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迷夢の国のアリス  作者: 影宮ルキ
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ツインズ

「行った?」

「ねぇ、行った?」

「「エース様いないよね??」」

 ミカとネネの出てきた、日のさしこまない影が陣取っている路地の奥から声が二つ聞こえてきた。

「い、ない……よ」

「「せーふ!!」」

 そう言って飛び出てきたのは二人の少年だった。顔が同じの……?

 片方が濃紫の髪で、右のひと房が赤。瞳は薄紫。服は赤系のアニメとかにありそうな、かっこいい軍服風。

 もう片方は、ほぼ同じで、左のひと房が青。服の色が青系だった。

 二人は鏡合わせにしたようにそっくりだった。色とかも反対だし……?

「よかった! さぼってんのばれたらさすがにクビだよね! 次は!!」

「いやほんとは知られてるだろうけどね! でも現行犯はやばいよね!!」

「そしたら僕ら、職も住む場所も同時に失くしちゃうよ!?」

「そしたら僕ら、明日からどうやって暮らしてけばいいんだよ!?」

「……いや、だったらさぼんなきゃいいんじゃね……?」

 ミカが呆れた顔で提案する。まったくもってその通りだ。うん。さぼり常習犯め……って、私より年下に見えるけど、働いてるの? え? 労働基準法仕事しろ!!

「え、なにそれなにそれ?」

「ロウドウキジュンホウ?」

 おっと、また心の声が……。

「え……この世界にはないの?」

 私もよく知らないけどね! でも確か何歳かの子供は働いちゃダメなんだぜ★ みたいなこと書いてなかったっけ? ちゃんと授業きいときゃよかったなぁ!!

「知らねぇな」

「こどもは、はたらいちゃだめ、なの……?」

 ミカとネネは不思議そうにこちらを見てくる。

「いや、たしか高校生はバイトありだから、中学生はだめなんだっけ?」

「コウコウセイ? チュウガクセイ?」

「あっれ~?」

 無いのか。じゃあなんで私は知ってんだ? 記憶として、残ってはない……わけじゃない? そうだよね、テストの点とか覚えてるし……ん????

「よくわかんないけど、じゃなかったらどうやって生きてくの!?」

「住む場所もご飯も、お金がないとダメじゃん!?」

「お金をもらうには働かないと!!」

「だめだよねぇ!?」

 なんかハイテンションだなこの二人……ってか、誰?

「え、えっと、親がちゃんと育てないといけないのよ」

「親? 親なんてそんなことしてくれないよ?」

「少なくとも僕らはそうだし」

「え!?」

「ネネとミカもそうだよね?」

「ミカっていうんじゃねぇこのクソガキ!!」

 がきんっ!!

「!?」

 ミカがいきなり銃を抜いて赤い方に振り下ろしたが、二人は鎌(どっから取り出した!?)を相手のと合わせて、その交差するところで銃を受け止めた。

「ちょっと! こんないたいけな子供になんてことするんだよ!!」

「いたいけな子供は自分でんなこたぁ言わねぇよ!!」

「だからってねぇ、銃ぬくぅ!?」

「うってねぇからいいだろうがよ!!」

「んなわけあるかぁいい!!」

 私はキレた。えぇ、キレましたとも。三人とも余裕そうだったのでぶちっとね。だってねぇ? ってなわけで、ちゃぶ台返しの要領でミカの銃を返してみた。

「ハ?」

 返せたよ! びっくりだよ!? すぱーんとね!? とびますとびます!!

「ちょ、あぶねぇだろ!?」

「少なくともあんたに言われたくねぇわ!!」

「うっ……」

 自覚はあるのか、ミカは言葉に詰まった。そして銃を拾いに行った。

「わぁ! お姉さんすごいねぇ!!」

「そういえば、お姉さん何者!?」

 少年二人がキラキラした目で迫ってきた。なんでだ。てか鎌どこやった。消えてんぞこら。

 ……これがワンダーランドか……。

「私はアリスよ」

「アリス!? アリスか!!」

「お姉さんアリスなんだ!」

「「すごいね!!」」

 ……何がどこがすごいのかしらぁ~?

「僕はトゥイードル・ディー」

 赤い方が言った。

「僕がトゥイードル・ダム」

 青い方が言った。

「あれ? 僕がダムだっけ?」

「あれ? じゃあ僕がディー?」

「いやいや。僕がダムだよ?」

「いやいや。それは僕でしょ?」

 ……頭痛くなってきた。

「こいつら、こうやってよく遊ぶんだよ……気にすんな」

 ミカが銃を拾って戻ってきた。

「いや、気にしないって、だったら何て呼べばいいのよ……」

「一応赤い方がディーらしい」

「そうだよ! 赤い方がディー」

「青い方がダム」

「「僕らは双子だよ! よろしくね、アリスお姉さんっ!!」」

 元気いいのは何よりですね……。

「えーっと、本当に赤い方がディーで、青い方がダムね?」

「「そうそう」」

「よろしくね」

「「うんっ!!」」

 なんかめんどくさそうだが、とりあえず分かったからいいや……。

「これから帽子屋さんのとこ行くんでしょ!?」

「僕らも行くよ! いいでしょみ……三月ウサギ!!」

 ミカ~、銃のトリガーに指かかってるわよ~? ダムもわかっててやってるわよね~?

「あ? なんでテメェらまで招待しなくちゃならねぇんだよ!」

「仕事手伝ってやっただろ!?」

 何してんだ……?

「お前らが勝手に乱入してかき回しただけだろ!?」

 それを邪魔というのでは……?

 ……なんかギャーギャーやりだした……。

 あれ? ネネは? いつの間にか会話に参加してなかったけど……。

「zzz」

 ……寝てました。もうべしゃって地面に這いつくばってる。

「ネネー? 汚いわよー?」

「ん~……」

「わっ、お姉さん! やめときなよ!!」

「眠りネズミ起こすなんて自殺行為だよ!!」

「え?」

 なんで起こすのが自殺? 起こすだけだよ?

「……はぁ、もういい。お前らもついてくんなら勝手について来い。ネネが限界だからな」

 なんで起こしちゃダメなの~? って視線を送ったらため息をついて話をそらされた。なんでー?

 ミカはネネを抱き上げて、さっさと歩き始めてしまう。

「あ、まってよみ、三月ウサギー!!」

 いい加減やめようよ。ミカがすごい目でにらんでるよ? こわいよ?

「待ってよー、三月三日月!!」

 いや、確かに和訳したらそんなんだろうけど……?

「アリス? おら、おいてくぞー?」

 それは困るな。行こう行こう。

「ちょっと? 僕らはー!?」

「勝手に、ついてくんならついて来い」

「ひっどーい!!」

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