「震えるこころ」
元が心の底から震える怒りを感じたときもう目の前は戦場のようだった。
蹴り上げられた教室の机は天井に大きな穴を開けて突き刺さっていた。
驚いた生徒たちは何が起こっているのか分からずにただ悲鳴と拳が骨に当たって鈍く響く独特の音が教室内に静かに木霊していた。
ゾッキー①「すいません、すいません!」
ゾッキー②「もう許してください。お願いします。お願いします。」
元は言葉がわからない野獣のような怒りの炎に身を委ねもう誰にも止めることはできなかった。
比嘉あいみは比嘉満の妹でよく満が「もうお兄ちゃんしっかりしてよ!」と優しい笑顔で励ましている姿を目にしていた。
二人のゾッキーはその笑顔を永遠に失わせ、親友の満を嬲り殺しにしたのだ。
元の怒りは目の前にいる軽薄な加害者を思い切りボコボコにしただけでは収まらなかった。
「ヒトシって誰だ?どこにいる?!」意識を失いかけているゾッキーの血みどろになった顔を思い切り蹴り上げて血しぶきを舞い上げたあと、頭を踏みつけながら問いかけた。
「いつもの集合場所の海岸倉庫の近くにある砂辺の海沿いに明日の午前零時…」とだけいうともうゾッキーは意識を失った。
教室は騒然として誰も息を潜めるように物音一つしなかったが元は満からもらったアニメのステッカーが貼ってある薄くした学生鞄を肩にかけそのまま学校を後にした。




