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週末は通い妻  作者: syoui
6/7

番外編 そのEX『七夕special』

 七夕project、行きまーす。

 今日、ウォルストール家では何時にも増して慌ただしかった。何故なら、主の見初めた未来の奥方である春奈が、

 「七夕をしよう!」と、提案したからである。

 彼女の故郷の風習だそうだが、彼女は異世界の出身。この大陸には『七夕』なるモノは存在しない。

 しかし、愛する恋人の喜ぶ顔が見たいウォルストールは

 「ハルナ、『七夕』とはどの様なモノなのだ?」

 「あのね、先ず『竹』ってあるでしょ?」

 「先日話していた、生え立てを食すと言う植物だな。」

 「そーそー、それそれ。で、その竹の葉っぱの事を『笹』って言うの。

 『七夕』って言うのは、その笹に願い事を書いた短冊を吊して楽しむの。元々は神事だったんだけど、長い歴史の中で楽しむ為のイベントと化していったんだよ。」

 「ほぅ。」

 「で、先ずは竹を用意しないといけないから、向こうから持ってくるね♪ウォル、手伝ってくれる?」

 と、少しだけ上目遣いで頼むと、すぐさま

 「了解した。何を持ってくればよいのだ?」

 と、微笑みながら聞いてくる。

 そして、春奈の『ありがとう♪』の言葉が更に彼の心を鷲掴みすにるのだった。

 その後、春奈とウォルストールは扉を潜り牧村家へと渡り、予め知り合いから購入しておいた笹竹を担いで再びウォルストール家へと帰って行った。


 屋敷に戻ると

 「外に出さないとね。」

 と、笹竹を広さのある庭へと運び出し、一旦、隅の方へ寝かせた。

 そして

 「まず、土台を作らないと。」

 と、イメージをイラストに起こしていく。

 その間、屋敷の人々は生まれて初めて見る『竹』なる植物に興味津々であった。

 おっかなびっくり触ろうとすると

 「葉の方には、トゲが有るから気を付けてね〜。」

 と注意したりしながら、イメージラフを完成させた。

 そして今度は、そのラフを基に実物の制作である。

 ウォルストールやヴィスト、他、数人の使用人の手で完成した土台に竹を立て、四方を厚い板で覆い、更に竹自体にも四方から角材で補強と、これでもかと言わんばかりの作業の末に漸く立った姿は、中々壮観であった。


 「さぁっ!次は短冊作り〜♪皆さん、願い事をこの紙に書いてください。書き終わったら、ウォルかアタシに渡してね〜。集まったら、笹に吊り下げるよ〜。」

 屋敷中の使用人達に短冊を配り、

 「はいっ♪ウォルも♪」

 と、ウォルストールにも短冊を渡す。

 「ハルナ、そなたは書かぬのか?」

 と、聞いてくる彼に対して

 「もう、書いてあるんだ〜♪後は、吊すだけ。皆も短冊はまだ有るからどんどん書いてね〜♪」


 その後、集まった短冊を吊す作業はたっぷり2時間程掛かった。



 短冊を全て吊し終えた後、春奈は

 「ちょっと待っててね〜♪」

 と言い残し、牧村家へ戻っていった。





  浴衣に着替えた春奈が戻ってきたのは、其れから直ぐ後の事だった。






 そして、日が沈み夜の帳が降り空を見上げれば満天の星空に溜め息が出そうになる…。


 「…綺麗…。こっちは街の灯りも届かないし、空気も澄んでるからよく見える…。」

 「ふむ…。こうして、静かに星空を見上げるのも悪くない。そなたと一緒なら尚の事。」

 周りから感嘆の溜め息が聞こえる中、春奈はウォルストールに身体を預けながら

 「…こっちにも有ったんだ…。天の川…。」

 「天の川…とは、あの星の筋の事か?確かに川の様にも見えるな。」

 「七夕にはね、伝説が在るの。織り姫と彦星の伝説が…。」

 そして春奈はその場に居た人達に七夕の伝説を静かに語った…。

 満天の星空を見上げながら…。







    七夕special  fin

 拙い文章にお付き合い下さって、誠にありがとう御座います。

 はいっ。と言うわけで、七夕special、如何だったでしょうか?

 七夕projectとして短編や、他の小説も同様の番外編が載っています。是非、其方もよろしくお願いしま〜す。

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