その4
前回のあらすじ
こっちの世界でも試してみたけど、あの廃墟は何なの!?
コンコンコンコン………
ドアをノックする音が響く…
あの後、何度か試してみたが全て同じ廃墟に繋がった。試しにアタシもやったみたが、結果は同じ廃墟だった。
そしてその事を踏まえて、解った事を整理すると、
1、複数の世界とは繋がっていない。
2、誰がノックしても結果は同じになる。
3、ノックの回数は10回ピッタリでないと効果はない。
と、言う事が判明した。
ならば、アタシの部屋のドアを誰かが10回ノックすれば元の世界に帰れるはず…。
しかし、その考えは却下だ……。
何故なら、普通自室に入るのにノックはしないし、他の誰かが入ろうとしても10回もノックする人は居ない…。
そんな事を考えているとウォルストールさんが、
「ハルナ、紹介しよう。メイド長のサリーだ。」
と、先程の女性を紹介してくれた。
サリーさんは、
「お初にお目に掛かります、お嬢様。お嬢様の事は今し方、旦那様から伺いましたわ。何かと心細い事もおありでしょう。御遠慮なさらず私共に何なりとお申し付けくださいませ。」
それを聞いて、アタシは胸が熱くなり泣いてしまった…。
突然泣き出してしまったアタシにウォルストールさんは驚いてしまっていたが、サリーさんが直ぐに優しく抱き締めて落ち着かせてくれた。
その後、ヴィストさんは、
「では、お嬢様のお部屋の用意が御座いますので。」 と言い、サリーさんは、
「私は、お嬢様のお召し物を用意致しますわ。」
と、お辞儀をして部屋を出て行った。
広い部屋に2人っきりに成ったアタシは、
「ウォルストールさん…、あの…、アタシ…、何て言ったらいいのか…。あんな怪しい表れ方したのに、こんなに良くしてもらって…。あの…、有り難う御座います。」
と、お礼を言うと、
「なに、私が勝手にやっている事だ。そなたは気にせずともよい。其れよりも、そなたの住んでいた世界の事を教えて欲しい。異世界…。とても興味が有る。」
と、目を輝かせお願いしてきたウォルストールさんを見てアタシは、
「うん。分かった。」
と、彼に語って聞かせた。
拙い文章にお付き合い下さって、誠にありがとう御座います。
やっと更新できました〜。
いや〜、お待たせしてしまって申し訳ない。