その2
前回のあらすじ
冗談半分で都市伝説を試したら、ホントに異世界に着いちゃった!?!?
混乱しているアタシを見かねて、
「兎に角、落ち着きなさい。ヴィスト、お茶の用意を。」
「宜しいのですか?旦那様?」
「ああ。構わない。」
「畏まりました。では、直ぐに。」
「そなたも此方に来なさい。其処に居ては出入りの邪魔になる。」
「えっ?あっ?はっ、はいっ。」
言われるまま勧められた椅子に座り辺りを見回してしまった。
…うん…。やっぱり、アタシの部屋じゃない…。
じゃあ…ここは…?向かいに座っている男性は誰?
「お待たせ致しました。」
そんなことを考えていたら、さっきの初老の男性がお茶の用意をして戻ってきた。
向かいの男性の事を『旦那様』と言っていたので、この人は執事なのかな?
で、向かいの人は此処の主か…?
「さぁ、お嬢様もどうぞ。」
「あっ…、ど、どうも…」
差し出されたミルクティーを一口含む。
「美味しい…!?」
「それはよう御座いました。お口に合って何よりです。」
本来、アタシは紅茶があまり好きではないのだが、このミルクティーは今まで飲んだ物よりも遥かに美味しかった。
「どうだ?少しは落ち着いたか?」
「はい。」
「それは良かった。私はこの屋敷の主で、ウォルストール・ヴィ・ルーデリアと言う者だ。彼は、執事長のヴィスト。」
「以後、お見知り置きを。」
「そなたの名は?」
「あ、はい、牧村春奈です。」
「牧村…春奈…。ふむ…。聞いた事の無い響きの名だな。この国の者では無いな。」
「あっ、あのっ。」
「ん?どうした?」
「こ…ここは、何処なんですかっ?」
そう言うと、2人は一度顔を合わせ、またアタシの事を見た。
「…そなたのその目…。どうやら、冗談で言っているのでは無さそうだな。」
「その様で御座いますな。」
「良かろう、簡単に説明しよう。ここはルーデリアと言う国で、大陸の一画を支配している。近隣諸国との関係も良好な平和な国だ。」
ルーデリア!?そんな国、聞いた事無い…。間違いない…、アタシは…異世界に来てしまったんだ…。
一方、牧村家では……
「ふぅ…。姉さん、ただいまぁ。
…あれっ?姉さん?居ないの?」
姉さんが、居ない…?
「おかしいな?」
「姉さん、寝てるの?」
しかし部屋には姉の姿は無く、制服や鞄すら見当たらなかった…
「…どう言う…事…?」
毎度お馴染み、拙い文章にお付き合い下さって、ありがとうございます。
前書きに『前回のあらすじ』みたいな物を書いてみました。
どうでしたでしょうか?