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迷夢の国のアリス  作者: 影宮ルキ
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帽子屋邸のお仕事事情

 まぁ、城のみんなの仕事聞いたら、他の人も気になるじゃない?

「って、わけで何してるの?」

「そうだね、心中だけで事情説明しないでこちらにもちゃんと説明してくれたら答えてあげられるかもしれないな?」

 苦笑いのグレイ。

 ただいま帽子屋邸で、突撃隣のお茶会……なんかリズム悪いな? いつものお茶会会場にグレイ一人だったので突撃してみました。あ、ちなみに護衛(エース)は城内でまいてきました。やっぱりそんなに危なくないと思うの。

「いや、仕事? そういえばこの前も微妙にはぐらかされた気もするし」

 そうだよ、何でミカとネネとディーとダムは危ない感じの道にいたんだろーねー?

 グレイは私の心境知ってか知らずか、のんきに私にお茶をついでくれ、それできょとんとした。

「ん? 言ってなかったかい?」

「あ、ありがとう」

 聞いてねえよ。

 いつも私の心読むくせに、こういうところ読んでくれないのかなぁ? あぁ?

 心の中は大荒れですけど、紅茶がおいしいです。ほっとしますね。

「んー……んんっ、失礼。言ってなかったみたいだねえ~あはは~……」

 無駄に似合わない明るい声で棒読み笑してもなぁ?

「悪かったよ」

 ほんとだよ……って、なんで会話成立してんだよ!! さてはエスパー化!?

「……」

「なんでそこ黙るのよ!?」

「いや……口に出てるの気が付いてないのかい?」

「な、なんですってえ!?」

「そんなマンガみたいなおどろき方を……」

「うるさいわね! って、なんかまた話そらされてる気がする!!」

「……そのままそらされていればいいのに」

 カップに口をつけながら言ってたけど、ちゃんと聞こえてますよ!?

「おいこら確信犯!!」

「あまり面白くない話だからねぇ」

「ハぁ? ……マジでマフィア……?」

「おや? そんな話信じていたのかい?」

「信じてねぇけど、だったらなんなんだぁ!!」

 小ばかにしたように言ってんじゃねぇ!!

「……? アリス、君……」

「? 何よ?」

 ふと何かに気が付いたようにカップから手を離し考える姿勢を取るグレイ。

「……いや、何でもなかったか」

「何よ! 気になるじゃない!!」

「いやいや。……ただ、そんなに私たちの仕事が気になるのかな、と思ってね?」

 にやっと笑うグレイ。ぶちっとキレる私。

「ホントはどうでもよかったけど、そこまで言わねぇんだったら逆に気になるだろうがぁ!!!!」

 どんだけじらすんだこのボケは!

「……とても嫌な仕事だよ」

「へっぇー!!」

「……真剣に聞いてほしいんだけどね? ……軽蔑するかもしれないが、ミカとネネだけは、聞いた後でも前と同じように接してほしい。お願いできるかい?」

 ……そんなになのか。

「そうね。約束はできないと思うわ。だってわからないもの」

「そうだろうね……」

「でも、努力はするわ」

「……ありがとう」

「で?」

「……ミカとネネは殺し屋だ。私はそういう関係の情報屋兼二人のボスと言ったところかな」

「……」

 ……。

「……無反応かい?」

「いや、何とも現実離れした……」

「君の現実ではそうかもしれないけどね、ここではそう珍しくもないと思うよ」

「……物騒ね。あー、でも、そっか。だったら銃とか納得ね……この世界が物騒だものねー」

 なんて素敵なワンダーランド。

「……アリス?」

 疲れたように笑う私に、グレイが驚いたように問いかける。

「君は……変わらないね?」

「……だって、ねぇ? ちゃんと理解できないというかなんというか……」

「一応はよかった、というところかな?」

「そうね。実際に目撃しちゃったらどうかはわからないけど、一応、今のところは、だから何? って感じよね」

「目撃することはそうそうないだろうと思うけれど、そう言う仕事だって、忘れないでいてほしいかな。いきなり化け物を見るような目をされるのはつらいからね」

「わかってるわ。覚悟、ができるかはわからないけど、心の隅にでも置いておく」

「うん。そうしてもらえると助かるね」

「……ちなみに、今ミカとネネがいないのも?」

「いや、夕飯の買い出しに行ってるだけだ」

「よかったぁ。……あれ? この前は?」

「トゥイードルと会った日かい? あれは私のお使いだよ。届け物があってね。あぁ、内容はあまり聞かないでおくれよ?」

「あー、はい。わかった。……なんか疲れた」

 そういって席を立つ。

「おや? もう帰るのかい? もうすぐミカ達も帰ってくると思うよ? 一緒に夕飯食べていかないかい?」

「えっとね、エース置いてきちゃったのよ。それで、あんまり遅くなると絶対またお説教だと思うから、今日は遠慮しておくわ」

 エースのお説教はそれはもう……(がくぶる

「ふふっ、それは大変だね。早くお帰り」

「ええ。じゃあまた。お茶おいしかったわ。ありがとう」

「またね。いつでも歓迎するよ。お茶ならね」

「まだ面倒事は嫌々?」

「それはねぇ、私もまだまだ自分の身が可愛いよ」

「~~~っ、あー、もうっ! ばいばいっ!!」

「気を付けてお帰り」




「チェシャ猫? いつまで隠れているんだい?」

「さっすが帽子屋さ~ん。気づいちゃってた?」

「当たり前だろう? で、君の方は、ゲームの進行状況どうなんだい?」

「遭遇一回しかまだしてないからなぁ、まだまだ。なんかあったら帽子屋さんからヒント出しておいて~」

「自分のことだろう? 自分でやりなさい」

「わっ、帽子屋さんおかあさ~ん」

「……」

「じゃぁ、そのうちアリスと仲良くなりに行きますかね! 帽子屋さんは……どうせ終盤でしょ?」

「ミカとネネには何も話すなよ?」

「りょかりょか~。じゃーねー!」

「……はぁ、ゲームが始まったばかりだと言っても、進行状況がこんなでは先が思いやられるな……。今期は曲者ぞろいだし……彼女も大変だ……」

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