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迷夢の国のアリス  作者: 影宮ルキ
33/102

初ゲーム?

 いやぁ、なんか短いですね。すんません……

「では、ルール説明」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 ちょっとお茶しませんか? のノリでルール説明しようとしないでもらえるかな!?

「何? アリスにとってはいいことでしょう?」

「そうなんだけど、そうなんだけどね!? 心の準備的な何かが!?」

「さっさと帰りたいなら、いつでもどこでも準備しておいたら? むしろラッキー、と思ってないとやっていけないと思うよ?」

 呆れたようにアオ。いや、そうなんですけども、でもね!? こんな早速だとか思わないじゃない!?

「三秒待ってあげる。すぐ準備して」

「はやっ!?」

 そこはせめて1分とか……。

「いーち、にさんっ」

 にさん!? 2と3に間は!? ってか、長さも違うし!?

「配分おかしい!?」

「さ、もういいよね。ちゃんと聞いとかないと後悔すると思うよ」

「でしょうね!」

 ツッコミが、追いつかないっ!!

「まぁ、ルールも何にもほとんどないけどね」

 思い出したようにアオがキセルを口に持っていき、煙を吸って吐き出した。……子供に見えるんだけどなー。健康に悪そうな気がするなー。

「簡単だよ。僕の名前を見つけて」

「はい?」

「僕の名前。どこか行っちゃった僕の名前。思い出せないんだ。それを見つけて」

「え、え、名前がどっか行くって……」

 忘れたんじゃないの? 私医者じゃないから記憶喪失とかわからないよ? ってか、自分で精いっぱいだよ!?

「アリス、これはゲームだよ? 見つけられる、はず。じゃないと成立しないでしょ」

 いや、確かに成立しないけどさ……?

「見つけるって……何? 宝探しみたいな?」

 名前ってそんなもんでしたっけ……?

「そう、そうかな。宝探し。うん、そんな感じ。でも、どこかに落としたのか、誰かに持ち去られたのか、他の何かなのか、まったくわからない」

「手がかりはなしってこと、ね?」

「その通り。そのせいで僕はこの森から離れられないんだ」

「え、そうなの!?」

 森ですよ? 人間の住む場所としてはつら……あれ? アオってイモムシなんだっけ……?

「はいはい。変なことは考えなくていいから。……ここはね、僕の領域なんだ。今は特に不安定。名前がないと存在自体が不安定になる。僕もここもね。だから僕がここから離れたら森も僕も消えてしまうと思うよ」

「な、なんて壮大な……?」

「そのかわり名前がわかれば、今は忘れて、不安定な僕の力、全部アリスに預けるよ。それがなんなのか、僕にもわからないけど、たぶんそこそこ重要なカードだったと思う」

 カード……役割? 重要な役割……。なんか、重い選択って感じじゃない? いや、選択でもないや。絶対見つけて私はうちに帰らないといけないんだから。

「……ゲームの内容は理解できた?」

「んー、微妙。探すものがあいまいすぎて……」

「まぁ、そこは頑張って、としか僕には言えないな。あ、あと他に注意することは、誰かに聞いてもいいけど、誰も答えを教えてはくれないよ」

「って、ことは、みんな知ってるってこと? なのにアオに誰も言わないの? それは酷いんじゃないの!?」

 ずっとアオは困ってたんじゃないの?

「仕方ないさ。それがこの世界のルールだ」

「また!」

「そろそろ諦めた方がいいよ。こういう世界なんだ、ってさ」

「無理」

「即答だね。……心配してくれてありがとう。じゃ、説明はこれくらいかな。他にも聞きたいことがあったらここに来て。……質問は?」

 小さくお礼が聞こえた気がするけど、すぐに話を戻して流した。……ツンデレか……!? いや、クーデレか!?

「あー、りー、す?」

「んんっ! 今のところないわ」

 アオの顔が笑ってなかったよ……。

「よかった。幸運を祈ってるよ。僕のためにもね」

「了解。頑張るわ!」


 こうして始まったアオのゲーム。

 ……まったくどうしていいかわからないから、な、なんか頑張る! としか言えないんだけどね!!

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