「砂辺の集会」
「今日も狩るぞ!」北谷にある砂辺の防波堤沿いに30台以上のの族車・旧車が集結していた。中には特攻服を着た気合の入っている輩から期待族と呼ばれる物見高い中高生も原付やアドレスv100に二人乗りで集まり始め、遠巻きに「今夜何が起こるのだろう」と半ば興奮して夜の砂辺の防波堤は異例の賑わいを見せていた。
「今日は総長機嫌悪いから気を付けねえと・・・」親衛隊のレイジが気を揉んでいると遠くから牛(GS)に乗った総長が重低音のドルンドルンという独特の音で周囲の浮かれた雰囲気を緊張感に変えながら現れた。
「おはよーございます。」「お疲れ様です!」と愚連隊の連中が次々とバイクを降りて緊張した面持ちで深く頭を下げた。
総長のヒトシは横に控えている親衛隊のレイジに顔も向けずに「どうだ今夜は?」とセブンスターのタバコを咥えたまま呟いた。
レイジは頭を下げたままで体を固くした「本日の集会はチームのメンバー総勢46名が参加!欠席連絡なしが二名!報告以上。」
バキッ!という音が響いてヒトシの前蹴りが親衛隊のレイジの横顔に命中し防波堤の壁に体ごと持っていかれたレイジは頬に強い衝撃を受けて鼻血と軽い脳震盪でフラフラしていたが首を振って元の場所に戻り斜め45度の敬礼体勢で赤く腫らした頬もそのままに「すいません!昼から携帯鳴らしてるうですが取らなくて・・・」
「お前、泳ぎ得意か?」と口元に小さな笑みを浮かべながらまたタバコに火をつけて一息はいてから言葉を続けた。
「沖縄は暑いからな。冬でも海は気持ちいいんじゃあねえか?」
周囲の空気は一辺に凍りついた。
「おいおいおいおい」ヒトシはレイジの顎を軽く持ち上げて顔を近づけて「お前は本当に親衛隊か?ナメてんのか?メンバーも集められないなら帰れよ。」といって地面に唾を吐いてそのままレイジの首を左腕一本で持ち上げ首を絞められた。
バタついたレイジの足がヒトシの真っ白な特攻服の腹のあたりに小さな汚れを付けてしまった。
ヒトシはそのままレイジの首を持ち上げたままみぞおちに強烈な正拳突きを打ち込んだ
ヒトシは口に溜まった血を吐き出しながらその場で呼吸できなくなりバタバタ暴れたがヒトシはそのまま首を傾げてまだ口にはうすら笑いを浮かべたまま砂辺の防波堤からレイジを海へ放り投げた。




