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コード・オブ・レヴァリエ  作者: 伊瀬 未兎
第三章 『忌み深き追憶』
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第三章 『忌み深き追憶』 2-1

今回は徹がなんだか可愛そうです(笑)



では、どうぞ!

「何あれ」





「ウッソー!」





「何で生徒会長とダウナーが一緒に登校してくるわけ?」





「信じらんない!」





 登校途中の女生徒達の妬ましい目線が雄介のみに突き刺さる。



当の紫は何てことないように平然と雄介の隣を歩いていた。



 どうやら、昨日の桜魔高祭トーナメント事件の犯人が雄介であることは誰も気づいていないようだ。




 あんな事があったのに桜魔高祭を続行する学校も肝が据わっていると言える。





「だから言ったのに……」





 雄介はため息混じりにぼやく。





「何がだ?」





 本気で今の女生徒の視線を浴びつづけている状況を理解していない様子の紫に、


雄介はもう何も言うことが出来なかった。



落ち込んだようにうつむく雄介を見て、


紫は不思議そうに首をかしげた。




 こんなところを徹に見られたらと、


しだいに雄介が心配になり始めたその矢先。





「ん?あいつは、お前の友人の……



確か桜井とか言う奴ではなかったか?」





 何かに気づいたように紫が指差したのは、


まさに徹そのものの背中だった。



もはや、何で親友の名前まで知っているのかなんてもうどうでもよくなっていた雄介であったが、


徹の背中からはどことなくブルーなオーラを発しているように感じられなくもなく、


とりあえずその場を乗り切ろうと、雄介は小声で紫を制する。





「そ、そうですけどね先輩、


今あいつを呼ぶのは止めておいた方が――――」





「おぉい桜井とやら!」





「ちょ……!?」





 雄介の忠告を速攻ガン無視して、


紫は大声で徹の名前を呼んだ。





「ちょっとちょっと!?



何で呼ぶんですか!」





「何でって、あいつはお前の友人なのだろう、


呼んで何が悪い」





「それはそうですけど、


物事にはタイミングと言うものが……!」





 そうこうしている間に、


徹は女子である紫の声にものすごく反応し、


「ハァイ!」と良い返事とともに輝く笑顔で振り向いた。





「あ……」





 雄介がしまったと思うも時すでに遅し。



こちらを振り向いた徹が目にしたのは、とっても楽しそうに話す紫と、


その横に並んで一緒に話しながら歩く雄介という、


その辺りだけが一段と神々しく見える二人の姿だった(徹目線)。





 輝く笑顔の徹の表情が一瞬にして悲しみに暮れた顔に変貌し、


それを見た雄介は慌てて言い訳を並べる。





「と、徹よ。こ、これはだな、えっと……何かの間違いなんだ。



そ、そうさ、さっきそこで先輩に会ってだな――――」





「何が間違いなものか、


今日は朝から一緒だったではないか」





「先輩は黙っててください!!」





 慌てて雄介が紫の爆弾発言を阻止するも、


時すでに遅し再来。



紫の言葉を聞いた周りの生徒全員がどよめいた。





「と、徹さん?」





 当の徹はというと……。





「何で雄介ばっかり……ヒグッ。



何で俺の周りには誰も……エグッ」





 棒立ちのまま大号泣していた。





「いいんだいいんだどうせ俺なんか雄介みたいにメイド喫茶で可愛い女の子と亜美先輩と一緒に楽しいことしたり紫先輩と一緒に朝登校する事なんて一生出来ないんだああああああああ!!



雄介のバカヤロおおおおおお!!」





「うっ……バレてる」





 涙を後に引いて、


徹は間を開けずに叫びながら全力疾走で走り去っていった。





「一体何なのだあいつは?」





 紫は怪訝そうに徹の行く先を見つめた。





「十中八苦、俺のせいだと思います……」





「まったく、お前は一体何をしたのだ。



あいつが何か叫んでいたがそれのことか?」





 幸い、紫には徹の叫びは届いていないようだった。



つくづく、徹は可愛そうな奴だと思わざるを得ない。





「まぁ、そんなもんです」





 とりあえず、


後で徹にはきっちりとあれこれ説明しておこうと、雄介はため息をついた。




 朝っぱらから大変な目に会ったが、


そんなこんなでいよいよ桜魔高祭二日目。




 昨日よりかは人は少ない気がしなくもないが、


それでも目もくらむほどの女子の多さに、


雄介はめまいを起こしそうになる。





「ではな、私はちょっと用事がある。



後は頼んだぞ」





 紫は器用に後ろ走りのまま手を振ると、


そのままどこかへと消えていった。





「はぁ……本当にやんのか、


捕食者探し……」





 誰に言うでもないぼやきをため息混じりに言うと、


あてもへったくれもない雄介はとりあえずふらふらと校内をうろつき始めた。






 ◆◇◆◇◆◇◆






 雄介がどこかへとふらふらしながら歩いていくのを校舎の影から見届けた紫は、


携帯を取り出してどこかへと電話をかけた。





「あーもしもし?



私だが……ふむ……ふむ、了解した。



では、早急に準備を進めてくれ」





 携帯を閉じると、紫は一度雄介の方を見て、


またどこかへと消えていった。

第三章2-1段落、いかがでしたでしょうか?





徹カワイソス(・ω・`;)




徹が報われる日は来るのでしょうか……。




とまあそれは置いといて(←オィ)





さて、今回は若干久々の学校の日常(?)を描いてみたつもりです。




はたして、最後に紫が電話をかけていた人物とは一体誰なのか?





紫の目的とは?





そして、雄介は捕食者を見つけ出せるのか?




次回、



次回から江室の捕食者捜索が本格化します。



果たして、江室は捕食者の正体を暴くことが出来るのでしょうか!?




今作品最後の編となる『捕食者編』





今後もこの小説を読んで楽しんでいただけると嬉しいです

(●´∀`●)




では、お楽しみに!

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