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コード・オブ・レヴァリエ  作者: 伊瀬 未兎
第二章 『春の桜魔高祭』
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第二章 『春の桜魔高祭』 1-1

一週間後と言っていた作者ですが、そんなに待てない(作者が)。


というわけで、


ここからは一日一話(投稿?)を目指していきたいと思います。


なので、段落の区別の仕方が少々難しくなるかもしれません。


大体二分割して出していきたいと思います。

 未だ桜の散りきらない4月末、夕焼けの光に照らされた校舎は、鮮やかな朱色に染まっていた。


外ではグラウンドを走る陸上部のきびきびとした声が響いている。



 校舎の中は昼間に比べて生徒の行き来が少ない。


窓を通して差し込んでくる夕日の明るさに照らされて、


明かりの灯っていない廊下はどことなく寂しげな静けさを醸し出していた。



 4階ある校舎の最上階、廊下の突き当たりにある生徒会室で、


雄介は女生徒二人に挟まれるような形で立っていた。


生徒二人は、雄介に手の平をかざすような形で対峙している。



「……じゃあ、もう一度いくぞ」



「……お願いします」



 二人の手の平からやわらかな金色の光が生まれる。


徐々にそれは大きくなり、雄介の体全体をやさしく包み込んだ。



 雄介はその光に身を任せるように右手をゆっくりと持ち上げ、手の平を天井に向けた。


その瞬間、手の平に適性検査の時と同じように小さな光が生まれ、


徐々にそれはわずかなうなりを上げて大きくなる。



「くぉ……」



 だが、雄介が苦痛の声を上げた瞬間、


それはバチィッ!とまるでスパークを起こしたかのような音を立てて、


小さな光の片鱗とともに爆散した。


その衝撃で雄介は後ろ向きに勢いよく倒れる。



「ふむ、二人がかりで魔力の流れを促しても駄目か……」



 前に立つ紫が眉間に人差し指を当てて「むぅ」とうなる。



 雄介を含む四人の生徒会メンバー(+一人)は、


学校の授業が終わった放課後、生徒会室で雄介の魔法の特訓を行っていた。



 数日前のあの日、雄介は紫との勝負に惨敗し、悲惨な結果をもたらした。


しかし、会長としての慈悲もあって、


雄介は生徒会のメンバーとともに、


魔法が使えるようになるための特訓をほぼ毎日欠かさずに行うようになった。



 だが、結果は先ほどの通り、


魔法を行使するどころか、魔力を十分にコントロールすることすらも叶わない。


魔力を放出するところまではいいのだが、そこから元素変換するときに魔力の制御が利かなくなる。



「元素変換未だ達せず、か。


しかし、四大元素全てにおいての変換が出来ないとはどういうことなのだ?


少なからずともいずれかの元素に魔力が当てはまるものがあるはずだ。


しかしこれは……全ての属性にまるで魔力自体が拒絶反応を起こしているかのよな……。


それともこいつがただの落ちこぼれなのか……」



 ぼそぼそと独り言をつぶやく紫に、亜美は小さなため息をついた。



「私達もう疲れましたわ、ゆかちゃん」



 雄介の右側に立つ亜美が疲れたような声で言う。



「……同感」



 左側に立つ江向は例のごとく本に目を運ばせながら、


本当に疲れているのかわからない無表情のまま小さくつぶやく。



「ふむ、そうだな、そろそろ日も落ちる頃だし今日はここいらでお開きにしようか」



 紫のねぎらいの言葉を最後に、今日の生徒会は解散となった。



「ああ江室、お前は残れ」



 勝負には負けたものの、いつしかもう見下した言葉は少なくなった紫の呼びかけに、


雄介は江向と亜美の後に部屋を出ようとした足を止める。



「なんです?」



 雄介が問うと、紫は無言で一枚の紙切れを手渡した。



「これは?」



 その紙は、上部にリボンを象った枠組みの中に、


『桜魔高祭』と書かれたB5サイズの小さなポスターだった。


中心に杖を持った可愛らしいデザインの魔法使いらしきキャラクターが、


先端に星の付いた杖をにこやかに振り回している。



「そうだ、江向やあーちゃんにはすでに渡してあったのだが、お前にはまだだったからな」



 桜魔高祭とは、春と夏の2回行われるいわゆる世間一般の文化祭のようなものだ。


それぞれ二日間連続して行われ、出店やアトラクションが並ぶのはもちろんのこと、


魔法学校ならではの一大イベントがここ桜魔高祭では行われると聞く。



 ただ、春に行われる桜魔高祭に限っては、新入生の歓迎のレクリエーションもかねているらしい。



「別に、俺はもう教室でもらったんで大丈夫です」



 そう言って紙を返そうとしたとき、紫はそれを手で押し戻した。



「いいから持っておけ」



「どうしてです?」



「そのポスターは普通のポスターとは少し違う。下の方を見てみろ」



 言われた通りに最下部を注視してみると、


端っこの方に「生徒会専用」と赤い印がしてあるのを見つけた。



「これが何だって言うんです?」



「その印が押されているだけで、


そのポスターは桜魔高祭における二日間限りのフリーパスポートになる。


しかも人数制限無しという特権付きだ」



「マジすか」



 思わず雄介は印を凝視する。



「それをお前にやる」



「は?」



 雄介は心底驚いた。


つい数日前まであんなに冷淡だった紫が、


生徒会専用の桜魔高祭のフリーパスポートを何の見返りも求めずにくれると言うのだ。



「……なんか企んでます?」



 ジトッとした目で心の内を探る。



「失礼な、この数日間頑張ってきたお前にねぎらいの一つでもやろうかと思ったのだ。


安心しろ、企んでなどおらんよ」



 紫の見たことのないその笑顔が、逆に雄介の疑惑の念を増大させた。


が、本当にそうだったら大変失礼極まりないので、とりあえず受け取っておくことにした。



「……ありがとうございます」



「うむ、いい心がけだ。ではまた、ごきげんよう」



 紫はそう言い放ちながら、まるでその場から逃げるように足早に部屋を出て行った。



「……何なんだ?」



 雄介は結局、一人生徒会室に取り残されることになった。

はてさて、第二章1-1段落。



ここからは一日一投稿を目指して生(行)きたいと思った作者ですが、


正直このペースだとすぐにネタ切れしてしまいそうな気がしなくもない。


 書き溜めてはい入るんだけどね、うん。3章まで。



とりあえず今回はちょっとした伏線を置いた(つもり)。


後々回収予定。



コメント・感想、いつでも受け付けております。



ところが作者、部屋の掃除を親からの勅令を受けてこれから大掃除という大災害へと突っ込まざるを得ない状況なので、


これからほこりの渦の中へどーんっ!


と咳き込みながらしなければいけないわけでして……


あ、ごめんなさい怒らないで、ちゃんとやりますよはい。


PC電源そのままでい(ry


はい、消します。



では、これから作者は地獄に逝ってまいります。



生きていたらまた明日会いましょう。



次回、第二章1-2段落。



江室がまたやらかします。色々と。

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