初ゲーム?
いやぁ、なんか短いですね。すんません……
「では、ルール説明」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
ちょっとお茶しませんか? のノリでルール説明しようとしないでもらえるかな!?
「何? アリスにとってはいいことでしょう?」
「そうなんだけど、そうなんだけどね!? 心の準備的な何かが!?」
「さっさと帰りたいなら、いつでもどこでも準備しておいたら? むしろラッキー、と思ってないとやっていけないと思うよ?」
呆れたようにアオ。いや、そうなんですけども、でもね!? こんな早速だとか思わないじゃない!?
「三秒待ってあげる。すぐ準備して」
「はやっ!?」
そこはせめて1分とか……。
「いーち、にさんっ」
にさん!? 2と3に間は!? ってか、長さも違うし!?
「配分おかしい!?」
「さ、もういいよね。ちゃんと聞いとかないと後悔すると思うよ」
「でしょうね!」
ツッコミが、追いつかないっ!!
「まぁ、ルールも何にもほとんどないけどね」
思い出したようにアオがキセルを口に持っていき、煙を吸って吐き出した。……子供に見えるんだけどなー。健康に悪そうな気がするなー。
「簡単だよ。僕の名前を見つけて」
「はい?」
「僕の名前。どこか行っちゃった僕の名前。思い出せないんだ。それを見つけて」
「え、え、名前がどっか行くって……」
忘れたんじゃないの? 私医者じゃないから記憶喪失とかわからないよ? ってか、自分で精いっぱいだよ!?
「アリス、これはゲームだよ? 見つけられる、はず。じゃないと成立しないでしょ」
いや、確かに成立しないけどさ……?
「見つけるって……何? 宝探しみたいな?」
名前ってそんなもんでしたっけ……?
「そう、そうかな。宝探し。うん、そんな感じ。でも、どこかに落としたのか、誰かに持ち去られたのか、他の何かなのか、まったくわからない」
「手がかりはなしってこと、ね?」
「その通り。そのせいで僕はこの森から離れられないんだ」
「え、そうなの!?」
森ですよ? 人間の住む場所としてはつら……あれ? アオってイモムシなんだっけ……?
「はいはい。変なことは考えなくていいから。……ここはね、僕の領域なんだ。今は特に不安定。名前がないと存在自体が不安定になる。僕もここもね。だから僕がここから離れたら森も僕も消えてしまうと思うよ」
「な、なんて壮大な……?」
「そのかわり名前がわかれば、今は忘れて、不安定な僕の力、全部アリスに預けるよ。それがなんなのか、僕にもわからないけど、たぶんそこそこ重要なカードだったと思う」
カード……役割? 重要な役割……。なんか、重い選択って感じじゃない? いや、選択でもないや。絶対見つけて私はうちに帰らないといけないんだから。
「……ゲームの内容は理解できた?」
「んー、微妙。探すものがあいまいすぎて……」
「まぁ、そこは頑張って、としか僕には言えないな。あ、あと他に注意することは、誰かに聞いてもいいけど、誰も答えを教えてはくれないよ」
「って、ことは、みんな知ってるってこと? なのにアオに誰も言わないの? それは酷いんじゃないの!?」
ずっとアオは困ってたんじゃないの?
「仕方ないさ。それがこの世界のルールだ」
「また!」
「そろそろ諦めた方がいいよ。こういう世界なんだ、ってさ」
「無理」
「即答だね。……心配してくれてありがとう。じゃ、説明はこれくらいかな。他にも聞きたいことがあったらここに来て。……質問は?」
小さくお礼が聞こえた気がするけど、すぐに話を戻して流した。……ツンデレか……!? いや、クーデレか!?
「あー、りー、す?」
「んんっ! 今のところないわ」
アオの顔が笑ってなかったよ……。
「よかった。幸運を祈ってるよ。僕のためにもね」
「了解。頑張るわ!」
こうして始まったアオのゲーム。
……まったくどうしていいかわからないから、な、なんか頑張る! としか言えないんだけどね!!




