが境界線なわけ!?

「も~こっちのほ~は、極力~近づかな~い方が~いいか~もね~」

 木に寄り掛かりながら手を振られる。

「安心して! ……二度と近づくかこんなとこぉぉおおおお!!」

 超力を込めて叫んでやったぜ!! 森の主とかマジありえないから!!

 でも境界線わかんないからうっかり迷い込んだら終わりだけどなぁぁあああ!!

「あはは~さっきのはんの~みてればわかるぅ~」

 うざっ!!

「あ、そうだ、聞いてもいい?」

 ちょっと気になることが一つ。

「ん~? な~に~?」

「あんたの企んでることって、皆が企んでること?」

「……どうゆうこと?」

 だるだるが消えて普通に首をかしげるトカゲさん。

 あのしゃべり方は作ってるキャラなのか、それとも真剣な話の時は雰囲気づくりのためにまともに話すのか、どっちなんだろう?

「えっと、いまいちここの人たちの関係性を、私は把握していないのよ」

「うん。把握されてたら困る」

「え、困るの?」

 真顔で困ると言われて、こっちも困る。

 何で困るの? なんか隠してるの?

「ゲームが成立しない可能性があるから、完璧に把握できたとしても、するのは終盤でいい。詳しくいうのはルール違反」

 またか。

 気にしたら負けが合言葉!!

「んー、詳しく突っ込まないでね。面倒だから。それで、アリスは何が聞きたいの?」

「あ、そうそう。役付は全員団結して何かをたくらんでいたりする?」

 アズがなんか言ってたのよねー、帽子屋に利用されるとか……それって何か企んでるってことよねぇ。

 トカゲさんもそれ関係のたくらみごとかしら?

「役付全員が団結? ぶはっwww ないない!! アリエナイ!!wwwwwww」

 なんかよくわからんが爆笑されたぞ。めっちゃ草生えてるし。イラっ。

「あ~、おっかしい~!! 少なくと~も女王様と宰相様が団結なんて~この世界が崩壊してもあり得ないよ~!!」

 口調が戻ったようだけど、笑いと息継ぎのせいでそこまでダルダルはしなかった。

 って、え? ハートとラビが? 女王と宰相なのに? それっておかしくない? 確かに仲は悪そうだけどさー……。

「ん~、でも、そうだね~。俺はほぼ一人行動かな~。いろいろ言われたりするけど~、難しいから~」

「難しい? 何が?」

「団体行動?」

「あー」

 うん、納得。

「冗談だ~ったんだけ~ど、納得~しない~で……?」

「あ、ごめん」

「素で謝ら~れた。俺さん悲し~」

 よよよ、と泣きまねをするけど、だからどうした!!

「ま~、言った~でしょ? 俺さんは~、戦えるカ~ドじゃない~の。だか~ら、あ~んまり、協力はできないんだ~」

「それが納得いかないわ」

「え~?」

 戦えるカードじゃないって何? ジャックにめっちゃ警戒されてなかった? ナイフバンバンとばしてきてさぁ?

「強そうじゃない?」

「う~ぅん? トカゲって~肉食だけ~ど、兎には~かなわないな~」

 それ体の大きさじゃない? 擬人化したら変わらないし……いや、トカゲって言っても超でかいやつもいるよね? それこそさっきの森の主さん……ジャックとかだったら余裕で倒せたりするのかしら?

「色々あるんだな~これが」

 ここも私が踏み入るのが難しいゾーンかな? 森の境界線と一緒?

 無理だからって諦めるしかないのは悔しいけど、無理なものは無理。

 ……少しだけと思ってかなり長話しちゃったな。そろそろ行かないと……。

「あ!!」

 突然トカゲさんが声をあげた。びびった。

「なに!?」

「そ~そ~! えっと~、なんだ~っけ……ちょ~っと、まって~ね~」

「??」

 そう言うとトカゲさんは何かを考え始める。

「んっと~、金色、魚? じゃなく~て、桃色が~金色で~……」

 おい、なんか意味不明なこと口走り始めたぞ。大丈夫?

「あ! 思い出し~た!! 猫~! チェシャ猫!!」

「はぁ?」

「んと~、伝言頼まれてた~。ゲームとして」

 え、またゲーム!?

「いや~、さすが~にこれはあいつの~ゲームとして~、言わないと無理だから~」

「どゆこと?」

「それは言われてない~な」

 知ってるくせに……。

「チェシャ猫って言う~、存在がいることだけを伝えてって~」

「チェシャ猫ね。わかったわ」

 後手がかりになるかわからないけど、金色・魚・桃色、のキーワードね。

「じゃ、ちゃん~と、つたえた~よ。もう帰れ~るよね~? ばいば~い」

 トカゲさんは別れを告げるとまたするりと姿を消した。

 しばらく放心。

「……」

 なんか疲れた……。

「かえろ……」

 そう思って後ろを振り返ると、黒い人影が。

「んげっ」

「アリス? こんなところで何をしている?」

 超怒ってる雰囲気のエースお母さんが……。

 トカゲさん、見られた?

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