「国家公安局特殊生物対策部」
慌しいヘリから降りたmiyako一行を待ち受けていたのは十数人の黒いスーツ姿の男たちと真っ白いスーツに白いハットに身を包んだ場違いな男だった。
屋上の非常口からホテルの最上階へは非常階段の簡素な鉄筋なのにドアを開くとそこには銃を携帯した黒いスーツの男たちが両脇に並び斜め45度に頭を下げて一行を出迎えた。その一人が一人歩み出てきて「こちらです」とmiyako達が通された部屋は最上階のロイヤルスィートの豪華な部屋だった。
「これはこれはご無事で何よりです!」と白いスーツの男は白いハットを恭しく外して胸の前に持ち、まるで中世の騎士の様にゆかりの前にひざまずき、ゆかりの手をとってキスをしようとしたがゆかりが途中で手を引いたので自分の手のひらにキスをする羽目になった。
「こんなことをしている余裕があるのですか?あなたは政府の人間にしては派手すぎます!」と一喝されたが男は何事も無かったように立ち上がり、膝についてもいない埃を叩いた。
「ご機嫌斜めのようですね。」とゆかりを横目に見ながらその白い男はmiyakoとリサにも同じ行為をしようとしたのでタマキンが「っていうかあんたいったい誰なんだよ!」と二人を庇うように前に出て言った。
「Oh!これは失礼いたしました。」と男はおどけて見せた。よく見ると身長も185cmを超える線の細いその男は細長く切れ長の目の端に皺が寄るほど顔を崩して帽子を胸に頭を下げながら、「私は…」と言い掛けた時後ろから運転手の元さんが「こいつは国家公安局特殊生物対策本部のイザナギだ!」と横から口を出した。
「Oh!これはこれは《サバイバー》の元さんではないですか!確か最後にお会いしたのは…中東でしたっけ?」とイザナギと呼ばれた男は細い目を見開いて大げさに驚いてみせた。
「あんたが動いてるってことは国はこの件をもう嗅ぎつけてるってことか?」と元さんは威嚇するようにmiyako達とイザナギの間に体を入れてきたのでイザナギは元との距離を保って後ずさりした。
「私も丸腰であなたの間合いに入るほど耄碌してはいません。では立ち話もなんなので…」と少し真顔になって白い男は奥の部屋に皆を招きいれた。




