「脱出」
「誰?この人」リサは訝しがってmiyakoと居るこの「カンザキ」という男を見つめた。miyakoは全然知らないこの男をなんと説明していいか分からなかったがとりあえず今は信じてみようと思って、「この人はカンザキさんでこっちが親友のリサでついでに私はmiyakoといいます。」と手早くお互いを紹介した。
「こらそこ!勝手に移動しないで!」と警察官の声が響きmiyakoたちは自分達かと振り返ると裏口へ走り去ろうとした黄色いスーツ姿の男が警察官数名に取り押さえられていた。
「あまり時間が無い。」カンザキは穏やかな口調でmiyakoの手首をつかんがキュッと結んだ口から只ならぬ緊迫感を感じたmiyakoとリサの二人は〈とりあえず逃げないといけない〉と思いその男について行くことにした。
正面出入り口では3人の屈強な警察官が虫も通さないという苦虫を噛み潰したような怒り顔で無理やり店外に出ようとする輩を威圧していた。
カンザキは落ち着いた様子で足早にその警察官の横をすり抜けようとした。しかし警察官の一人に肩を捕まれ、「おい!どこにいく?」と早速止められてしまった。
しかしカンザキは落ち着いた様子で「おい!俺の女がトイレに行きたいといってるんだ。お前らトイレにも行かせないように上から言われてるのか?責任者は?」と警察官にくってかかっていた。
警察官達は少し相談して上司に無線で連絡を取っていたがしばらくすると「わかった。ではそこの女!早く行け!お前は残れよ。」と吐きつけるようにいった。「わ、私もトイレ行きたいです。」とリサが言ったのでカンザキと向き合っている警察官は「ああわかった。お前もいけ。」とmiyakoとリサを開放してくれた。
屈強な警察官3人の側をすり抜け、女のにおいのする女子トイレでリサは口を開いた。「これからどうするの?あの男にトイレに行きたいっていったの?」miyakoは「ううん…でもあのカンザキさんって人がトイレに入ったら上を見ろって」miyakoの言葉で二人は上を見上げると通気口のような天窓が二人の目に飛び込んできた。「これだ!」二人は2メートル近くある天窓に肩車でまずリサが上りロープのような紐を伝って後からmiyakoが何とかよじ登った。