帽子屋のお遊び
帽子屋で、遊ぼう! の回でございます。
グ「そ、それは酷いんじゃないのかい……?」
悪巧みしてるからこういうことになるのです(本当はしっかりと考えていたはずの路線から大いに外れて、あれ? となっただけ。
グ「心の声がダダ漏れだぞ!?」
ア「さすが私の性格を変えた張本人……」
……ほ、本編どうぞー……
アリスは意識を失ったようだった。
「グレイ、何してんだよ!?」
「え、帽子屋さんがやったの!?」
「お姉さんに何してんの!?」
「……」
彼女が意識を手放す寸前。ふらりとしたアリスを心配したものが三人。帽子屋を非難した者が一人。
ミカは私が何をしたか、分かったのだろうね。ネネも気が付いていたようだが……アリスを優先させるか。ふむふむ。まだミカは私とアリスだったら私を取るのだろうね……。
双子は、気が付かないか……まだまだだね。エースに進言しておいてやろう……。鍛え方が足りない、とねぇ……?
帽子屋は真面目な騎士と悪い双子の両方をいじるネタを手に入れてご満悦だ。
「別に、少し眠ってもらっただけだよ。害はないさ」
そう、ほんの少し、眠ってもらっただけ……?
「なんで眠らせたのさ!」
「てか、眠らせて何する気なんだよ!」
「はっ!?」
「まさかっ!?」
「「帽子屋さんサイテー!!」」
「……なにをどうすることを考えたんだね……?」
子供の想像力ははっきり言って私の範囲外にあるようだ? って、本当に何を考えたんだか……。
「……ぐ、れい、そんな、ことし、ないもん……」
「おぉ、ネネは庇ってくれ」
「ぐ、れい……おじいさんだから……っ!」
最後は勢いをつけて言ったため、途切れることはなかった。
「……」
わ、私は、まだ若い方と考えていたんだが……もう若くないのか!? そうか……おじいさんなのか……。
「ネネ! それフォローになってねぇぞ!!」
「ミカ……」
やはりミカは庇ってk
「グレイは女に興味ねぇんだろ!?」
「ミカー!! 君は何を言ってるんだい!?」
「え、違うのか!?」
「それはいろいろ誤解をうむ発言だし、そもそもそんな話をしていたのかい!?」
「「「「……違うの(か)?」」」」
「私を一体なんだと思っているんだ君たちは!!」
さすがの私もキレるぞ!?
「「なーんだ」」
「……」
「~~~」おろおろ
双子はつまんなそうに、ネネは何かを思案して、ミカはなぜかおろおろしている。
ふふっ、私の笑顔がとてもひきつっているよ? この人生初だと私は思うよ?
「で、帽子屋さんは何するつもりなの?」
「お姉さんをこんな無防備な姿にしてっ!!」
「……君たち、不健全だよ?」
「いやいや! ある意味健全だよ!」
「どこがだよ!! ガキが何言ってやがる!!」
「だって僕らそういうオトシゴロだもん」
「「ねー」」
「……」
もう何も言うまい……。ミカも呆れて口をパクパクさせていることだし……。
「まぁ、話を戻そうか。アリスは、今日はうちで預かるよ。女王陛下にはそう伝えておいてくれ。いや、白兎の方がいいのか?」
「はぁ!?」
「僕ら殺す気!?」
双子は焦って、顔を真っ青にしている。それもそうだろう。女王陛下に言ったら即座に首を落とされる。アリスは女王陛下のお気に入りらしいからな。白兎も似たようなものだろう。あぁ、でもあれの方が陰湿にねちねちと殺してくるかもしれないな……。
二人とも権力者だから兵士をたくさん使うだろう。自分じゃ手を汚さない。それではさすがに強いと言っても双子だけじゃ殺されるねぇ……。
「だったらあの黒いやつに言えばいいんじゃね? お前らの上司」
まだ優しく冷静だと思われるエース。実際のところどうだかは知らないがね。
「そ、それもそれで……」
「僕らちゃんと連れて帰るように言われ……」
「「だ、だったら僕らもここにっ!!」」
「それは却下だよ」
何が楽しくて邪魔者を泊めなくてはいけないんだよ。
「「っっっ!!」」
「て、てか! なんでそんな話になるんだよ!?」
「そ、そうだよ!! アリスは僕らの城で暮らしてるんだよ!?」
「ふつうそれを先に言うんじゃね?」
「「た、確かに!!」」
なんとも言えない間抜けさだな……。ふふっ、またあのエースに進言することが増えたね……。
「彼女と話したいことがあるんでね。今は話ができないし、返したらまたいつ来てくれるかなんてわからないからね」
「ぼ、帽子屋さんが城に来ればいいじゃん!!」
「話せないって、眠らせたの帽子屋さんだしね!?」
「……私はいきたくないんだよ。彼女は城に帰らないと、と言うだろうしね。泊まってはくれないのじゃないかな……」
「我がままだね!!」
「だ、だったらお姉さんにすぐ来いって言えばいいじゃんか!!」
「彼女にはエースが引っ付いているじゃないか。あまりいい方法とは言えないね」
「~~~!!」
「ともかく、私はそう決めたんだ」
そう言って帽子屋は立ち上がる。アリスの傍によって、彼女を抱き上げた。
軽くて柔らかくて、ここには存在しないかのよう、だね……。
「伝言は頼んだよ、トゥイードル兄弟」
「ちょ、」「まって、」
「ミカ、ネネ、後を頼んだね」
「「……」」
先ほどの喧嘩とは違い、ミカは本気のようだ。殺気があふれ出ている。ネネは適当にやるようだ。でも目はしっかりと双子を見据えている。
まぁ、双子が本気でも武器的にはこちらの方が有利そうだから余裕だろう。適当に傷でも作れば言い訳もまだ楽だろうし、派手にやってくれてもかまわ……。
「っ、ミカ、ネネ。できるだけ庭に被害は出さないでおくれ?」
私の大事なお茶会会場だ!
「……了解」
「でき、るだけ……できるだけ……」
できるだけをそんなに強調されるととても怖いのだが……。
そっとため息をつく。きっと二人以上に双子が大暴れするから注意も関係ないのかもしれない。そう諦めて、私はアリスを自分の邸に運ぶことにする。
背を向けて歩き出すと同時に、後ろから物騒な音が聞こえたが……私に攻撃は絶対に届かないよ。私には、絶対に、ね……その代り、私の大事な茶器が……代わりに、大事な、茶器が…………。




