「海岸倉庫前」
愛車のゼファーが唸りをあげて国道58号線を北上し、元はあっという間に砂辺の海岸沿いに向かって左折した。時間は真夜中過ぎ。週末なので人通りは少ないが通りの商店は光を消して、海岸沿いのオレンジ色の街灯だけが静かに灯っていた。
元は多勢に無勢で戦うことを覚悟していたがどうしてもヒトシという南部連合のリーダーが許せなかったし、他の加害者も許さないと決めていた。
海岸倉庫の店の前に2台の族車が停められていることに気付き、ゼファーのエンジンを止め、建物の陰から様子を伺っていると中からダボダボの黒い特攻服に身を包んだウルフカットの小柄な男と長めの金髪の中肉中背で普段着のジーンズにTシャツの男がペプシコーラの缶を加えながらスキッ歯から漏れ出した下品な笑い声と共に連れ立って海岸倉庫の自動ドアから出てきたところだった。
ウルフカット「そろそろ行かんとヒトシさんに殺されるぜ。」
キンパツ「そりゃキー坊がアンパンキメテからって言うから・・・」
「ナンだとそりゃ俺のせいだって言ってんのか?すぐ死なすよ!」と握りこぶしで殴るフリをしたので金髪は目を閉じて怯んだ。「ごめんごめん」と謝ったので許されたが金髪はビクビクしていた。
「今夜はお前が族に入りたいって言うから連れてきたのにまだ文句あるんか?」と小柄なウルフカットは今度は金髪に肩パンを一発入れてから地面に唾を吐いた。
「でももうそこら辺にいないんじゃない?」と金髪は小さな声でつぶやいた。
「今日はたぶんタコ山行って帰りに国際通りから帰るから帰りにいつの間にか合流大作戦だな!」
「ばれないかな?あと俺のことどこで紹介・・・」と金髪が話している途中に暗闇から元が黒猫のように現れものの2秒で気絶させていた。あごの先をかすらせるボクシングの技術だった。




