「松山」
松山は沖縄の眠らない街といわれ、居酒屋からスナックにキャバクラ、さらに風俗のセクキャバやイメクラやソープ、変態SMクラブにまわるおっぱいのお店に加え、交渉次第で本番にも対応する非合法のデートクラブなどありとあらゆる種類の快楽が金で買える堕落した悲しい地上の楽園である。miyakoの母は出来るだけmiyakoをここに近づけたくなかった。miyakoと年も変わらない若く美しい娘達がヤクザ絡みの覚せい剤中毒で精神を病み見るも無残な最後を遂げた話はこの街では別段珍しくないからだ。
miyakoとリサは出来るだけ人目を避けるように松山に向かった。しかし夜中でも「キャッチ」呼ばれる違法呼び込みの黒服の男たちは観光客や本土からの出張中のサラリーマンをターゲットとして今夜も20~30人もいてmiyakoとリサはすぐに見つかってしまった。
「今日はパジャマデーですかぁ?」若い口ひげを生やしたオールバックのキャッチの一人が二人を見つけて陽気に話しかけてきた。「おっ、かわいいねぇ~。どこの店?スナック?抜き?ウチの店なら月で100万稼げるよぉ!」といやらしい目で品定めををするように二人を見ながらニヤニヤしている。
「あのね、私達あるお店を探してるの。絹ってスナック知らない?」miyakoは少し困った表情で甘えるように尋ねると若い口ひげのキャッチはちょっと真剣な顔になり、そのあと急に笑い出した。
「アッハッハ!おいおい、確かにお姉ちゃん達二人ともイイ線いってるってのはスゲー認めるよ。二人とも若くてこっちのナイスバディーの姉ちゃんはここらのキャバクラならすぐにナンバー1になっちまいそうだしそっちのカワイ子ちゃんはイメクラにピッタリだ。でもな、悪いことは言わねえ。絹だけは止めとけ。他なら俺がどこでも紹介すっぞ!」とmiyako達をキャバ嬢と思ったのかその男は話し続けた。
「あそこは松山でも老舗の超高級クラブでこの辺の場末のスナックなんかとは違うんだ。客だって内地の企業の社長さんを沖縄の社長連中が接待で使ったりするような由緒正しき店なんだ。俺の聞くところによると一晩の飲み代が3桁とかもあるらしいぜ。さらにバックには…」と口ひげはペラペラと話し続けたがmiyakoは母がそんな店で働いてるのなんて思いもしていなかったので心底驚いていた。
「…でさぁ、その時俺が言ってやったわけよ!『沖縄旭琉会』なめんな!ってね。まぁ俺はホントは構成員じゃないんだけどさぁ、ダチそうなりそうだったんで…」と口ひげはかわいく相槌を打ってくれるリサに向かって自分の武勇伝を話し続けていたが、男の背中越しにこちらに向かってくるパトカーが目に入ったmiyakoは口ひげのシャツを引っ張って目の前の「風俗無料案内所」と書かれた店にリサと3人ですばやく移動した。「おいおい、俺ここ入っちゃダメなの!」と出て行こうとする口ひげはパトカーを目にするとすぐに店内に戻ってきて「おいおい姉ちゃん達のせいで俺検挙されちゃうよぉ。次は実刑だって目ぇつけられてんだからよぉ」と文句をいった。
店内は無人で松山のいろんな風俗店の案内パンフレットが置いてあり、壁一面に綺麗なドレスに身を纏った若くてきれいな女の人たちのポスターと利用料金が書いてあった。




